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第308話 vs.ソーラ・サンクチュアリー




「この太陽の剣を使えそうな人探してるんだけど、アヤネ達は誰か知らない?」

「うーん...?」

「あやって剣使えるっけ?」

「え?一応...。」

「そうなの?なんか変な武器使ってるから剣は使えないのかと思ったわ...。」

「あはは...。」



確かに初めて見る人にはこの刀はすぐ折れそうに見える変な武器に思えるだろう。だけど、師匠にどんな武器でも戦えるようにしとけと言われているから剣は普通に使える...まぁ刀とは全く戦い方が違うけどね。



「...アヤネってもしかして強かったりする?」

「んー?普通くらいじゃないかなぁ?」

「...普通の人はプレイヤーのトップ(第1回イベント優勝)にならないよ...」

「え?どういうこと...?」

「えーっと...10万人集まる武闘会?で優勝したようなものね。」

「は?」

「でもそれってだいぶ前の話じゃん。今はみんな強くなってるだろうし、分からないよ?」

「それでも実力は申し分ないでしょ?」

「そうかなぁ...?」



第1回イベントの最後のジークさんとの戦いでは、霊斬丸の《霊体化》によって勝負を決めれたが、結構接戦だったと思う。今はもう色々と変わってきてるからあの時のようにはいかないと思うけどなぁ...。




「ちょ、ちょっと私と戦ってみてほしいんだけど...いいかな...?」

「別にいいけど...。」



おそらく私の実力を見るためなのだろうけど、勝負となれば精一杯頑張るよ。



───────

────


「...?...その目隠しは外さないの...?」

「...うん。外せないんだよね...。」

「え?なんで?」

「呪いじゃないんだけど、それに近いものだからかなぁ...。」

「そ、そっか...。じゃ、じゃあ気を取り直して...。」



街から遠く離れた森で、黒狼王の魔刀を右手に持つ私と同じく右手に太陽の剣を持つソーラさんが戦闘態勢に入る。ソーラさんは巫女らしいのだけど、構えから見るに何年も剣の練習をしてきている。身体能力は私と同じぐらいなんだけど、私の場合は膝下まで伸びる外套が体を覆っているため、動きにくいし、龍人の翼も使えない。...これはこれで()()なのかな...。



●●●●●●●●●●

【緊急クエスト】太陽の試練

【報酬】太陽の剣

【説明】ソーラ・サンクチュアリーとの1回限りの真剣勝負。実力を見極めようとする彼女に認められよ。失敗すればお前はただのモブだ。


【ルール】戦闘開始時、別サーバーへと転移。ソーラ・サンクチュアリーのステータスが挑戦者と同等に、使用する太陽の剣のスペックが挑戦者の武器のスペックの4倍になる。


【失敗条件】ソーラ・サンクチュアリーに認められない

●●●●●●●●●●




───カサッ......



「「──ッ!!」」



───キィィィンッッ!!ジュッ...!!



ほぼ同時に動いた私たち。ぶつかり合うと私の刀が大変なので咄嗟に相手の剣の()()()()()()。先程身体能力は同じぐらいと言ったが、それは剣のスペックを除けばの話だ。現に、私は軌道を僅かに逸らすことしかできず、私の背後には立派な木が数十本倒れている。それと私の外套が少し燃えたが、すぐに修復された。



──シュッ...!



すかさず横に一閃されたが、後ろに跳ぶことで回避し、今度はこちらが攻める。できるだけ姿勢を低くし、下から斬り込む。相手もそれに対応するように姿勢を低くし、防衛の姿勢になっている。...が



「もらっ...──!?」

「チェック()()イト...あぅ...。」



攻める方向を僅かに左にして、相手の意識をそっち側に誘導してから一瞬で右から後ろに回り、首に刀を当てて終わり...のはずだったのに噛んでしまった...。恥ずかしぃ...。



「...負けたわ。アヤネは本当に強かったのね。」

「...ありがと。」

「これ貸してあげるわ!」



外套を深く被り、赤くなっている顔を隠しながら感謝を述べる。今回は短期決戦みたいで少ししか楽しめなかったから次に戦う時は思う存分戦いたいなぁ...。

そして、ソーラさんからは太陽の剣を貸してもらえた。


それにしても、外套+太陽の剣の熱で本当に暑い...。あ、やっぱりじわじわ体力減ってる...!早く帰らなきゃ...。



剣を振るう巫女がいるってマ?

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