番外編 預言
────サーラ・シヴァ・アポカリプスside
「...月からの...侵略者...?」
ある夜、私が自室の窓際で月を見ながらぶどうジュースを飲んでいると、突然天啓を授かった。それは簡潔に『月からの侵略者』の一言のみ。
「ユズ。」
「はい!お呼びでしょうか?」
「...ジークフリートという者を探し出して、こう伝えなさい。『月から侵略者が来る』と。」
「ッ!そ、それは...わ、分かりました!」
「それと、できればスズカとアヤネ、アイリス、メルという者達にも伝えて欲しい。」
「分かりました!」
一瞬目を見開いたユズだったが、すぐに気を取り直し、その場から消えた。普段はお転婆だけど、こういう時にはきちんと役立ってくれる...。...流石は『海の掃除屋』隊長だ。
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27.ジークフリート
皆緊急事態だ。月からこの星に侵略者がやって来るらしい。
28.名無しの中級大剣士
≫27
ジークさん?急にどうしたんすか?
29.名無しの上級鞭使い
≫27
数は分かってるのかしら?
30.ジークフリート
≫29
すまない。俺も知り合いの預言者に聞いただけだから何とも言えん...。だが、警戒するに越したことはないだろう。
31.名無しの上級双剣士
≫30
え〜でも預言者って胡散臭くない?
32.名無しの行商人
≫31
そうとも言えないぞ?確かに現実世界では預言者は怪しいと思われる...。だけど、俺たちが今いる世界はなんだ?
33.名無しの上級双剣士
≫32
そうか。ゲームだから運営が設定している可能性があるのか。
34.名無しの行商人
≫33
そうそう。まぁあくまでも可能性の話だけどね。とりあえず騒動が起きない程度の緩さで拡散しといて、警戒させといた方がいいかもね。
35.ジークフリート
≫34
そうだな。俺たちのクランの方でも何か対策を考えておくことにする。
36.名無しの上級魔法使い
てか早くクラン機能追加して欲しいわ笑
37.名無しの上級拳士
≫36
それなw創るとしたら拳士のみのクランかなぁ...あー夢が広がるぜ。
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───ルナリア・ソーサレスside
「巫女様。準備が整いました。」
「うむ。...────これより惑星セカンダリアに進軍するッ!!」
「「「「「「「ォォオオオオオオオオ!!!!」」」」」」」
「絶海皇を見つけ次第殺せッ!報酬は要相談だッ!!」
「「「「「「「ウォォォォオオオオオ!!!!」」」」」」」
...大丈夫だ。きっと何とかなる。月の都製の武器がある。月法の調子もいい。...なのになぜこんなにも胸騒ぎがするのだろうか...?
「巫女様...。大丈夫です。私が着いています。」
「ラギ...。...そうだな。お前がいれば百人力だ。」
私の世話係であるラギの言葉に、私の心は少し軽くなった。...今に見ていろ太陽の巫女よ...。お前さえいなければ私は...私は自由になれる...!
その為にも早急に『絶海皇の核』を手に入れなければならない...。あの核には無限の魔力が宿っているらしいからな。それを使って月の都製水属性の武器を創れば...。
「ぐっ...!」
「巫女様!?い、いかがなさいましたか!?」
「い、いや...なんでも...ない。」
急に頭が痛くなった。なぜ?今までにも記憶を思い出そうとした時に限り頭痛がしたが、今回ばかりは記憶を思い出そうとすらしていなかった...。なぜだ...?
私は...分からないことばかりだ。
そして時は動き出す。(いっつも言ってんなこいつ)




