第302話 心眼少女アヤネ爆誕!
「...うん。やっと慣れた。」
「もう見えるようになったの?」
「うん。ごめんね?ずっと暇だったでしょ?」
「ううん。アヤネが見えるようになる方が大事だからね〜。」
「...ありがとう。」
あれから数日後。私はようやく普通に心眼を使えるようになった。本当に長かった...。でもそのお陰で、この目隠しがある状態でも普通に周りを見ることができる。
「じゃあこれ何本?」
「4本。」
「お〜!正解だよ〜!」
私の前に差し出されたメルの指の数を伝えると、メルはそれはもう可愛らしい笑顔を見せ、飛び跳ねた。
「慣れるためにこの街の人達に聞いて回ったんだけど、やっぱりソーラさんって人はいないみたいだね...。」
「そうだね〜。」
「あ、そういえばだいぶ前にメンテナンス来てたんだっけ...。」
まだ周りが見えなかった時にメンテナンスが来てたはず。今なら問題なく見れるので、来ているメールを確認する。
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プレイヤーの皆様へ
この度は《セカンダリア・オンライン》をプレイしていただき、誠にありがとうございます。
9月4日 14:00~17:00 にてメンテナンスを実施致しました。
メンテナンス内容
・バグ修正
・NPC(魔物含む)の動作修正
・一部スキルの動作修正
・一部職業の上、下方修正
・ステータス表記修正
・世界監視AIの権限修正
ご不明な点のある場合には『ステータス画面』より『ヘルプ』でご確認いただきますようお願いします。
今後ともこの《セカンダリア・オンライン》をよろしくお願いいたします。
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「おぉ見える...!確かステータスが変わってるんだよね...?...ステータス。」
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【名前】アヤネLV.90→95
【種族】焔龍王
【職業】鍛冶師LV.17
【状態異常】正常
HP:5150/5150
MP:4750/4750
STR:37,715(90+7,453)
VIT:25(20)
DEF:25(20)
AGI:9,958(100+7,867)
INT:547(20+418)
DEX:1,008(90+807)
MND:25(20)
【スキル】《鍛冶LV.18》《剣術LV.33》《身体強化LV.25》《採掘LV.5》《伐採LV.2》《木工LV.6》《鑑定LV.17》《錬金術LV.13》《錬金鍛治LV.15》《焔龍王の力LV.5→7》《刀術LV.19→28》《刀堂流刀術LV.26→35》
SP:168→193
【装備】葉狼セット、黒狼王の魔刀、黒狼王の魔短刀
【称号】『葉狼を撃破した者』『地獄の討伐者』『焔龍王の力を持つ者』『獄狼王を撃破した者』『憤怒のレイドボス』『第1回イベント覇者』『嫉妬』『???に至る道』『怠惰な祝福』
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「ん〜?...どこが...あ、星が全部数字になってる?」
前まではある程度の上限が来たら☆になっていたのだ。全部数字の方が見やすいね。こうして見ると、私も結構レベル上がってきたなぁ...。
というか、SPが溜まってきたからそろそろ割振ろうかな?うーん...どれに割振ろう...。
───物理こそ至高...
...防御の面が不安だからそっちに割り振るのもいいかも...。
───攻撃こそ最大の防御...
......器用さに振ろうかな...。
───火力でねじ伏せれば器用さなどいらない...。
スカーレットさっきからうるさいよ!?
『むぅ...。』
あの小さくて可愛いスカーレットが頬を膨らませているイメージが容易に想像出来る。...可愛い。けど、それとこれとはまた別だ。
『あぅ......。』
ステータスのSTRの字だけが光り輝く。...これじゃ私が悪者みたいじゃん...。
『...ダメなのか...?』
「うっ...。」
「アヤネ?さっきからどうしたの?」
「い、いや...なんでもないよ。」
『.........えいっ。』
「...え?」
STR:......(90→283+.....
SP:193→0
「...。」
『...。』
...まさかスカーレットがステータスをいじれるなんて思わなかった...。これからはレベルアップしたらすぐに割り振らないと...。
「...はぁ...。もうやっちゃダメだからね?」
『ぅ...はぁーい......。』
「え゛...私何かした...?」
「ううん。こっちの話。メルは関係ないよ。」
「そ、そっか...。」
もういいや。切り替えてソーラさんを探そう...。
いつもより幼児退行したスカーレットちゃんでした。




