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第298話 高速 / 拘束




「.........!」


「っ!」



───キィッ......!



速い...!けどなんとか反応できるレベルだ...。



「.........!!」


「ぅっ...!」



───ヒュンッヒュヒュンッッ!!キィンッ!!




上手い...。



───キィィンッッ!ヒュヒュンッ!



すごく攻撃的な剣使いだ。常に攻めの姿勢を絶やさないが、それでいていざ反撃を受けるとなると、すぐに防御もできる...そういった隙のない剣構え...。



「───はぁッ!!」


「.........!?」



──《刀堂流刀技・華》──



───ギギギギギギギギギギギギィィンンッッ!!



相手を包むように全方位から()()同時に斬撃を浴びせる。しかし、それを相手は無骨な剣1本でほとんど防ぎきった。さすがに全ては防げなかったようで、切れた外套から覗く肌はやはり無く、見えるのは骨ばかりだった。



「.........。」


「.........。」



───ヒュゥゥゥ.........




相手は剣の切っ先を地面に向け、楽な姿勢でこちらを窺っている...ように見えるが、これもやはり不思議なことに隙がない。何より...楽しそうだ。まぁ私も楽しいけどね。



「.........!!」


「ふッ!!」



───ギィィィンンッッ!!



刃を打ち付けるのは心が痛いが、相手は本気の勝負を望んでいる。ここで刀を守るために死ぬのは相手に不誠実だろう。剣と刀の真剣勝負。負けるつもりは...ない!




「はぁぁぁぁあ!!!」


「.........!?」



───ギィィンッ!!ギンッ!ギギィィンッッ!!



私の刀は...そうやわな鍛え方はしていない...!数千回程度無理に打ち付けても耐えれるまでには鍛えた...!...この数千回で...相手を倒す...!...もちろんやたらめったらに打ち付けるわけじゃないけどね。




──ヒュンッ!ギィンッ!ギギンッ!!ヒュンッ!



今までは受け身だったが、今度は攻めていく。



「ぁぁぁああああ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」


「...!...!?」



────《刀堂流刀技・万連撃》────



───ギャァァアアアアアアンンンンッッッッ!!!



「......!?!?!!?」



──ピシッ...バキンッ!!



1万の連撃に耐えきれなくなった剣はついにひび割れ、折れてしまった。剣が折れてしまった相手は外套で隠れているが、膝をつき、頭を下げている。...これは所謂首を差し出すという行為なのではないだろうか...?



「え、えっとぉ...?」



師匠はこういった時、首を差し出した側が恥をかくから殺せと言ってたけど...まさか本当にこういう場面に出くわすとは...。



「アヤネ...殺す?」

「...。」


「.........。」



相手がそう望んでいるのであれば殺すのが良いのだろう...。だけど、私には無抵抗の相手を殺す趣味はない。せめて最後まで足掻いてくれてたら...。



「え〜いっ!!」


───ズバンッ!


「へ?」



───カシャンッ...!!



首を跳ね飛ばされた相手は力なく地面に倒れる。私は何がなにやらといった様子でボーッとしていると...



──フワンッ...


『ありがとう...そこの者達よ...。名はなんと申す...?』

「ふぇ?ゆ、幽霊...?え、えっとアヤネって言います...。こっちはメルです...。」

『やっと...やっと解放...される...。この...長い...呪縛から...。ありがとう...アヤネ...メル...。』

「貴方、は...?」

『私の名は...ミツル...。のうアヤネよ...。』

「はい?」

『私の外套は触────』

「これですか?」

『──るな...oh......。』


───シュルルッ...


「あれ?何か言いました...?ってなんか見えない!?」



急に布が擦れるような音が聞こえるのと同時に、私の視界は真っ暗になった。



『それは...呪いの装備だ...。』

「......。」

『......。』

「......。」


『い、いや...正確には”試練の外套”と呼ばれる物だ...。』



私がもっと早く言ってくれという気持ちを込めて目を細めると(私の目は見えてないはずだけど)、焦りだしたミツルさんは私を覆う外套の詳しい説明をし始めた。



『その外套に触れた者は...強制的に目を塞がれる。』

「え...。」

『だが、目を閉じていても周囲の状況を()()ことができれば...。所謂心眼...というものだ。...ちなみに...私は習得するのに...130年程かかった。』

「......。」



どうしよう...周囲にいる敵の殺気には気づけるけど、さすがに周囲の状況を見ることなんてできない...。いったいいつになったら何も見えない状態から解放されるのだろうか...それに多分私ミツルと出会った時のように黒い外套に身を包んでいる姿だ...。さらに目を塞いでいる...。これじゃ街に戻れないよ...。


...そういえば言われてみれば、さっき戦った時にチラリと顔が見えたが、目隠しがあった気がする...。



『その...なんというか...試練を達成したら...大きな見返りが...あるはずだ...。あと...それを創ったやつは...その...魔大陸に......だから......ごめんね!』

「ミツルさん?...ミツル...さん?」

「...逃げたね〜。」




なんてこったい。



そーゆーぷれーをおのぞみですかー?っていうか書いてて思ったんだけど、黒い目隠しってNi○Rっぽくね...?Ni○Rをリスペクトしたということで何卒...。

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