表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
348/798

第294話 新たなる波乱(笑)の予感




次の日。いつも通りログインすると、見慣れた()が目に映った。確か昨日は数時間かけて飛んで帰ってきたんだっけ...。あ、今日は私ちゃんとベッドにいるね。



「あ...すず...。」



そういえば私とアイリスは先に帰ってこれたけど、すずとメルは途中の街で1泊したんだった。だからすず達が帰ってくるまではアイリスと2人っきりだ。



「ねぇねぇアイリスー。」

「なぁにーアヤネー?」

「すず達が帰ってくるまで暇だから何かする?」

「んー...ちょっと魔物と戦おうかナー。」

「分かった。私もレベル上げしよっと。」



あと3日でステータス表記が変わるらしいのでそれまでに少しレベル上げしよう。...まぁこの期限は特に意味はないんだけど、目標を持つのは大事でしょ?



『すずー!すず達が帰ってくるまでハッチルンド近くの森でレベル上げしとくね!』

『分かったー。気をつけてね?』

『うん!すずも気をつけてねー!』

『もちろんよ。』



「よし...じゃあ行こっかアイリス。」

「ウン!」



すずに一言伝えて、私たちは外に出たのだった。



───────

────


「...相変わらずアヤネは人気者だネ...。」

「...アイリスも可愛いって言われて満更でもなさそうだったじゃん...。」

「うっ...だって今まで可愛いなんて言われたことなかったかラ...。」



確かにアイリスはずっと霊体だったから、まず人に見られることもないのか...。これは浮かれてもしょうがないのかなぁ?



「それでどっちに行くノ?」

「えっと...北は私たちが来た方面だし西はもう行ったし...東、かな?」

「そうと決まれば行くヨー!!」

「わっ!ちょっと!?」



私はいきなり走り出したアイリスを呆れながら飛んで追いかけた。まったく...無鉄砲なんだから...。まぁそこがアイリスのいい所でもあったりするんだよね...。



「ほら早く早クー!」

「...はいは...危ないッ!」

「え──」



───ゴッッッ!


「グォォッ!?」



私を急かす為に振り向いたアイリスに突如として飛びかかった魔物をスピードを乗せて蹴り飛ばした。そのトラ型の魔物が体勢を整える前に私は刀を抜き、斬りかかった。


「ガルルッ...ガゥッ!!」



──キキキンッ!!スパパンッ!キンッ!スパンッ!



異様に尻尾が長いなと思ってたら、その尻尾の先が尖っていた。トラ型の魔物はそれを器用に操って私の刀を弾きながら自分の爪でも攻撃を繰り返していた。



「さっきはよくモー!」


「グォッ!?」



───ズドォォオンンッッ!!



このトラが私だけを見ていた時、アイリスはというと木に登っていた。そこからトラの頭上まで飛び上がって振り下ろされた大剣は激痛じゃ済まされない程のダメージを与えたことだろう。



「グゥ...ルゥ......。」



──ズゥゥゥン......



頭が大きく凹み、見るも無残な死体となったが無駄にはしない。トラをインベントリにしまい、アイリスの元に戻る。



「...油断はダメだからね?」

「...はーイ...。」



説教になってしまったが、これもアイリスのためだ。アイリスの体ならあのトラの攻撃にも耐えれるだろうけど、それにばかり頼っていては、いざそれを貫く敵が現れた時にどうしようもなくなってしまう。もうアイリスにはいなくなってほしくない...。



「...だから──」

「あ!キラキラしてルー!」

「...聞いてた!?」



割と真面目な話だったんだけどなぁ...。まぁアイリスらしいよね。それで、アイリスが見つけたのは...



「イヤーカフ...?」



太陽の形をしたイヤーカフだった。



「綺麗だよネ〜。アヤネ付けてみたラ??」

「えっ...?」

「こんなところに落ちてるんだから誰も使ってないデショ。」

「そう...かなぁ...?とりあえず《鑑定》」



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【名前】太陽の耳飾り:品質☆

【説明】特殊な素材を用いて造られた太陽型の耳飾り。所有者の攻撃に火・光属性を追加し、火・光属性攻撃力を上昇させる(大)。

【所有者】ソーラ・サンクチュアリー

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「やっぱり所有者がいるみたいだね。」

「そうなノ?」

「うん。だから持ち主が見つかるまで預かっておこっか。」

「そうだネー。」



ソーラ・サンクチュアリー...。なんだか暖かい名前だなぁ...。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ