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番外編⑤ 暴走した者



──生き残った人side──



「なんだ...あれは...。」



唖然とすることしか出来なかった。残った数人の奴らも俺と同じ顔をしている。




「ガァァァァァァアア!!!!!」



─スパンッスパパパパパッッ!!




『グギャァァァァァア!!!!!』




獣のような声をあげながら1秒に2本ペースでマグオクターブの足を斬り飛ばしているのは我らがリーダー、カインさんである。



俺は遠くから謎の赤紫色の薬を飲むところを見ていたが、飲んだ直後、メキメキと音を立てて体格が大きくなり、身体中に赤の模様が入り、額に角が生えた。



変化が終わった後、近くで心配していた仲間が持っていた大剣で斬り飛ばされた。


その後、目に入ったマグオクターブの足を斬り飛ばし始めた。今はここだ。



「あ、やべ。に、逃げろぉぉぉ!!!」

「う、うわぁぁぁ!?!?」



どうやら足までの距離が遠くなり、それに比べると近い俺らの元に向かってきているのだろう。...とまぁ、こんな感じで現実逃避しても意味ないよな...。



──ザシュッ!!




「...逃げられへんのは知ってた...。」




また1人暴走したカイン?にやられたのであった。



──カインside──




どこだ...ここは?



なんかちょっと前にもこんなことがあったような...。


確か俺は頂上に戻ってきて...あの薬を飲んだ所までは覚えているが...。



気づいたら真っ暗闇の中に1人。



キョロキョロと見回す。



そうすると、後ろに額に1本の角が生えた赤褐色肌の男がいた。そいつは憎々しげにこちらを睨んでいた。



「...な、なぁ、ここって何処なんだ...?」

「....。」



意を決して尋ねてみるが当然反応はない。そりゃそうか...なんか知らんが怒ってるしな...。



「....ユ.....サン...。」

「んぇ?」



やべ。なんか変な声がでたわ。



「ユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサンユルサン!!!!!!!」

「うっわぁ...。」



こりゃあ病んでるわ。



「ユルサンゾアノニンゲンガァァァ!!!!!」

「...ッ!?」



そう言って突如襲いかかってきた。



武器...は無いっ!?

右手を背中に回すがクラーガンソードは無かった。



腕を前にクロスさせてあいつの攻撃を受ける。



──ドゴォォォン!!



「いってぇぇ!?」



無手かぁ...。久々だけどやるか!



両手をプラプラさせ、構える。相手も無手なのであいつも同じく構える。


そうして、真っ暗闇の中で静かにひとつの戦いが始まった。



「はっ、ほっ、ほっ、とりゃっ!せぇい!!」

「...っ!...っ!!...アグッ...!!」




顔面を殴り、腹に回し蹴りを食らわす。

どうやらこいつは素人のようだ。こいつの殴りは無駄が多く、躱しやすい。


避けては殴り、避けては蹴る。それを繰り返す。



そんなことを考えているぐらいだから一見余裕に見えるだろう。だが、それは間違いだ。



こいつは学習している。



成長が著しく、全部当たっていたのが少しづつ避けられていくようになった。やはり最新のAIとやらは違うな...。

その上、体力もめっちゃあるときた。



「...くそっ!!」

「...グラァア!!」

「...チッ!」



あいつの笑みが時間が過ぎる程深く、気持ち悪くなっていく。



「ふっ。...俺は()()()()()()だぜ?」

「...っ!?ゴフゥッ!!」



俺は武器を使うよりもこっち(無手)の方が得意だ。



──ドゴッバキッスッ...ドスッ!!



「ガフッ...!ド、ドコニソンナチカラガ...ッ!?」

「喋ってる暇があるのか?」

「グハッ!!ガッ!!」



足を払い、それを掴み地面に叩き付ける。反動でもう1回。...もう1回。もう1回...。もう......。も......。────



全て顔面から地面にぶつけたからか顔がボッコボコになっている。



「ヒュー......ヒュー.........。」

「落ち着いたか?」

「.........。(オチツケルカ?)」



信じられないといった感じの目で見られる。



...ごめんて。



「(イヤ。我モワルカッタ...。)」



頭に響くのはさっきまで戦っていた男の声。



「で、何があったんだ?」

「(...忌々シイアノ人間ガ我ヲ捕マエ拷問シタノダ!!)」

「...そ、そいつはとんだ災難だったな...。」

「(挙句ノ果テニハ我ノ血ヲ使ッテ薬ニシヤガッタ!!)」

「まぁまぁ。落ち着け落ち着け...。」

「(フゥー...フゥー......。)」



隣で仰向けになりながら顔を歪め、深呼吸をする男。


「あっ。そう言えばお前の名前はなんだ?」

「(我か?我ノ名ハ、ウルバ。)」

「ウルバ...か。手伝ってやろうか?」

「(...!?)」

「殺したいんだろ?」

「(ソ、ソレハソウダガ...。イイノカ...?)」

「あぁ。...だが、まずは()()()に戻んなきゃ。」

「(...アリガトウ。...我ガ戻シテヤル。)」

「まじか!?こっちこそありがとうだわ!!」

「(フッ...。構ワンサ。)」

「ハハハ!」


互いに笑い合う。


「(デハ、マタナ...。)」

「おう!.........ん?」



また...?

ウルバに聞き返す前に視界が真っ白になった。




─────


───



「───はっ!!」



目が覚めると俺は()()()()()()()にいた。

そして、右手には血がベッタリとくっついたクラーガンソードが。

あ、ちなみにだが、俺はフィルターなんてもんは付けてないぞ?せっかく第2の世界って謳ってるぐらいだからな!



と、そんなことより。

右手を見た時に見えたんだが、俺の右手に赤のライン?模様?が付いていた。左手も同様に...。それは心臓に集結する様に引かれていた。





...どーしよー...。



「(...鬼人族ノ仲間入リダナ!)」

「うおっ!?」



街に入れない!と悩んでいると頭に響く1つの聞いたことのある声。


「ビックリした。ウルバかぁ。」

「(マタナト言ッタデハ無イカ。)」

「あ〜そういう...。って鬼人族?」

「(角ガ生エテルダロ?)」



両手を頭に持っていき角を探す。



「...ほ、ほんとにあった...。」



俺の額にそれはそれは立派な角が...。ス、ステータスは...?





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【名前】カインLV.☆10

【種族】鬼人

【職業】大剣士LV.8



HP:3340

MP:2060



STR:100

VIT:10

DEF:50

AGI:50

INT:10

DEX:40

MND:10



【スキル】《剣術LV.☆4》《大剣術LV.9》《身体強化LV.☆3》《鬼化LV.1(new!)》



SP:9



【装備】ハリフッグセット、クラーガンソード



【称号】『森狼王を撃破した者』『巻き込まれし者(new!)』『暴走者(new!)』『意志の強い者(new!)』



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


△△△△△△△△△△

【名前】『巻き込まれし者』

【効果】MNDがUPする(小)。

【取得条件】全く関係の無いことに巻き込まれる

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

△△△△△△△△△△

【名前】『暴走者』

【効果】暴走時、STRが1.5倍になる。

【取得条件】自らの意思を持たずに暴れる

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

△△△△△△△△△△

【名前】『意思の強い者』

【効果】DEF、MND共に+20される。

【取得条件】自らの意思を持ち、困難に打ち勝つ

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽




「うわぁぁぁぁぁあ!!!!どぉぉぉぉしよぉぉぉぉぉ!!!ありがたいけどどぉぉしよぉぉぉぉ!!!!」

「(ドンマイダナ!!)」





火口には1人の男とミンチになったマグオクターブの体と無傷の大きな心臓だけがあったのでした。






これにて番外編完結です!...思ったより長くなってしまいました....。次回から本編に...ってあれ?これも本編に関係あったりするから実質本編...?


まぁ、彩音以外の視点は番外編ということで!!




というか思いつきで書いたらカインさんが主人公みたいな感じになってないですか...?




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― 新着の感想 ―
[気になる点] このゲームってPKどうなるんだったっけ?
[一言] ア~アこりゃ色々な意味では指名手配まっしぐらだかΣ( ̄ロ ̄lll) レイド戦で一人だけ特攻武器使用、途中から謎薬で変異暴走、ボス及び仲間皆殺し、下手すればもう町に入れんぞ(|| ゜Д゜) …
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