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番外編 という名の他視点



──カインside



「夏イベ専用サーバーってどんな感じなんだろうな。」

「さぁな。我はどこでもいい。」

「少しは興味持とうぜジョー...。」



俺とジョーことジョー癖は今日新たに設置された夏イベント専用のサーバーに接続している。これは元いるサーバーからも繋げられるもので、データも引き継げるため自分の見た目から持ち物までなにも変わらない。要するにただの夏イベ限定の新マップだと思えばいい。



「お、The・夏って感じの街並みだな。」

「イメージ的にはハワイなどか...?」

「そうだなぁ。てかビーチめっちゃデケェな...。」

「どこまで続いてるんだこの砂浜は...。」



俺たちはこっちに来たらビーチにある門の前にいた。門の後ろには大きな街があり、視線を戻すと目の前には広大なビーチがあった。先程ジョーが言ったようにハワイを想像したら分かりやすい景色かもしれない。まぁビーチがデカすぎるんだけどな...。



「皆気になってたんだな。」

「それはそうだろう。」

「ん?おいおいまじかよ...なんでこんなところにテレビがあるんだよ...。」

「写ってるのは誰だ...?」

「マイク持ってる女と...人魚かあれは?」

「ぬこ殿達が使っていたあの薬で変身している可能性もあるな。」

「...でも浮いてんぞ?」

「...それは知らん。」



俺達も大画面のテレビに近づいていく。近づけば近づくほどハッキリしていく。テレビに写っている人魚は絶世の美女だった。マイク持ってる女はどうやらその人魚...姫にインタビューしているようだった。




『この街は運営が創った街なのですが、マリエスタ様はどう思われました?』

『ふむ。なかなかいい街だと思うぞ?私が見たことがない木や建物があって見ていて楽しい。うんえい...が私の知る神だとすればそのうんえいのセンスを褒めたいところだ。』

『なるほど...マリエスタ様はこの街を好いていらっしゃるということでよろしいのでしょうか?』

『うむ。』

『次の質問なのですが、「真夏の記憶」というアイテム...物についてはどうお考えでしょうか?』

『あぁ。あれか。あれは人間種を試すために創ったのだが、思いのほか多くの人間が持っているようだな。』

『えぇ!?あれってマリエスタ様が創ったんですか!?』

『む?言ってなかったか?まぁいい。今日私がここに来たのも人間種の可能性を見るためだからな。精々楽しませてくれ。』




「なんだ...?あのインタビュアーは運営じゃないのか...?」

「そのようだな。運営だとしたら何も知らなさすぎる。」


「そうだぜ。あの子はプレイヤーらしいぜー。」


「お、ありがとな。それよりもあのマリエスタってやつは何を言っているんだ...?」

「人間種を試すためとは言ったものの、あの『真夏の記憶』で何をする気だ...?」



『...ふむ。頃合いだな。』

『ふぇ?ど、どうしたんですかマリエスタ...様...?』

『そこで見ている10万の人間種よ。この世界で1番強い魔物を思い浮かべろ。』



「強い魔物かぁ...最近だとロックンタートルとかか...?」

「1番...焔龍王...。」

「そうだ!そいつがいた!」



───ピカァァァア!!!!



「っ!?な、なんだぁ!?」

「な!?『真夏の記憶』が勝手に!?」


「どうなってんだ!?俺のアイテム!!」

「私のアイテムが!!」



突如この街の各地で眩い光が灯る。その全ての光がプレイヤー達のインベントリから勝手に外に出てきた『真夏の記憶』であることは首謀者であるマリエスタしか知る由もなかった。



『ククク...やはりスカーレットが1番記憶に残っているようだな...。ヨイチマルから聞いてはいたが、相当酷い戦いだったらしいし無理はないだろう。まぁいい。恨むなら「真夏の記憶」をたくさん集めた自分たちを恨むんだな。』




空に浮かび上がった光たちは全て1箇所に集まる。どんどんと強さを増す光にプレイヤー達は目を閉じる。そして次に見た光景はあの日を彷彿とさせるものだった。





『レイドボス:超級龍種・憤怒の焔龍王スカーレット・偽が現れました』


『レイドバトルに参加しますか?参加 0/50000人』




「はぁ!?」

「な、なんと...あの龍はアヤネ殿が暴走した際の...。」

「色は赤から真っ黒になってるけどな!」

「そんなこと言っている暇はないだろう!早くジークフリート殿達と合流するぞ!」

「あぁ!」





「グォォオオォオォオオオオオオオ!!!!!!」




──ビリビリビリビリ......




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【名前】真夏の記憶(イベント専用アイテム):品質☆

【説明】様々な記憶が込められた宝珠。集めるとポイントが大幅にアップする。”ただし、悪用すると大変なことが起こるので要注意。”

【隠し効果】ごく稀に持つ者の印象に残っているモノを具現化する。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



マリエスタ「1番強い魔物を思い浮かべろー」


皆『焔龍王やばかったよねー』


合体した真夏の記憶「りょーかい」


焔龍王スカーレット・偽「爆誕」



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