第274話 ほーこー
おんち
「ん?な!?アヤネたんがこんなと──ガハッ!」
「どうしたマルゲリー──グフォッ!」
「おいおいどうしたんだ2人と──我が生涯に一片の悔い無し...!」
「み、水着、りゅ、りゅうじん...神ぃ...。」
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「...あやの水着姿見せるのやめた方が良かったかも。」
「じゃあなんで着せたの...。」
「だって見せつけたいじゃんこんな可愛い子が私のお嫁さんなんだって。」
「ちょっはぁっ!?な、何言って...まだお嫁さんじゃないもん!」
「マダ...?」
「もう結婚してもいいんじゃないかな〜?」
「私もそう思う。」
「っ!......ふん。」
「「「可愛い。」」」
あれ?メルって弄るキャラだったっけ...?おかしいなぁ?
「私もう行くから。」
「あ、待ってよあや〜!」
別に拗ねてなんてないけどね。早く海に入りたかっただけ。今日は珍しいもの沢山見つけられたらいいなぁ...。
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『《ウォータージャベリン》!はいあや!』
『うん!...はぁっ!』
──ゴォアッッ!!
すずが生成した水の槍を私が掴んで敵に投げ飛ばす。投げ飛ばされた水槍はすごい音を立てながら近くにいた敵を巻き込み、貫いた。私のSTRに頼った攻撃故に真っ直ぐにしか飛ばないが、シンプルに速いので普通に強い。なぜこの戦術なのかというと...特に深い理由などなく、ただ単にすずがやってみたいと言ったからだ。まぁ私も楽しいし別にいいんだけどね。
「せいっ!やぁっ!!」
──ズバッ!ズバンッッ!!
「《ウィンドカッター》!」
──スパパパッッ!!
アイリスとメルもちゃんと連携して戦っている。言わずもがなアイリスが敵陣に切り込んでメルが魔法でサポートするといった感じだ。ずっと2人で遊んでいたからか息が合ってて連携も上手いし無駄な動きがない。それになんか可愛い。
───ぎゅっ...
『す、すず?』
『...ちょっとだけこうしたかっただけ。』
『そ、そう、なの?』
『...。』
「そこ!何イチャイチャしてるノ!?まだ敵いるかラ!!」
「あれ?でも敵が遠慮してないかな〜?」
「え...?あ、本当ダ...。愛の力ってヤツ?...ってそんな訳ないでショ!!」
アイリスに注意されたので私もちゃんと戦う。
『...!』
──スパァッ...
「「「「モォォォオオォオオ!?!!!?」」」」
黒狼王の魔刀を抜き、一閃。クリオモォーの群れを両断した。パニックになり、あちこちにバラバラになったクリオモォー達を各個撃破していく。
『これで終わりかな?』
『そうみたい。それにしてもこのクリオモォー達何かから逃げてるような感じだったね。』
『そうだね...。方向的には...こっち?』
『え?あっちじゃないの...?』
私が指をさした方向とすずが指をさした方向が見事真反対になった。私記憶力はいいからこっちで合ってるはずなんだけどなぁ...?
「...2人とも違うんだけド...。」
「あっちだよあっち〜。」
メルが指をさした方向は私たちのものとは違う方向だった。本当にそっちで合ってる...?いや信用してない訳じゃないんだけど...。
「むー...とりあえずこっちに行くヨー!」
「お〜!」
私たちが止める間もなく2人は先に進んでしまった。これはついて行くしかないだろう。...あっちだと思ったんだけどなぁ...。




