第268話 次の街へ
「白鹿王刀の試し斬りもできたしそろそろ海に行こうか。」
「そうね。私達もそろそろイベントに復帰しないとね。」
「また海?」
「ごめんねアイリス...。」
「ううん!私海好きだかラ!」
「そっか。」
最近は解体ばかりしてたからアレだけど、その前はずっと海に行ってたからてっきりもう飽きてるとばかり思ってたんだけど...。むしろアイリスは目をキラキラと輝かせている。そんなに海が気に入ったのかなぁ?
「んぇ?だってぷかぷかしてて楽しいモン!」
「まぁ...確かに...すずのスキル使って入ると不思議な感じがするよね...。」
「...アイリスには掛けてないんだけどね。」
...それはさておき。正直に言うと、シクサリオン近くの海域は探索しきったと思う。さすがに細かいとこまで見たのかって言われれば何も言えないんだけど、これ以上目新しい物を探しても見つからないように思えるのだ。
「だから次の街に行くと?」
「そうしようかなって思ってるけど。」
「いいんじゃない?」
「私も参戦!」
「そうと決まれば...と言いたいところだけど、まだメルが帰ってきてないんだよね。」
「そういえばそうだったわね。」
「メルちゃんどこ行っちゃったノ...?」
「メルはマリ姉っていう人?のところに行ったんだけど...。」
マリ姉って誰なんだろう。マリエスタさんから知ってるんだけどね。さすがに人(?)違いだろうけど。メルが帰ってくるまで宿で待っておこうかな。
「うん。それでいいと思う。」
「メルちゃんとまた遊びたいナ!」
「きっとすぐに会え──」
「──アイリスー!!」
「──たね。うん。」
───タッタッタッ...!ガバッ!!
「ンギュッ!?」
「アヤネ!アイリス!スズカ!ただいま!」
「うん。おかえり。」
宿に戻る途中、後ろから猛ダッシュでメルが近づいてきた。そのとんでもないスピードのまま私の隣にいたアイリスの背中に抱きついたのだ。これにはさすがのアイリスも変な声をあげた。でもメルフォーズを取り込んでいた時よりも弱くなっているように感じる。まぁメルフォーズと分裂すればそりゃ弱くなると思うけど。
「ねぇねぇメル。」
「なに〜?」
「鑑定していいかな?」
「鑑...定...?......いいよ?」
「ありがとう。」
その顔は絶対分かってない顔だけどまぁいいや。別にメルに悪いことをしようって訳じゃないしね。
「《鑑定》」
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【名前】メルLV.239 状態:正常
【弱点】核
【苦手属性】なし
【説明】スライムが緑色の葉を食べ続けたことにより突然変異した姿。風魔法と土魔法を使用してくる。現在はアヤネを主人として認めており、一緒に旅をしている。
HP:74665/74665
MP:124578
STR:7655
VIT:6947
DEF:18462
AGI:8838
INT:7545
DEX:5329
MND:7846
【マスター】アヤネ
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「普通に強いね...。もしメルが私に抱きついてきてたら死んでたかもしれない...。」
「スライムでここまで強いって相当よね...。一体どんなレベル上げをしたのか気になるわね。」
「ん〜?適当に倒してたらちょっと強くなったよ〜?まだアヤネには適わないけど...。」
「なんで私...?」
私がメルより強い...?そんなことある訳ないじゃん。
「これから宿に戻るつもりだったけど、宿はもう既に引き払ってあるからこのまま次の街に行ってもいいよね?」
「うん。ここから南東にセベレージがあって、南にはハッチルンドがあるけどイベントやるなら海に近いハッチルンドね。」
「じゃあハッチルンドに行こっか!」
「「「おー!」」」




