番外編 フォルトゥナ
時間はアヤネがエルフの街から逃げ出した頃までもどる...
──フォルトゥナside
「いい加減諦めなさい!《暴風刃》《爆音波》《母なる大地》!」
「嫌ですわ!スカーレットは私と一緒に居るべきなのよ!《強奪》《狐火》《反射の呪い》!」
───ゴォォォオオォオオォオオオオオ...!!!
───ギィィィィイイィイィイィイイイインッッッッ!!!
──ガガガガァァァァアンッッ!!
目の前にいる女...妖精女王と技をぶつけ合う。私はもう4度撤退しては突撃を繰り返していた。だが、お互いに有効な技が無いのか、攻めあぐねてた。
私のスキル《強奪》は相手の技だけじゃなく、心をも奪うことができる。その際”目の前で”相手の目を数秒見つめないといけないのだが、その相手である妖精女王セレナーデには隙がない。どうしたものか...
「...ん?」
「...ど、どうしたの...?(気づいちゃったかな...?)」
スカーレットの反応が移動してる...?しかもここから相当遠いところに反応が...。まさかこいつは囮だったとでも言うのか!?どちらにせよもう既にここにはいない...。
「ここにスカーレットはいないみたいだ。ならばここに用はない。」
「待って!逃がさないから!《ディメンションワープ》!」
──ガシッ!
「なっ──きゃあぁぁぁぁぁ!?」
一瞬にして私の背後に現れたセレナーデの片腕を掴み、地面に向けて投げる。...その技はもう見切っている。
「じゃあね鎖に繋がれた妖精さん♪」
「ま、まって...!」
彼女は半身である世界樹から遠く離れることができない。これで邪魔者はいなくなった。
そうして私は下で未だにエルフ達と戦っている魔物達を置いて、スカーレットの反応のする方角へ飛んで行ったのだった。
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「...やっと見つけた♪」
私はやっとのことスカーレットの反応をもつ龍人を見つけた。彼女の見た目が大幅に変わっていてビックリしたが、見た目年齢は同じぐらいだった。...つまりロリっ子可愛い。
「...あの子って本当にスカーレット...?」
見た目もそうだが、ちょっとした仕草から言動までの全てが私の知るスカーレットとはかけ離れていたのだ。だから私はスカーレット...彼女のことを観察することにしたのだ。...目の保養♪
彼女は水色がかった銀髪の娘と一緒に旅をしているらしく、仲睦まじく手を繋ぐ様子はとても微笑ましいものだった。...それと同時に羨ましくもあった。
そんなある日、彼女達はある1軒の家を拠点にし、活動し始めたのだ。調べてみると、その家の家主はドールス・マチェルンテというらしい。メガネロリっ子博士ドワーフだ。正直に言うと、スカーレットの近くには娘どもが多すぎる。距離が近過ぎる...。
さらに観察した。その家を拠点として色んなところに行っていたみたいだったが、やることが終わったのか今日新たなる旅へ出発するみたいだ。これには私もニッコリである。
ひと段落着いたところで観察も終わりにして、そろそろスカーレットと接触しようかなと言うところでハプニングが起こった。ドールス・マチェルンテが謎の女に拐われたのだ。そいつの拠点までついて行き、場所は把握してあるが、助け出すつもりは無かった。だけど、あのスカーレットが懇意にしている娘だ。助け出したらきっと好感度は上がるだろう...ふふふ。
「ここから出なさい。」
「...誰だ?」
「早くしなさい。...ふふ...。これでスカーレットに褒められるわ...!」
「何言って...?それにどうやってここに来たんだ...?」
「そりゃあ貴女を連れ去った女をストーキングしただけよ?」
「よくバレなかったな...。」
そんなこんなでドールス・マチェルンテを解放し、縄で縛ったあといつもスカーレットが寝ていたベッド...の近くの床に正座させたのだった。
七大罪の1人である奪魅妃フォルトゥナさんがストーカーだったとは...!驚愕の事実()
あ、あと昨日番外編は三本でお送り致しますって言ったんですけど、思ったより長くなっちゃったので2本増やします...。すみません。<(_ _)>




