第247話 めでたしめでたし...?
「......何が、あった...の...?」
「あの...なんか...知らないやつに連れてこられた...。」
ドールスさんの家で目覚めると、なぜかそこには縄でぐるぐる巻きにされたドールスさんが正座していた。その姿は犯罪者みたいで可哀想だ。私がログインする前からここにいたということは...一体いつから正座していたのだろうか...。ちょっと考えたくないかなぁ...。
「だ、誰に連れてこられたの?」
「あれは多分狐獣人だな。シュリとやらが私を働かせていたんだが、そこにフラッと現れたのがその狐獣人だったんだ。」
「狐...獣人...ってシュリさん?」
「なんだ?知り合いなのか?」
「...名前が一緒の子を知ってるってだけ...。」
ドールスさんを誘拐したのはシュリさんだったのか?でもあの子は根は優しい子だと思うんだよね...。きっと【天獄の章】に命令されてやったに違いない...。それにシュリって名前が被っているだけで、まだ【天獄の章】が犯人だと決まった訳では無い。
「っとありがとう。つつぅ...。足が痺れる...。」
「一体いつからその状態だったの?」
「2時間前ぐらいから...だったような?」
「2時間」
「そう。...全く。人のベッドで熟睡するなんてなぁ...。」
「うっ...。だってすずが...」
「スズカが『あの博士がいないんだし寝ててもいいでしょ?』とか言ったんだろうな。」
「す、すごい...9割合ってる...!」
「そんなところで感心しなくてもいい...。」
足に血が溜まってると思うからベッドで横にして足の下に枕を置いておく。ついでに水も渡す。ちなみにすずはドールスさんの隣で寝ている。
「んくっんくっ...助かった。」
「それで...。助けてくれた狐獣人さんってどんな感じの人だったの?」
「そうだなぁ...。まず容姿だが、金髪美女でシッポが9本あったな。」
「九尾...?」
「そんな呼び名もあったな。瞳は赤色だった。あの目は見てると見惚れそうで怖いな...。」
九尾...。本当に狐獣人なのかな?位が高そうだけど...。まぁいいや。
「で、そうそうアレみたいな真っ赤なドレスを着て、て...な?」
「アレ?」
アレが何か分からなかったのでドールスさんが見てる後ろを見ると、そこにはさっきドールスさんが言った通りの人物が立っていた。
「も、戻ってきたのか?」
「あら...私のことはお嫌い?」
「そりゃそうだろ!あんな状態で放置しといて嫌われない方がおかしいだろう!」
「そうね。申し訳ないわ。」
「えっ...と...?」
「あ、そうだったわ!初めまして私の名前はフォルトゥナ。よろしくね?」
「あ、はい。えっと...私はアヤネって言います。よろしくお願いします?」
なんだか妖艶な感じの九尾だ。確かにドールスさんの言う通りあの赤い目を見ると絡め取られそうだ。...ちょっと苦手かも。
「フォルトゥナさんがドールスさん...この人を助けてくれたんですか?」
「えぇ。たまたま通りかかったので...。」
「嘘つけお前助けたらスカーレットに褒めら──むぐぅっ!?」
「あらあらあら!病人は安静にしないとねぇ??」
「ドールスさぁぁん!?」
──────
───
「...あれ?博士いるじゃん。」
「あ、すず。なんかフォルトゥナさんが助け出してくれたみたいで...。」
「そうなんだ...。フォルトゥナさん。ありがとうございました。」
「いいのよぉ。私が勝手にしたことだから。」
「嘘つけシュリをストーキングしたって言っ──むぐぅっっ!?」
「ドールスさぁぁぁん!?!!?」
何はともあれ...。めでたしめでたし...?...なのかな?
さぁ...。一体何者なんでしょうか。(すっとぼけ)
次回からは3連続番外編祭りです...。
初日はフォルトゥナさん。
2日目はジークフリートさん達。
最終日はヨイチマルさん。
の三本でお送り致します。




