第240話 キラーマシン
「ふぬゥゥゥウ!!!!」
「ギ、ギヂュァァア...!!!!」
───ドゴンッッッ!!!
──ガァンッ!!
「攻撃が弱くなってるんじゃなイ!?たァァアッ!!」
──ドガバギッッ!!
「ギヂャァァアァアアァァ...!!」
『もう終わりそうだね。』
『...うん。良かった。』
私たちが宝探しから帰ってくると、殴りあっていたコーカサスオオカブフイッシュとアイリスの戦いが終わりそうになっていた。アイリスはひたすら殴っていたこともあって両拳が傷だらけになっていた。それに対して、コーカサスオオカブフイッシュは側面の装甲がボロッボロになっていた。
「とど...メッ!!」
──グシャァアッッッ...!!
「ギヂュゥゥゥ.......ゥ..。」
『『...。』』
最後はアイリスの右フックがボロッボロになっている装甲を突き破り、体内にまで拳どころか腕まで入った。
「《オリハルコンの剣》!はァァァア!!!!!」
──ザクッッ!!
『『......。』』
体内に突っ込んだ腕の先にオリハルコンの剣を生成し、縦横無尽に剣を走らせるアイリス。これはさすがにやり過ぎ...。相手はもう生きていないのにまだ剣を振っている。
『え?相手もう死んでるよね...?』
『...うん。』
これはまずいと、私たちは急いでアイリスを止めに行く。私がアイリスの体を、すずがアイリスの手を掴む。そして、なんとかコーカサスオオカブフイッシュから離れると、アイリスがようやく動きを止めた。
『アイリス!』
「ぇぅ...?...ぁ...れ?私...何ヲ...?」
アイリスの顔を両手で挟んでペチペチすると、アイリスは何も覚えてなさそうな声を上げた。一体どういう事だろう。まだ造ったばかりで不具合の確認もしてないからアイリスに不具合があるのかも...。一旦ドールスさんのところに行くべきかなぁ...?
「あ、アヤネ...?どうしたの?」
『戻った...?』
「?」
『...大丈夫そうだね。』
『...声が届かないから意味ないと思うんだけど...。』
『...こういうのは気持ちだよ。』
『それよりもさっきのは何かしらが原因で暴走したのかもしれない。不具合かもしれないからドールスさんのところに行こうと思うんだけど...。』
『分かった。』
「どうしたノ?2人して見つめ合っちゃってサ。」
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「んー?なんでシクサリオンに戻るノー?」
「さっきの戦いのこと覚えてる?」
「んーん?覚えてないケド...。」
「だからだよ。」
「ナルホド?」
もしアイリスに不具合があったらどうしよう...。ドールスさんなら治せるかなぁ...。でも、今のところまだ軽いのかも。戦闘ではあまり戦わせない方がいいのかな...?
「...過保護のお母さんみたいだね。」
「え?」
「そんな心配しなくても大丈夫でしょ。さっきも取り押さえる時暴れてたけど、剣は振り回さなかったしね。多分私たちが味方だって認識してるんじゃないかなぁ。だからあの殺戮マシンモードは敵だけに向けられると思うよ。」
「うぅ...。アイリスの意識がないのが問題だから...。」
「まだ強い体に入ったばかりで魂か何かが不安定なんでしょ。まぁそれでも心配なら1度行ってみよっか。」
「......うん。」
「?」
すずの励ましのお陰で少しモヤモヤが無くなったけど、まだ少し心配だからドールスさんのところに行ってみる。これで何も無ければ引き続きイベントに集中しよう。
最近ド○クエとかもやれてないなぁ...。




