第239話 アイスボーンクイーン
「ワタシノダイヤモンドヲカエセェェェエ!!!!」
『うわぁぁぁあ!!!!出たぁぁぁあ!!!!』
『すず落ち着いてお化けじゃなくて魔物だから!』
『あぅ...ぅ、うん。ありがと...あや...。』
『《鑑定》』
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【名前】アイスボーンクイーンLV.97《BOSS》 状態異常:正常
【弱点】心核
【苦手属性】炎、焔、煌
【説明】かつて存在した王国の頂点に立っていた光り物好きな女王が、死してなおある一つの宝石を守ろうと魔物として顕現した姿。たった一つの宝石に対する異常と言えるまでの執着心から、元々あった謁見の間の王座を宝石のための台座へと作り替えた。そんな彼女の宝石を奪おうとする者には、もちろん容赦などないだろう。ちなみに生前の彼女が得意としていたのが魔法で、特に氷魔法を扱うことに長けていたそうだ。
HP:26487
MP:85341
STR:1045
VIT:3417
DEF:2864
AGI:4317
INT:21647
DEX:7341
MND:2637
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「ダイヤァァ...!」
───ピシピシピシッ...!
『ダイヤ』という一言で水がどんどん凍っていく。それは氷柱のようにこちらに伸びてくる。
『...まさか無詠唱魔法をまた見ることになるとはね...。』
『また?』
『チーかまくん覚えてる?』
『うん。私に告白してきたから覚えてるよ。』
『あの子、手だけで魔法...いやあの子の場合は術を発動できるのよ。』
『え!?そうだったの!?』
『うん。同じ術でも発動する言葉が違ったから不思議に思ったんだけど、手の形が同じだったからそこで分かったわ。』
『なるほど...?』
『そんなことより、今はこの女王様をどうにかしなくちゃね!』
『...うん!』
「ダイヤァァァア...!!!」
少しずつ私たちの方へ向かってくるクイーンは冷気を発し、水を凍らせていく。この部屋全ての水が凍るのも時間の問題だろう。その前に何とかこの部屋を覆い尽くす水を消さないといけない。
『すず!火魔法とか使える!?』
『鍛えてこなかったから多分発動しても秒で消えると思う!』
『そっか...。どうしようか...。』
考えること2秒。私はインベントリからルーナさん見物の元造った焔鬼の紅金棒を取り出した。
『燃えろ!!《焔打》!!』
取り出した勢いそのままにスキルを唱えながら地面に金棒を叩きつけた。
───ズガァンッ!!...トゴゴゴゴゴゴォォォォンッ!!!
「ォオオ...?」
叩きつけたところから蜘蛛の巣状に広がっていく亀裂から飛び出した焔は水を一気に蒸発させていく。
氷でできているためか、本能的に苦手属性を察知したクイーンは入口まで飛び退いた。
『MPはまだたくさんあるからねッ!!すずはガードしてて!』
『へ?う、うんっ!!《サンダーバリア》!』
『《焔打》!!』
──ズガァァァンッ!!ドゴゴゴゴゴォォォォォンンッ!!
「ヤ、メロォォォオオオ!!!」
『あ、あやがご乱心だよ...!』
『う、うるさいよ!《焔打》!』
すずの防御を信じて私はやたらめったらに金棒を叩きつける。壁や天井にも叩きつけて全体が熱くなるようにする。そんなことを続けていると、天井に空気の層ができた。たぶん二酸化炭素ぐらいしかないだろう。
『《焔打》!』
それでも構わずに燃やしていく。
「グァァア!!!!」
───ピシピシッッ...!!
どんどん熱くなっていく水に耐えきれなくなったのか、こちらも負けじと冷気を発して自身の周りの水温を下げていく。
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『...はぁ.........はぁ.........。』
『お、お疲れ様...?』
『ん。ありがと...。ふぅ......。』
『...あやがエッチすぎるんだが?』
『なに?』
『なんでもない。』
「アヅイィィイ!!ァァアアアァアァァアアア!!!!」
もう部屋の水は私たちの膝が浸かるほどまでに減少していて、室温はもうサウナと同じか、それ以上の温度になっている。燃やし尽くしたから部屋には恐らく酸素は存在しないため、私たちにとっては過酷な空間なのだが、《ウォーターレジスタンス》の効果によってなぜか無事である。私たちにとっても過酷な空間なのだから、氷でできている彼女...アイスボーンクイーンにとってはもう地獄でしかないだろう。
「ァァア...!ワダジノォ...ダイヤモンドォォ...!!グァ...。」
彼女が死してなお守ろうとしていたこの一つだけの人工ダイヤモンド。本当にただ光り物が好きで、装飾に使おうとしていたのだろうか。それとも...
皆さんモン○ンやったことありますか?僕はダブルク□スで止まっています。はぁ...買おうかなぁ。あ、次回は予告通り番外編です...。
???「絶対に俺らが勝つからな!」
???「ふふんっ!勝つのは私たちよ!」
???「我には頼もしい...頼もしすぎる仲間がいるからな。」




