第237話 殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴
「はぁぁぁぁあ!!!!」
「ギヂュゥゥウ!!!!」
えー...。ただいまアイリスとコーカサスオオカブフィッシュが殴り合いをしています。殴り合い、といってもコーカサスオオカブフィッシュの方には手がないので三本の角で攻撃しているけどね。なぜ殴り合いになったのかと言うと、コーカサスオオカブフィッシュ...コーカサス魚にぶつかられて怒ったアイリスが刀を使おうにも、カブ魚の甲殻よりも数倍硬いためか、斬ることができなかったのだ。それならばとアイリスの硬い拳で殴ることになったのだ。
「せぇいっ!!」
「ギチュッ!」
──ガァァアンッ!!ドゴォォンッ!!ガァァンッ!!
アイリスは常に受け身だ。カウンターでコーカサス魚の攻撃を返している。対するコーカサス魚はその巨体から想像もできないほど器用に動き回り、三本もの角を有効に活用している。
『ねぇ...。私たち手伝った方が良いのかなぁ...?』
『分かんない...。でもアイリス楽しそう...。』
『アイリスってやっぱ戦闘狂だよね?』
『そう...かも...。』
一瞬違うとも思ったが、アイリスのこれまでの行動を振り返ると敵と戦うことに悦びを感じているように思える。それに、1体1の戦いを好んでいて、邪魔されるとちょっと不機嫌になる...。もう戦闘狂で間違いないね...。
『しばらく時間かかりそうだから私たちだけでここ探索しよっか。』
『うーん...。でもなぁ...。』
『心配なら金属類置いとけばいいじゃん。アイリスに一言言えば理解するでしょ?だってキングジーニアンモナイトの脳を持ってるんだもん。』
『......分かった。でもどうやってアイリスに伝えるの?』
『............。あやは金属出しといて?《サンダーボルト》』
『何やってるの!?ここ海......あれ?』
「何...?なるほどネ!」
──ピリリッ...
すずの言う通りに沢山の金属を出すと、すずが雷魔法を使った。ここは海なので近くにいる私たちは感電するだろうと思ったのだが、なぜか感電せず、アイリスが戦いながらちらりとこちらを見たのだ。私の持つ金属を見たアイリスは一瞬で理解し、再び戦闘に集中したのだった。
『さっきのは...?』
『あれは魔法の出力を最低限に抑えて、感電しないようにギュッと固めてアイリスにぶつけたんだよね。あ、大丈夫大丈夫。痛みは無いはずだし、多分HPも1しか減ってないと思う。』
『...なるほど...?』
『...絶対分かってない反応じゃない...。』
イマイチよく分からなかったので、詳しく聞いてみると、MPを余分に使って《サンダーボルト》の通る道...パイプのようなものを創り、そこに電気を流したらしい。そんなことが可能なのかと聞いたら《魔力操作》のお陰だとのこと。
『ふーん?』
『...はぁ。まぁいいわ。ここに来た目的を忘れる前に宝探ししよ?』
『うん。』
なぜかすずに呆れられたが、すずの言う通り宝探しをしよう。
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「ふんっ!!」
「ギヂュゥ!!」
───ドゴンッッ!!!!ガァァァンッッッ!!
「おっとそろそろ体力が...。」
殴り合うことはや数分。ジワジワと削れていたアイリスの体力を回復させるために、彼女はアヤネが置いていった鉄を自らの口に放り込む。
───バキッ!ガリッッ!バキボキッ...ボリボリボリ......
──......ゴクンッ!
「ギヂュッ!?」
「これでまだまだ戦えるネっ!!たぁッ!!」
────ドゴォォォンッ!!!
頑張って傷をつけたはずの体がみるみるうちに治っていくのを見たコーカサスオオカブフィッシュは驚きの声を上げ、呆然とする。当然その隙を逃すはずもなく、アイリスはそのアホ面に超魔黄金金属製の拳を叩きつけたのだった。
...ゲシュタルト崩壊した?ちなみに私はしましたよ。
あと明日も番外(((殴殴
...イベントだとどうしても他視点も書きたくなってきちゃうんです...。許してください何でもしま




