表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
268/798

第234話 救済措置




「ついに始まったわね...!」

「すずはいつにも増して気合いバッチリだねぇ。」

「もちろんよ!徹夜してあやの水着考えてきたんだから!」

「ぅえっ!?私!?」

「ふふん!イベント中は毎日違う水着を着れるように2ヶ月分は考えたのだ!」

「うそ...。...まさか昨日考え事があるって言ってたのは...!」

「そのまさかよ!!」



たすけて...。



「ご愁傷サマ...。」

「くっ...。」

「さぁさぁ!早くこれに着替えてちょうだい!」

「ちょ!?待って!まだ心の準備がぁぁぁぁぁあ...!!」



頼みの綱であったアイリスに目を向けるも、気まずそうに目をそらされる。...そうだ。ここに味方なんていなかったのだ。



────────

──────


「ふっふっふ!どうよこのワンピースタイプの水着は!!」

「可愛いんじゃなイ?」

「...ぅ...。」



ちょっと恥ずかしいけど、ワンピースタイプでよかった。すず曰く「あやの肌を有象無象の輩に見せる訳にはいかない...!」とのことらしい。



「明日は...ール水着...らね...。」

「何?」

「ううん!早速海に行こっか!」

「...分かった...。」

「元気だしテ。アヤネ。......プフッ...。」

「ねぇ今笑ったでしょねぇ!!」



───────


ようやく、私達一行はシクサリオンの東にある海にやってきた。...まぁここには来たことあるよね。


そして、アイリスが海に入れないとのことだったが、何やらすずに作戦があるらしいのでそれを試してもらうことにする。



「まずはこの水着を着てもらうわ!」

「コレ?アヤネとお揃イ?」

「うん。私達3人ともお揃いよ!」

「そうなんダぁ。じゃ、着てくルー。」



そう言ってアイリスはどこかに走り去っていった。



「ねぇねぇ。なんでアイリスに水着着せたの?」

「あの水着こそが私の作戦なのよ!」

「どういうこと...?」

「このイベントって宝探しな訳じゃない?」

「?そうだね。」

「でも、このゲームをやってる人にも少なからず泳げない人も出てくるじゃん?」

「...あ、そういう事か。」

「そうそう。だからこそあの『自由に作れる水着』よ。何もかもが自由ってことは、見た目だけが自由ってことじゃない。あの水着に水中で自由に動けるような効果を付与してあげれば...。」

「アイリスは海で泳げるってことだね!」

「うんうん。『自由に作れる水着』は泳げない人にとっての救済措置なんだよ。」


「タダイマ!」

「さぁアイリス早速泳ごう!!」

「エッ?無理なんじゃないノ?」

「物は試しよ!」

「わっ!ちょっ...えぇっ!?」



今度はアイリスがこちらに助けを求める目で見てきたので、もちろん目を逸らす。...私ちょっとだけ根に持つタイプなんだよね。



「...行こう。」



────────

──────



しばらくして。



「海って楽しいネ!!」

「...まさかあそこまで気に入るとは...。」

「そ、そうだね...。」



私が海に着くと、アイリスは背泳ぎをしていた。かなりのスピードが出ている。すずも困惑顔だ。透明度の高い海で可愛い子が泳いでいるのはまるで映画のワンシーンのようにも思える。




「じゃあそろそろ行こウ!」

「え、えぇ。《ウォーター・レジスタンス》」




海で自由に活動できるよう魔法をかけてもらい入水する。




...今まで気にしないようにしていたが、ちらりとビーチを見ると、大勢の人がこちらを見ていた。なんでこっちを見てくるのだろうか。...よく分からない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ