第228話 ゴーレムアイリス爆誕?
「おはようございます彩音さん今日はご機嫌ですね?」
「おはよう美月ちゃん!そうだね!今日は帰ったら楽しみにしてることがあるんだ〜。」
「そうなんですか?」
「そうそう!ふんふんふーん♪」
今日は帰ったらすぐに宿題を終わらせてセカンダリア・オンラインにログインする。今日はついにアイリスが完成する。楽しみすぎて今日は朝からハイテンションだよ〜!
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「おぉ。遅かったな。もう完成しとるぞ?」
「ほんとですか!?」
「うむ。だが...お主の望まぬような形にはなったがな...。」
「え?......と、とりあえず見せてもらってもいいですか...?」
「うむ。ではついてくるがいい。」
ドールスさんの言葉に私達2人は不安になりながら彼女についていく。
────カツッカツッカツッ...
ここ最近お世話になっているドールスさん宅の地下室。大きなゴーレム達が立ち並ぶ中、彼女は部屋の中心にいた。
眩いほど輝く金色の髪と日焼けしたかのように焼けた黄金色の肌。パッと見同じ色にも見えないことはないが、よく見れば大分違う。恐らく髪は肌に使ったオリハルコンと擬似ヒヒイロカネの合金ではなく擬似ヒヒイロカネだけを使ったのだろう。
彼女は目を閉じて立ち尽くしていた。体の至る所からチューブが飛び出ていて、それは何かよく分からない装置に繋がっていた。
「今は魔力供給中だ。」
「あ、そうなんですね...。」
「アイリスが眩しいわね...。」
「あ、そこのところは大丈夫だぞ?」
ドールスさん曰く、アイリスはオリハルコン:擬似ヒヒイロカネが1:10になったことで、魔力的な方面で優れたゴーレムになったそうだ。そのおかげで、肌や髪の色を魔力で変えれるようになったらしい。今の黄金色がデフォルトなんだとか。
「そ、それで...私たちの望まない形というのは...?」
「う、む...。こればかりは見てもらわないと分からないだろう...。」
───カチッ...
気まずい様子でドールスさんは傍にあったスイッチを押す。すると、アイリスの目が開かれた。
「「おぉおお───!!!」」
「おはようございますマスター。」
「「───おぉおお...?」」
表情が変わらないのは人形の頃からそうだったため気にしてなかったのだが、口調がアイリスらしくない。
「...これは普通のゴーレムだ。」
「「...。」」
まぁそうなるだろうと思っていた。そんな都合よくいかないだろうと。アイリスはきっと近くにいてくれるだろうと思っていたけど、そんなことはなかった。
「アヤネ。お主はアイリスの霊がこのゴーレムに宿るとかんがえていたのだよな?」
「...うん。」
「知り合いの呪術師に聞いてみたんだが、普通はそんなことは無理らしい。」
「......。」
やっぱりアイリスはもう...。
「ま、まぁそう落ち込むな...!その彼女が言うには特殊な霊もいるらしくてな?どんな物にでも宿ることができる霊っていうのがいるらしい。多分アイリスはその類ではないかと思うんだ。アヤネは何かアイリスと関わりが深い物を持っていないか...?」
「関わりが...深い.......あっ!」
そうしてインベントリから取りだしたのは
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【名前】呪・葉隠ノ雨大剣:品質☆2
【説明】リフストーンとウォシストーンとボーンストーンを3:6:1の割合で造った呪われている大剣。葉の力と水の力を併せ持つ刀は製作者と所有者以外が触ると姿を消してしまう。なお、製作者と所有者は見える。ボーンストーンで造ったためか、呪われている。尚、名前は微妙にダサい。
【武器スキル】《変幻自在LV.─》《葉隠れの術LV.3》《水遁の術LV.2》《死霊の術LV.2》
耐久:1683
STR:1256
【製作者】アヤネ
【所有者】アイリス
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私がアイリスの為に造ってあげた大剣。彼女はこれを愛用していたからきっと関わりも深いだろう。
「これを装備させてやってくれ。」
「う、うん...。」
未だに目を開いたままピクリとも動かないアイリス...を象ったゴーレムに近づく。
「これ装備して...くれるかな?」
「かしこまりましたマスター。」
彼女は綺麗なお辞儀をして鞘に収まった大剣を両手で受け取る。すると...
「「「...ゴクリ...。」」」
「私ふっかぁぁぁぁあつっっっっ!!!!!!」
アイリスがついに復活しましたねぇ...。
15cm程度の人形→150cm程度のゴーレムへ進化?




