第222話 またお前らかよ!
「親ぶぅぅぅんんっっ!!!!」
「ん?なんだい?」
のんびりと魔物よけの張られている大テントで紅茶を飲んで過ごしている男の元に遠くからなにかから逃げるように男の元へ向かってくる男たちがいた。男たちは寛ぐ男の部下であった。
「はぁ...はぁ...。さっき...!あそこにいたんです...!!」
「んん?大事なところが抜けてるよ?」
「で、ですからいたんです!例のあの人が!!」
「例の...?...ってまさか!!あの少女たちか!?」
「は、はい!!な、なぜか!なぜかここにいるんです!!」
寛いでいた男も部下の言葉を聞き、慌て出す。
それもそうだ。
「ふふっ...やはり貴方でしたのねぇ?」
「「「「「っ!?」」」」」
なぜなら...
「名前も知らないPKさん?」
「くっ...!」
1度この少女たちに敗北しているからだ。それもアンデットによって。
「だ、だが...。僕だって強くなっている。それにあのバケモノはどっかに消えたからな!怖いものなんてないのさ!!」
「それはそうかしら?《サンダーショック》」
──バヂンッ!
「ガッ!?...ハッ......!」
ついさっきまで隣で慌てていた男が目を見開き、倒れる。頭が地面に着く前に光になった。
「な、なに...を?」
「私だって強くなってる。こんな始まりの場所近くの森でずっと経験値稼ぎしてる奴らよりはね?」
「...。」
男は何も言えなかった。たしかにレベルが上がる事に薄々感じていた。このままここでレベル上げをしていてもまったく上がらないだろう。それなのになぜずっとここに留まるのか。それは男の心の奥深くにある恐怖心からであった。...そう。目の前にいる銀髪の少女と、今はなぜかいないがもう1人の赤髪の少女の2人と向かう場所向かう場所で出くわさないかという恐怖心である。前回あの手が大量に生えたアンデットに縦に真っ二つにされたこの男はまだ10代である。それを従えていた少女に恐怖してもおかしくないだろう。
「く、くそっ!やっちまえ!!」
「あらあら?《サンダーショック》」
──バヂンッ!!
「「「「「「グァァア!!!??!!」」」」」」
男の部下も指示を出され、決死の覚悟で悪魔の笑みで余裕そうにしている銀髪の少女に斬りかかったが、1歩踏み出した瞬間に皆等しく倒れ去った。
「後は貴方だけですねぇ?」
「...クソガァァァァア!!!!!!」
───シュパッ!!スパパパパッ!!
先程手入れを終えたばかりの双剣を用いて斬りかかる。だが、全て避けられてしまう。やはり始まりの場所近くに留まっていた者と先へ先へと進んでいる者との差は大きかった。
「ァァァァア!!!!!!」
「うるさいですわ!《サンダーストライク》!」
────バヂンッッッ!!!!!
「グァッ......。」
───プスップスッ......
白目を剥きながらまっ黒焦げになった男はあえなく撃沈。始まりの街ファンストにリスポーンしたのだった。
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「ふぅ...スッキリした!さぁ帰ろ帰ろ。」
たった1人でPK集団を壊滅させたスズカはちょっと周りを探索してくるといって待たせているアヤネの元に戻っていくのだった。
「ただいまあや〜!」
「うん。おかえり〜。遅かったね?」
「うん。ちょっとね?」
「?そっか。」
こうして邪魔者がいなくなった森で2人夜まで待つことになったのだった。
○ずっとサボってきた今日のスキル○
えー今日は《魔力接続》と《サンダーショック》ですね...。え?《魔力接続》とか本編に出てきてねぇぞ!だって?説明を見れば本編で涼香さんが何をしたのかが分かると思います...。
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【名前】《魔力接続》 消費MP:毎秒1ずつ消費
【効果①(LV.1)】魔力を体外に出して人や動物、物などに接続することができる。そして、接続した場所から魔法を放つことができるようになる。
【効果②(LV.5)】接続がより強固になる。
【効果③(LV.☆)】魔力をどこまでも伸ばせるようになる。
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【名前】《風魔法》:サンダーショック 消費MP:──
【効果①(LV.1)】自分が触れた場所に電気ショックを放つことができる。その威力は消費MPによって増減する。
【効果②(LV.5)】攻撃を当てた相手に帯電させることができる。
【効果③(LV.☆)】帯電した相手に攻撃すると威力が上昇する(中)。
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