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第196話 逃げるは恥だが役に...役...




「ですから私たちはアヤネさんを連れてこいと上から言われているんですよ!」

「何だって!!誘拐か!?」

「ちょっ!?おまっそれだと尚更怪しいじゃねぇか!!」

「いてっ!?す、すまんって!!」



──コソコソ...



「誘拐だって!?おい!お前たち!コイツらは我らがアヤネたんを連れ去る気だぞ!!!」

「ふざけんなぁぁぁ!!!」

「そうだそうだぁぁあ!!!!」

「お、落ち着け!!別に私たちはそんなつもりは...!」



──コソコソコソコソ...



「やれぇぇええ!!!やっちまえぇええええ!!!」

「そ、総員退避ぃぃぃ!!!!!」



───コソコソ...



私は誰も入口を見ていないタイミングで外に出て、すぐに裏に隠れた。試練の塔を挟んで向こう側では、プレイヤー達とどこかの騎士達の戦いが勃発している。うーん...。迂回して帰──



「──ほんっとにバカっすよねぇ...?」

「っ!?誰...!!」



───ドゴッ!!


突然下から生えてきた土の槍を避け、声のした方に問いかける。



「僕は...私は...俺は...さぁて誰でしょう?」

「に、人間ではなさそうだね...?」

「そうねぇ?」



チャラっぽい感じの男から様々な人にぐにゃぐにゃと変わっていく。最終的に美人な女性になったが、あれは人間ではない。いざと言う時にすぐに抜けるように、両手を刀の近くにもっていく。



「それで?私になんの用?」

「ふふっ。たかが竜人風情が調子に乗らない事ね。貴女にはここで死んでもらうわ。」

「っ!?」



──ギギィィィィンッ!!!



相手の両手が鎌のようになっている。



「くっ...警戒して正解?」

「その割には余裕はなさそうねぇ?」

「はぁッ!」



力を込めていた刀を逸らし、相手の顔目掛けて足を振り上げたが、流石に後ろに引いてしまった。



「じゃあこれはどうかしら?」

「なっ!」



今度は鎌から芯が空いている円柱になった。えー...もしかしなくても銃ですよね...?なぜか木でできてるっぽいけど。



───ドドトドドドドドドドドドドドッッッ!!!!!


──ギギギギギギギギギギギギギギンッ!!!!



「...はぁ...はぁ......。」

「っ...。て、敵じゃなかったらシュリと一緒にヤッ...」

「んぅ?...はぁ...。」



流石に両手から放たれる弾丸を切り落とすのはキツい。見えた限りだと、あれはどんぐりかな?それが秒速300〜400mで無数に飛んでくる訳で...。いや、今はそんなこと言ってる場合じゃない。目の前の敵に集中しなきゃ。それと...



「今シュリさんの名前を言ったよね?」

「ん?あぁそういえば接触してたっけ...。まぁいいや。ちょっと勿体ない気はするけど、邪魔になるからね...。これで終わりにするわ。」

「...。」



シュリさんの知り合いということはコイツも天獄の章の関係者...?

これについてはまた後で考えよう。恐らく今の私ではこの怪物に勝てない。勝てる気がしないのだ。防戦できれば御の字と言ったところか?普通に考えて、これで終わりにする...ということは先程の弾丸よりも凄まじい攻撃がくるということ。ならば私のできることは...



「...三十六計逃げるに如かず!」

「あっ!嘘っ!ここで逃げる!?」



私だってゲームとはいえ、黙って殺される訳にはいかない。逃げれるのなら逃げるのみ。



「食らいなさいッ!!」

「っ!」



───ドドドドドッッ!!!



──《刀堂流刀技・茎》──



その瞬間周りの景色がゆったりと遅くなる。当然弾丸も遅くなっているため、容易に避けられる。そして、狙いを付けづらくするために、木の枝に飛び乗ったりして立体的に避けていく。



「...まぁいいわ。でも次にあったらシュリと一緒に沢山○して殺してあげる。」



何とか逃げられたと思ったが、声が遠くにいる私にまで聞こえるのは不自然だった。つまり、私の場所はバレている。どうやら見逃されたようだ。それにしてもおかしてってなに?






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