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第192話 試練の塔再び⑩



「遂に追い詰めたゾ...!!」

「キュッ...!!」


「「「「「「キュゥ......!」」」」」」



「え?何これ...。」



私がパラボラティア達の背中を借りて(上を跳ねて)ようやく到着すると、そこには睨み合う両者の姿があった。言わずもがなアイリスと焼きキノコを奪ったパラボラティアだ。

周りのパラボラティア達は邪魔にならないように一人と一頭を囲うように円形に広がって、固唾を呑むように両者を見つめていた。...いや何これ。


私はあの2人(人ではないが)を止めようと前に進もうとするが、周りが止めてくるので行こうにも行くことができない。大人しく見てろってことなのかな...?と、そう言っている内に戦いが始まる。どうか...どうか無事で...アイリス...。



「いざ尋常ニ...!!」

「キュウッ!!!」



───ピカァァァ......



焼きキノコを奪ったパラボラティア...キノコティアのパラボラアンテナが光輝く。こちらは普通に白い光だった。先程、ボスティアさんの攻撃で同じような技を見たアイリスは咄嗟に大剣を大きくして、側面で受け止めようとする。...が



───バシュッ!!



アイリスの姿は大剣に隠れていて見えないが、逆に言うとアイリスからも相手の姿が見えないのだ。だからアイリスは1つミスを犯した。



アイリスは大剣に光線が当たったことを確認し、相手との距離を詰めようと大剣を縮めた。だが、アイリスが次に見たのは未だ光り輝くパラボラアンテナ達をアイリスに向けるキノコティアだった。パラボラアンテナは1つだけではない。



「うそ───」

「アイリスッッッ...────!!!!」



──ビィィィイイイインンッ!!!!



泣き叫ぶ私を他所にアイリスは光に包まれ、後に残ったのは私が造った大剣のみだった。



「あ...あぁ...アイ、リスぅ......あぅ...。」


「「「「「「キュウッ!キュウッ!!」」」」」」

「キュウ!!!!」

「...。」


鹿達による大歓声が上がる。うるさい。キノコティアが勝利の雄叫びを上げる。アァ...ウルサイ。アイリスはどうなった...?なんで私は無理にでも止めなかった...?アァ...自分にむかつく。きっと大丈夫だって私は慢心していた...?アァ...!バカみたいだ...。万が一のことを考えずに...??アイリスはどうなる...?アイリスの存在感が感じられない...!アァ...!!現実逃避ヲスル私ガ嫌イダ...!!




──私を解放しろ



──だれ?



急に頭の中に声が響いてくる。いつものレベルアップとかの時に聞くような機械音声のようなものではない。少し幼げな女の子の声だ。



──あの鹿共が憎いだろう?



──だったら何なの?



──それは私を解放すると分かるだろう...



─────────

─────



「ふふっ...。」


「キュイ?」



急に雰囲気が変わったアヤネ(?)を見てパラボラティア達は騒然とする。あの小さい人間を倒した後はこの人間を倒してやろうと考えていたパラボラティア達にとって、この人間から放たれる殺気はとてもじゃないが耐えきれるものでは無い。その証拠に何頭かその殺気に当てられて倒れている。



「久々の下界...。」

「キュッキュウッ!キュウッ!!」

「「「「「キュウッ!!」」」」」



「[煌帝]」



──ボボボウッ!!!!



焔の翼龍が現れ、手当り次第にパラボラティア達を攻撃していく。さらに言えば、数メートル圏内に近づくだけでパラボラティア達の毛が自然発火するように燃え出す。



「...天力、使える...。」



踊るように燃えながら息絶えていくパラボラティア達を見ながらボソッと呟くアヤネ(?)。その目はまるでゴミを見るような目であった。




○今日のスキル○



今日は[煌帝]です。



□■□■□■□■□■

【名前】[煌帝] 消費:????


【説明】昔昔、七大罪の内の一体である焔龍王スカーレットが創り出したという技。その力は創造神である龍神が与えたものに負けず劣らず、焔よりも熱い。その為、かつては他の七大罪に恐れられていた。まさに皇帝。

焔龍王スカーレットの分身である煌属性のドラゴンを呼び出し、攻撃させる。知能は呼び出した本人と同程度である。



□■□■□■□■□■



いやぁまた新しい用語『天力』が出てきましたねぇ...。これはまだ先の話なんですが、一言で言えば未実装のものですね。


ここから先はちょっとしたネタバレ?なので嫌な人は読み飛ばしてください。


このゲームはとある大手企業によって開発されました。このゲームのテーマはズバリ、『第2の世界』。何が言いたいのかと言うと、このゲームは全てにおいて現実と酷似しているのだ。まぁ魔法とかあるけどね。

そして、このゲームの中の世界には当然歴史が存在する。他のゲームとかだと、自分たちで1から創るのだろう。だが、この会社はそれをしなかった。では何をしたのか。...何もしなかった。

ただ人間(AI搭載のNPC)だけを集めて後は放置。土台だけ創って後は現地の人間達に任せたのだ。だからこの世界の歴史は現実であるといっていいだろう。そして、長い年月が経った世界を利用したのがこの『セカンダリア・オンライン』なのだ。


えぇー...ここまで長々と語っただけだとつまらないと思うので、一つだけ疑問を残して終わります。



───未実装とは?




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