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第189話 試練の塔再び⑦




「ブ、モォ...ォ...!」

「...。」



死体をインベントリに入れ、代わりにアイリスを外に出す。



「アイリスもう大丈夫?」

「うぅ...まだちょっトあれだけド...もう大丈夫。」

「そう?じゃあ行こっか。」

「分かっタ。」



そして、私たちはこの階層を小一時間程掛けて探索し、次の階層に繋がる階段を見つけたのだった。ちなみに、この階層の敵は全てビゲストジーオークだけしかいなく、群生しているキノコなども特に無かった。だが、シンプルな分ビゲストジーオークの存在が大きかった。ビゲストジーオークしかいないから天敵もいない。そんな環境で生活していたらどんどん繁殖していくだろう。ちなみに、デカい木や草が生えているだけの階層で、このビゲストジーオーク達はどうやって生活しているのかは分からない。


そして、全てが大きいと、当然この階層も大きい訳で...。そのおかげで随分とこの階層に時間を掛けてしまった。次はもうちょっと早く階段を見つけられたらいいな。



──────

────



そして、探索してからさらに2時間。現在は第28階層にいる。



「なーんかやな気配を感じル!」

「...うん。」



第28階層に降り立った瞬間。何か嫌な気配を感じた。何かは分からないが、それは動いているようでずっと遠くからこちらを見ているようだった。



「......むっ!」

「ん?どうし──」



──ギャイィィィイイインッッ!!



手元にあった短刀で左斜め後方から飛んできた攻撃を弾いた。その後、そちらを見ても何もいない。




「...これは長くなりそうだなぁ...。」

「そうだネ...。」



急に飛んでくる攻撃以外特に何も無いので、それに気をつけつつ、この階層の探索を始めることにした。



「もーずっと森とか飽きるんだけドー...。」

「ま、まぁしょうがないよ...。」

「むぅ...。」



ふくれっ面な顔のアイリスが可愛い。



──────

───



「お、階段!」

「うへぇ〜...精神的に疲れタ〜...。」

「そう?」



まぁいつ飛んでくるか分からない攻撃に警戒し続けるというのは疲れるかな?...私は師匠がね?



「次は29階かな?」

「うんそうだヨ。」

「キュイ」

「「ん?」」



──茶色のボディ


──背中にある白い斑模様


──スラッとした体格


──ぱっちりお目目


──曲がりくねった立派な角



──そして、可愛らしい声



「キュイキューイ!!」

「あー!!お前ーー!!!」

「アイリス。まだあの鹿が()()という確証はないよ?」

「むぅ...?でも──」

「例え串が首元に引っかかってるトシテモネ...。」

「おう......。」



「キュイ!」



そうひと鳴きすると、その鹿は私達がこれから行く第29階層への階段を下っていった。

え?あの鹿って階層跨ぐことできるの...?



「一体何だったんだろう...?」

「...次あったら○す。」

「え?なんて?」

「何でもナイヨ?」

「そ、そう?」

「さ、私達も早ク行コ?」

「う、うん...。」



何やら女の子の口から出ては行けない言葉が聞こえてきたような気がしたけどきっと気のせいだよね。



───それにしても、この階層で攻撃しきてきた敵ってどんな魔物なんだろう...。結構正確な攻撃だったからレベルが高そうだけど...。




そう思いながら第29階層に向かう。第29階層に着くと、もう既に先に来ていたあの鹿は居なかった。《鑑定》するの忘れてたからいたらしようと思ってたんだけどなぁ...。まぁきっとまた会えるよね。



そうして、第29階層の探索を開始してから僅か数分。次の階層に繋がる階段を見つけた。



「え?早くない...?まだ7分ぐらいだと思うんだけど...。」

「早いに越したことはないヨネ!」

「あ、白い階段だ。」

「んー?白いと何かあるノ〜?」

「多分次はボス戦かな。」

「えっ!?そうなの!?」

「うん。前に挑んだ時がそうだったからさ。でも、1度しか来たことないし、もしかしたらたまたまかもしれないからね。」

「そっカ〜。じゃあ気をつけないとネ!」

「うん。」




こうして私たちは次の階層───ボスがいるであろう第30階層に向かう階段を降りていったのだった。








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