表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
212/798

第186話 試練の塔再び④



「うーん...やっぱり森だねぇ...。」

「そんなに早く変わらないでしョ。」

「まぁそれもそうか。」



第17階層に来た私達。当然のごとく森が続いていた。今回は来てからすぐにオーク達を見つけるなんてことは無かったので、慎重に探索をしていく。



「ねぇねぇアヤネ!」

「ん〜?」

「これって食べれるんじゃなイ?」

「どれど...れ...?」



──ブゥォォォワァァアア....!!!



「グッ...!?」

「あれ?アヤネどうしたノ?」

「その、キノコ!す、すっごい、臭い...!!」

「えぇ!?こんなに美味しそうなのに!?」

「ちょ、ちょっと向こうに行こ!?」



無理やりアイリスを攫ってあの松茸みたいなキノコ群から距離をとる。

確かに現実では美味しそう松茸と同じ見た目はしてるのに!どうしてあんなに臭いのだろうか...!!え!?HPが3分の1も削れてる!?あ、あれって毒ガスとかなのかな...?離れておいて正解だったかも...。



「遠くから鑑定できるかな...?《鑑定》」



▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

【名前】地獄マツダケLV.125

【弱点】なし

【苦手属性】氷

【説明】地獄に存在すると言われているキノコ型の魔物。近づいてきた獲物に対して無色透明な毒ガスを放ち仕留める。しかし、人型種族にとって、その毒ガスはとても臭く、滅多に近寄らない為、毒ガスによる人型種族の被害者はいない。しかし、こんなキノコでも実は食べることができたりもする。そして、意外にも硬く、火に強い。



HP:100

MP:9245/9824


STR:0

VIT:5241

DEF:4850

AGI:0

INT:6874

DEX:0

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼



「魔物!?」

「えぇ!?あのキノコって魔物だったノ!?」

「地獄マツダケって言うらしいよ?」

「へぇ...。で?食べられるノ!?」

「一応食べられるらしいんだけど...え?ほんとに食べるの...?」

「うん!嗅覚はないんだけど、なぜか視覚、味覚はあるからサ!」

「あ、だからさっきは平気だったんだねぇ...。」

「?」



食べられる...とは書いてあるけど...ねぇ...?流石にあの臭いを嗅いで食べるっていうのは無理かなぁ...。



「じゃ!行ってくるネ!」

「あ、うん。」



そう言うと、アイリスはダッシュでキノコを取りに行った。あ、でも大丈夫かなぁ?意外にも硬いらしいけど...。んー...。


と思ったけど、アイリスの笑顔で手に持つ大剣でキノコを刈り取ってる姿を見るとキノコの方に同情したくなってきたね...。うん...。きっと皆アイリスのお腹の中に行くんだろうな...。ん?でもあんな小さい体に入るのは精々6分の1個ぐらいじゃない?まぁインベントリなら時間経過とかないから気にしなくても何時でも食べられるけどね。...正直()()をインベントリに入れたいとは思わないけどね...。



「アヤネー!沢山採ってきたよー!」

「わ!ちょっ!?それ毒ある...か...ら?あれ?臭くない?」

「もう臭くないノ?」

「う、うん...。何でだろ...?」

「多分死んじゃったからじゃなイ?」

「...そりゃそうか。」



食べてみたい所なんだけど、そろそろ行かなきゃいけないから先に行こう。



「えぇ!?食べないノォ!?」

「いや...だって......はぁ。分かったよ...。」

「やっタぁぁぁあ!!!!」

「ふふ。」



うん。やっぱり可愛いんだよねアイリスって。だからどんなワガママ言われてもつい許しちゃうよねぇ...。



そんな訳で、キノコを食べることになりました。



──石を沢山用意して...


──乾いた木の枝を沢山用意して...


──ついでに枯葉も用意して...


──キノコ焼く用に虫食いのない木の枝を削って串にして...


──それをキノコに刺して...



────パチッ...!...パチパチッ...!!



「「お、美味しそう...!」」



なんと、ただ焼いただけなのにも関わらず、香ばしい匂いが漂ってくる。昔食べたことある松茸を焼いた時もこんな感じの匂いがしたような...。



では早速...



「「いただきまーす!」」


───パクっ.........


「お、美味しい...!!」

「ん〜!おいひイ!!」

「キュイキュイ!!」

「「え?」」



──パクパクパクっ!!



「キュイ!」

「「...え?」」



急に現れた第三者の声を聞き、そちらの方を見てみると、そこには沢山あった焼きキノコ達を貪っていた頭にパラボラアンテナが着いている鹿だった。




「「......え?」」





パラボラアンテナ...鹿......パラボラティア...。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ