第182話 震エルフ
「くらえッ!《爆裂拳》!!」
「ふむ...。まぁこんなものか...。」
──スイッ...
「へ?...ゥオワァッ!?」
「スキルの種類が豊富なのはいい。だが、それに頼りすぎて普通の攻撃は読みやすすぎる。」
「ぐっ...。」
「こんなんじゃまだ試練の塔には行かせられないな。」
「......はい...。」
試練の塔へ挑戦するために集まってきたプレイヤー達。その誰もが前の人達の戦闘を見て緊張していた。私も集まってきたプレイヤー達の一人なんたけど、そこまで緊張はしていない。
確かにあの人たち...いや、あのゲートキーパーさんは強いが、別に勝たなくてもいいってことは前に挑戦した時に分かっている。なんなら前に挑戦した時のゲートキーパーさんと違ってこっちは全く威圧感がない。多分レベルが高い人って感じ?まぁだからと言って妥協なんてする訳がないんだけどね。
「次の挑戦者は?」
「...。」
「ん?おい。次の挑戦者。」
「......。」
「おい!そこの幼女竜人!」
「...ん〜?なんか貶されたような...?気のせい...?」
───トントン
「ひゃわっ!?」
「次はあ、アヤネたんですよ?」
「へ?なんで?だってまだ前に30人ぐらい......ってなんでいないの!?」
キョロキョロと探すと、直ぐに見つかった。...その人達はみんな揃って列の最後尾にいた。逃げたな?
「おい!聞いているのか!?」
「はい!!」
つい手を上げて返事をしてしまう。恥ずかしくなって、直ぐに手をおろし、おずおずと前に出る。むぅ...まだあの耳の尖った人の分析が終わってないのにぃ...。
「お前のような幼女も挑戦者として来るのか...。舐められたモノだな。」
「......。」
「まぁこんな幼女でも竜人ってことに変わりはないしな。」
「.........。」
「よし。そこの幼女竜j───」
「............。」
────ズパンッ!!
「──ん?」
───チンッ...
──プシッ!!
「ギャァァァァアアァァアァアァア!!!?!!?!???!」
恐らく利き手じゃないであろう左手を斬り落とさない程度に滅多斬りにする。
「《刀堂流刀技・仏の顔も三度まで》ってね。」
『登録しました。』
「...なんで?」
「速い!速すぎるっ!!」
「今の攻撃。俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。」
「じゃあ見えたんかお前すg...。」
「いや全然。」
「何やねんお前。」
「な、ぇ?は?おまっ...え?」
「落ち着きなよ。」
「ヒィッ!?」
急に左腕が真っ赤に染まったことに驚き、尻もちを着いた男の目の前に真顔で刀の切っ先を向ける。
「おぅ...ガチギレアヤネたんかわゆす...。」
「キレるとあぁなるんやな...。でもまぁクールでカッコイイよな。」
「私もあの冷たい目で見られたいわぁっっ!!!」
「うわなんか変なやつ湧いた...。」
「別にとって食おうって訳じゃないんだ。」
「ひぅ...。は、はひぃ...!」
「取り消せ?」
「な、何が...でしょうか...??」
「お前私をなんて呼んだ?」
「ぇ...えっと...幼j──」
──スパパンッ!!
「ひぃぃぃっ!?!??」
閉じられていない足の間の地面に十字架を刻み込む。
「だよね?」
「...は...い...。」
「それを四度。死にたいの?」
「ヒェッ!ご、ごめんなさっ...!」
「まぁ私も鬼じゃないからここまでにしとくよ。でも、次に言ったらどうなるか...。」
「...ゴクリ...。」
「じゃあ試練の塔に入ってもいいよね?」
「は、はひ!!」
「アヤネたん...!恐ろしい子ッ...!!」
「意外やなぁ...こりゃ幼女を禁句語録に入れなかんな...」
「...ん?」
「「「「「ひぇっ!?」」」」」
こうしてアヤネは無事試練の塔に入ることができたのだった。
○今日のスキル(アーツ)○
はい。お久しぶりです...。えー...今日はネタ枠ですね...。まぁネタ枠だけど普通に強いアーツだよね...。
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【名前】《刀堂流刀術》:仏の顔も三度まで 消費MP:????
【効果①(LV.1)】『同じ相手に対するストレスを我慢する』という行為を3度行うことで発動可能。発動すると、自身の攻撃速度、威力ともに5倍し、攻撃しても必ず相手のHPが1残る。さらに、相手に状態異常:恐慌を付与する。
【効果②(LV.5)】ストレスを耐え忍ぶと、HPが回復する。
【効果②(LV.☆)】このアーツの所持者のMNDを2倍にする。
恐慌・・・状態異常の1種。状態異常:恐怖の上位互換。
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うん。普通に強いね。効果①についてはポケ○ンでいうつるぎのまいを積んでみねうちですね。じゃあ彩音たんがやってたのはつるまいからのみねうち連打...?
まぁストレスによるこのアーツが活躍する場面ってそんなに無さそうではありますけどね...。作った意味よ。




