表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
197/798

第171話 腕の生えたノトシゴ



「あっ!もしかしてアーツの力ですか!?」

「え?」

「アヤネたんのことですからきっと凄いスキルでも手に入れてるんですよね!大丈夫です安心してください!口外など絶対にしませんので!」

「えっ、あのぉ...?」

「私も人に口外できないようなスキルを持ってますしね!」

「......はい。」



なんかよく分からないけど言わないでいてくれるみたいなのでもう放っておくことにします...。あの技をスキルのアーツによるものだと解釈したのかな?咄嗟に作ったことはバレてないようで一安心。



そんな訳で、ほっとしている私と何故か恍惚な顔をしているルーナさんは水に浸っているウォータードラゴンの死体の前まで来た。



「アヤネたん...。」

「はい?」

「私としてはここで解体した方がいいかと思うんだけどどうかなぁ?ちなみに私は解体できないけど...。」

「え?......あぁ...。」



言われたことを理解した。街の冒険者ギルドの解体場で解体すると、その後その素材目当てのプレイヤーやらこちらの住人やらが群がってくるのだ。私も前に借りた時に似たような状況に出くわしたけど、あれは酷かった。素材によるけど、それ目当てに脅しまでしていた人もいたからねぇ...。あぁ怖い...。

まぁそんな事情もあってか、街の冒険者ギルドの解体場で解体するよりも、ここで解体する方が色々と楽なのだ。素材欲しさに群がられることもないしね。



「私は一応解体できるのでしちゃいましょうか。でも、ドラゴンはした事ないので無駄になる部位も出てくると思いますが...。」

「私はアヤネたんに平穏無事な日々を過ごしてもらえれば何も言いませんよ。」

「ふふっ。それは言い過ぎでは?」

「...本当の恐ろしさをまだ彼女は知らないのであった...。」

「本当の恐ろしさ?」

「いえ!なんでもないです!」

「???」



何が恐ろしいんだろう?よくわかんないや。そんな事よりも解体じゃい!



───────

────


「ふぃー...。やっと終わったぁ...。」

「お疲れ様です!」

「うん!ありがとうルーナさん!...でも、総量的に半分は台無しにしてしまいました...。」

「大丈夫ですよ!逆に初見で半分も成功するのが不思議でしょうがないですよ...。」

「そうかなぁ?」

「そうです。」



ウォータードラゴンの解体を終えた私たちは、倒してから出現した宝箱の前に来ていた。開けてみると、そこには水の龍の細工がしてある蒼銀の髪飾りがあった。効果は水属性の攻撃力アップらしい。私は魔法を使っていないのでルーナさんにこれを渡した。多分きっとどこかで役に立つだろう。



「アヤネたん...。私このまま死んでもいいかもです...。」

「ダメだよ!?」

「アヤネたん...!そこまで私のことを心配して...!」

「いや別にそこまで考えて無かったけど!?」

「いいんです...。私はちゃんと分かってますから...。」

「あ、もういいや。」

「ふふふ。」



さて、ひとまずやり切った感じはあるけど、今のはあくまでも中ボス。この先に進んでいくと、ここフォルマナ大迷宮のボスが出てくるはずだ。天獄の章の目的とするものもまだ手に入ってないしね。



───────

────



「くっ...!せいッ!やぁッ!!」


───ドスッ!グシャッ!!


「ビュラァァァア!?!!?!??」

「ビュルルルル!??!!?」


「ふッ!」


──スパパンッ!


「ビュル?」


──ドサッ...



あのボスを倒してから、進むごとに敵が倍増している。なんならノトシゴの進化系なのか、腕や足が生えている魔物も増えていた。

私はまだ大丈夫なんだけど、チラッとルーナさんを見るとどこか苦しげだった。もうそろそろ帰らないとなぁ...。



タツノオトシゴに腕を生やしたら......ちょっとね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ