第166話 まさかの展開
──???side
「またやってしまったのか...。」
「ぅん...。んん...。すぅ......すぅ......。」
私の膝の上で眠る少女...シュリを抱きしめながら思案する。私は度々、このように暴走してしまう。断言しよう、私はレズビアンだ。それも年端のいかない女の子が特にタイプだ。だが、そんなやつは人間界に馴染めずに、迫害されるだろう。だから...だから私は幼馴染をロリっ子に変えたくて調薬の勉強を始めたのだ。
「今ではこんなに可愛くなっちゃってねぇ...。」
「ぅに...?」
「やっぱり体が覚えてるのかな?男の子が使うような言葉ばかり使ってしまうのは...。」
『もうやめろ!し、死ぬから!!』
『あぁ!もうウンザリだ!はよぅ離れんか!!』
『ちょっ!?はなっ!離せっ!やぁっ!!』
『はぁぁぁ...本当にお前は...。』
『いやぁぁぁぁあ!!!!!』
『......なぁ...俺が記憶を失っても見捨てるんじゃねーぞ...?』
「ふふっ....ふ.....。なぁんで私はこんなことしちゃったんだろぉ...。」
なぜか声が震える。
実験の途中で私は一緒に研究していた人達を殺してしまった。故意ではないが、所詮結果が全て。殺したことに変わりはない。それといってはなんだが、そのお陰で私はそこにいた人や魔物に変身できるようになった...なってしまった。
「シュレン...。私は君を元に戻すまで死ねない...。」
これこそが私の最大の目的。シュレン...今はその記憶を失ったシュリには魔物達から人間を守ることだって伝えているが、それは違う...いや、違わないけどそれはあくまでも目的のために必要なことだ。
もしシュリが魔物の手にかかってしまえば...私は何をしでかすか分からない。
記憶を失っているシュリは私を目の敵にしていて、とっても可愛らしい。もう何度襲おうかと思ったほど...。まぁ毎回耐えきれずに...そのまま...ね?
「私ってほんとに...本当に馬鹿だなぁ...。」
眠ったままのシュリにさらに深い催眠魔法をかけておでこにキスをする。
今思えばなんであんなことをしたんだろう。美少女顔の男の娘だったシュレンを自分好みの美少女に変えたいがために薬を創るだなんて...。挙句の果てには失敗して自分もこんな身体になっちゃうし...。
「でもここまできたら止められない。」
「すぅ......すぅ......。」
全てを知らないシュリとその全てを戻したい私。色んな魔物がごちゃ混ぜになった結果だろうか、私は心が歪になっている。たまに本来感じるはずの感情を持てず、極悪非道のことを何も感じずにできてしまうことがある。だからこそ、こんな自分に辟易している。ぜひともシュリには純粋なままでいて欲しいものだ...。
「...さて、撤退してるのはいいけどこのままだと大迷宮が使えないなぁ...。」
あの可愛らしい非常に私好みの竜人娘が邪魔してるかららしいけど、そこのところどうなんだろう?最近はシュリがその子の所に行きたいとか言ってるけど、私がそんなの許すわけないでしょう?シュリはずっと...ずっとずっとずっとここに...いるんだから。
そしてしばらく心の中で葛藤した結果、出した答えは...
「竜人娘には悪いけれどここで退場してもらおうかしらねぇ...。」
竜人娘...アヤネの排除だった。
まさかの展開。正直私もビックリしてます。
そして、リーダーさんの好みは小学生、中学生あたりの小さくて、可愛らしい女の子。というこ───
「──何か言いましたか?」
いえ...。なんでもございません...。ですので...ね?...右手に持つその鋭い刀をこちらに向けて近づいてくるのはぜひともやめて欲しいものですがいかがでs───




