第165話 即落ち二コマ
──シュリside
──コンコン...
「どーぞー。」
「...失礼します。」
「あら。シュリじゃん?どーしたのー?」
「リーダー...。今日はそのような姿なのですね...。」
いつもはいないリーダーの部屋にダメ元で行ってみると、偶然そこにリーダーがいた。
扉を開き、奥の机で座る人影を見る。我らが天獄の章のリーダーの今日の姿は科学者っぽい格好をしている男性だった。
私はこの姿が少しだけ苦手だ。なんか胡散臭いんだよな...。
「それで本題なのですが...なぜこの組織を創ったのですか...?」
「...まーたその質問?」
そう。以前にも似たような質問をしたのだ。なぜ、この組織を創ったのか。私たち幹部でさえ知らないのだ。考えてみれば、私たち幹部はリーダーのことを何一つ知らない。姿形や名前すら知らず、何を考えているのかも知らず、組織を創った目的も知らない。
「私には大事な事なのです。」
「...ふーん?...前にも言った通り、私は魔物たちから人間を守りたいだけですよ。」
「...。」
これは彼が言った通り、前にも言われたことだ。しかし、これが本当のことだなどと誰が信じるだろうか。
「...ふふっ。すまない。シュリのその顔が面白くて、ね?」
「...そうですか。」
私でも少し変な顔をしていたという自覚はあるが、そこまで言わなくても良くないか...?まぁ、そんなことはどうでもいい。今はこの人の目的をハッキリさせないと...!
もし、この人の目的が世界を敵に回すようならば止めなければならない。そうでなければ...改善を要求しよう。
「あ、そうそう!魔大陸でねー?新しい魔物を発見したんだよねー。」
「?」
「やけに人間っぽくてねー...。気づかずに例の薬を渡したら案の定暴走しちゃってさー。」
「...。」
...この人はいつも何かをやらかしている。色んなところで人間に例の薬を渡してはその様子を見て楽しんでいる。
ちなみに私たち幹部もこの薬を飲まされている。飲むと魔物の力の一部が使えるというこの薬。副作用には、服用者の身体にその魔物の特徴が現れるといった、1度飲めば元の生活には戻れない正に麻薬だ。
私はトワイライトウィッチという夕刻の魔女の力の一部を使うことが出来る。その代わりに普段は隠しているが、胸の鎖骨と鎖骨の間には第3の目が存在している。夕刻の魔女は目が優れていて、相手の心以外、何でも見えてしまう。そして私も例外ではない。
...そして、悔しいことにその得た力が魔導術なんだけどな...。私には何一つ才能などない。それ故に魔物の力を手に入れた当初は嬉しかった。だって大切な人を守ることができる力が手に入ったんだから。
だけど、魂というのはとても強いものだった。
私の中にあるトワイライトウィッチの魂は今も尚生き続けている。それこそ、私の魂を乗っ取ろうとする勢いで...。
だから私は生き急いでいる。
この力を完璧に操ることができれば、トワイライトウィッチの魂をも下せると...。そう信じて...。
「でさでさー!あの子すっごい美少女だったんだけどさー...───」
「...。」
この人の話は脱線してもそのまま走り続ける。寧ろ、その勢いはどんどん増していき、最終的には誰も止められなくなってしまうため、この状態になったら私も他の幹部も皆逃げるように去っていく。
「...よって私も退散しよう。」
「あーもう逃げないのっ!」
「うひゃっ!?」
踵を返して逃げようとしたが、手を引かれて後頭部に2つの柔らかいクッションのようなものが当たる。上を見ると、いつの間にか女性の姿になっていたリーダーが恍惚とした目で私を見下ろしていた。
「...訂正。この姿も苦手だ...。」
「あら?言ってくれるじゃない?」
「あっ...。」
しまった。失言した...。
「また擽ってあげようか...?それとも───」
「遠慮させていただ───」
「だーめ♡」
この後椅子に座るリーダーの膝上で散々愛でられた。
「はぁ...はぁ......ひぅ...んっ......はぁ...。」
「本当に可愛いわぁ...。できればあの魔物の子も...。」
意識が落ちる直前、気になることを呟いていたリーダーだったが、今後その言葉を私は思い出すことはなかった。否、できなかった。
まさかの○○○×シュリ。いったいナニをし(テンプレ)。




