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第160話 姫と姫?



「そういえばその変身ってずっと継続するんですか?」

「そうだねぇ。自分で解除するか、死ぬかしない限り解除はされないよ。」

「...ちなみになんですけどMPってどれぐらい消費しました...?」

「えーと...確か7200かなぁ?」

「ななせっ!?そんなMPどうしたんですか!?」

「あれ?知らなかった?MPポーションを過剰に飲むと一時的に最大値を増やすことができるんだよ。」

「あぁ。確かヨイチマルさんがやってましたね...。」

「へぇ。そうなんだぁ...。」



走りながら会話をする。

ジークフリートさんはAGIのステータスを私に合わせている。なぜかと言うと、レベルの差があって、AGIの差も酷いからだ。私が全力で走ってもジークフリートさんはゆっくり歩いているような感じかな?だから、《変身・改》の効果を用いてAGIを私のものと同値にすることで同じスピードで走ることができるのだ!



「ん。そろそろ着きそうだね。」

「そうですね。」



ジークフリートさんの言葉に、私は向かう先にあるフォルマナ大迷宮を見つめる。そこでは2つの勢力が乱戦をしていた。これはまずいなぁ...。あれがプレイヤー同士だったらまだ良いんだけど、こちらの住人もきっといるだろう...。これは早く止めないといけないけどどうすればいいんだろうか...。



───────

────


あれから数分後、私たちはただいま戦闘中の戦場のすぐ近くにある森の中から覗いていた。



「...ここからだとよく見えないね...?」

「まぁそんなものでしょう。」

「場所移動しましょうか。」

「いや、その必要はないよ。ちょっと失礼!」

「ひゃあぁぁ!?」



膝裏と背中を抱き抱えられ、空中に浮かんでいく。ジークフリートさんが私をお姫様抱っこして背中に着いている翼で飛んでいるのだ。



「...っ!...っ!」

「急にごめんね?」

「.........。」

「ありゃ?」



1分後、ようやく顔の熱が引いてきたところで、下を向くと、2つの陣営の拠点が見えた。ひとつはフォルマナ大迷宮の入口目の前に位置するルーナさんの軍の拠点。もうひとつは森の中にある天獄の章の軍の拠点だ。



「手っ取り早く終わらせたいのなら向こうのリーダーを倒すしかないんじゃない?」

「やっぱりそうですよねぇ...。」

「とりあえず敵拠点の近くに降りましょうか。」

「あ、はい。」



いいなぁその翼。いつでも飛べるもん。私の翼はスキルを使うと生えてくるからいつもは飛べないんだよね...。






「到着っと!」

「あの、ありがとうございました。」

「ううん。いいのいいの。それより、バレずに拠点に入る方法を考えないといけないよ。」

「そうですね。まぁこれに関しては私の方でなんとかしますので...というかやってくれると思うので私たちは何もしなくてもいいかと...。」

「んぅ?」



あ、今しかめっ面にキュンって来ちゃった...。なんで自分の顔なのに、こう...心に来るんだろう...?



「...おいでアイリス。」

「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!!アイリスたダいま参上!!」

「...なんかどこかで聞いたようなセリフなんだけど...?」

「...気のせいです。」

「それで?このアイリスちゃんがリーダーを探してくれるの?」

「うん任せといてよアヤ...ネ...?アヤネが2人...?」

「ほらぁ...やっぱりこうなっちゃったじゃないですか...。」

「初めまして。私ジークフリートと言います。よろしくね。」

「あ、うん。私アイリスって言うんダ。よろしくネ?...それにしても男の子みたいな名前だネ...?」

「まぁ男ですから。」

「......。」

「まぁそんなことはさておき。アイリスちゃんがここに侵入してこの軍のリーダーを倒してくれるってことでいいの?」

「うん。これでもアイリスは十分強いから。」

「そーそー!それにアヤネからも武器造ってもらったから負ける要素がないヨ!」

「そ、そう...。じゃあよろしくね...?」

「うん!」




そうしてアイリスは小さな剣を腰にさしながら拠点の方に走っていったのだった。




─────────────────────



──【天獄の章】の軍の将軍side



「おいそこのお前!戦況はどうなってる!!」

「はっ...。現在西と東が優勢ですが、正面が少々危ういかと...。ですのでそのまま左右から挟み撃ちにするのがよろしいかと申し上げます...。それと、シュリ様からの伝言です。『酒ばかり飲んでないでさっさと仕事しろ。首にするぞ?』とのことです...。」

「...ふんっ!...見てないでさっさと行け!!」

「はっ!」



目の前で消えた影に悪態をつきながら他のことを考える。



「...チィッ!あんのクソロリビッチが!!」



───ガッッシャァァアンッ!!!...バンッ!!



机の上にあった物を全て薙ぎ払い、拳で机を叩く。



「よくもこの俺に...!!!もう我慢の限界だ!終わったら回してやる...!!」

「回すって何するのー?」

「そりゃあナニするんだよ!...ん?」

「残念だね。その楽しいことが出来なくて。」



───ザシュッ!



「ぇ...?」



体が動かない...。ん?倒れる!?ぇ...なんで俺の体が...。




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