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第156話 久々の登場



──???side



「...状況はどうだ?」

「現在は我が軍が戦闘中ですが、こちらが有利ですね。」

「そうか...。こんなところで戦力を失う訳にはいかんからな...。我らが目的の為に。」

「我らが目的の為に...。」



私の()が消えるのを見届けて、ホッと息を吐く。私たち天獄の章は現在、色んな所に喧嘩を売ってしまっている。この大陸にある4カ国のうち、3カ国は私たちと敵対している。ちなみに敵対していない国はエルフの国シルディーナだ。エルフ達は皆引きこもりがちで滅多に外に現れない。故に国自体も鎖国状態だ。そんな国が私たちに絡んでくるとは思えない。


そして、現在も迷宮街フォルマナや大迷宮フォルマナを支配している謎の勢力にも喧嘩を売っている。




「はぁぁぁあ...。どうなるんだろうなぁ...。」




椅子に深く腰掛け、1人愚痴を吐く。これでも幹部級なため、相当な実力者なのだが、見た目は完全にロリっ子だ。



もう一度言おう。──ロリっ子だ。



───────────────────────



───ジークフリートside



「もうすぐだな...。って...。」



俺は今、遠くから見えるフォルマナに向かっている。よくよく見ると、黒煙が迷宮街フォルマナの色んなところから天に向かってモクモクと伸びている。前に俺が来た時にはなかったし、工業化した訳では無いだろう。流石に短期間でこんな黒煙塗れの場所になるはずがない。



「...めっちゃヤバいんじゃないかな...?」



クランの仲間からフォルマナが襲われているって教えて貰ってここに来たけどまさかここまでとはね...。もしかしたらもう陥落してるんじゃないかなぁ...?あんなにボロッボロになってるし.。




「《変身・改》」




俺はスキルを唱えて変身する。変身先はこのゲームで唯一俺を負かしたアヤネの姿だ。いや、これだけ言ったら誤解を与えそうなのでもう一言付け足すならば、アヤネの翼だけだ。



俺は翼を生やしたあと、飛び立った。



もちろん竜種もいるわけで、飛ぶための翼はあるんだけど、なんでアヤネの翼なのか不思議に思うことだろう。だが、これには1つ理由があるのだ。まぁそう深い理由じゃないんだけどね。簡単に言うと、飛びやすいのだ。

竜種などの翼は竜人と違って異常に大きくなってたり、形が複雑だったりして、それを着けたところで飛べないのだ。それに比べ、アヤネは竜人だ。竜人の翼は人型が飛べるような形の翼をしている。そのため飛びやすいのだ。要するに竜人の翼を使った方が飛べるってことだね。




───ヒュォォォォォォ......



迷宮街フォルマナの上空までやってきた。やっぱり酷い惨状だった。沢山の家が赤く染まって、人々は逃げ惑っている。



「んっ!?なんで魔物が街に入ってるんだ!?」



何故か沢山の魔物が街の中で暴れていた。小さいものから大きいものまで様々な種類の魔物だ。中にはここら辺に生息しないような魔物まで存在する。



「ひぃぃぃっ!!??!た、助け──」

「グォォォオオオオ!!!!!!」

「オラァァア!!!!」



──ドゴンッ!!



魔物に襲われている男がいたので俺は重力による勢いそのままに魔物を蹴り飛ばした。糸だと遅くて間に合わなくなるからな。



「大丈夫ですか?」

「あ、ありがとう...ございます...!!」



礼を言った男は皆が逃げていった方向へ走り出した。うん。上から見た限りではそっちに魔物はいなかったはずだ。



「...とりあえずプレイヤーを見つけないとな...。」



そうして俺は再び真っ黒な翼を開いたのだった。



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