第155話 大小変幻自在の大剣
「...ふむ...。」
上がるステータスはSTRの1つしかないけど、単純な数値は大きい。大剣だからってのもあるだろう。それに、武器スキルが4つもあるからね。
「あ、また出たレベル表記のないやつ。...《変幻自在》か。望み通りの効果だったらいいけど...。」
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【名前】武器スキル:《変幻自在》 パッシブスキル
【効果①】大小変幻の呪いに得体の知れない呪いが合わさることで呪いが変質。所有者の意思で自由に大小変幻することが出来るようになる。
【効果②】大小変幻の呪いに得体の知れない呪いが合わさることで呪いの力が増大。このスキルがつく武器に付随する物も一緒に大小変幻する。
【効果③】所有者がこの呪いを使いこなすと呪いの力がさらに増大する。
LV.1:MND+25
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「おぉ!やった!」
「う?どしたノ?」
「望み通りの物ができて嬉しいんだよ!」
「そうなノ?」
「うん!じゃあ早速持ってみて!」
「分かっタ!」
そう言って私は大剣の柄を地面に向けた。その先にいるアイリスは両手で柄を掴み、それを軽々と持ち上げたのだった。
「中々重いネ...?」
「そこはスキルでカバーするんだよ。」
「あ、このスキル...かナ?」
──シュゥゥゥゥ....
何か思い当たる素振りを見せたあと、アイリスが目を閉じると大剣がどんどん小さくなっていった。それに付随する鞘も一緒に。
そして、最終的にはアイリスが持っても違和感がないような大きさになった。...うん。武骨な大剣だけどよく似合ってると思う。
「うン...うん!いいネこレ!ありがとうアヤネ!」
「ううん。これから一緒に戦ってくれるでしょ?だからせめて自分の身を守れるような武器を造れればなって...。」
「ふふっ!ありがと...!」
そうして私たちは笑いあった。その後はアイリスが武器の試し斬りがしたいと言っていたのでそこら辺で素振りをしていた。
「はぁッ!やぁッ!」
──ヒュッ!ヒュンッ!
アイリスが鞘から大剣を引き抜くと、構えを取って2回ほど斬った。斬り始めは小さかった大剣だが、自身の目の前まで大剣がくると、その大きさは2mを超え、また元の大きさに戻っていった。
「...これは我ながらとんでもない物を造ったかも...。」
「そうなノ...?」
「うん。」
「そっカ。」
すぐに興味を無くしたアイリスはまた素振りを再開した。やはりアイリスは1回1回の斬撃で大小変幻を使っている。多分対峙したらわかると思うんだけど、気づかないわ...。
目の前にいる小さな小人が小さな剣を構えて斬りかかろうとしている。普通、その剣がこちらに届くことはないと思うだろう。だけど、大小変幻を使ったら、剣はこちらの喉笛を掻っ切るだろう。
「うン!ちょっと慣れてきタ!」
「じゃあそろそろ行く?」
「分かっタ!すず達が待ってるからネ!」
そう言うとアイリスは大剣を縮め鞘にしまった後、私のインベントリに帰って行ったのだった。




