第154話 徹夜って結構キツイよね。
「そうと決まったら早速!っと言いたい所だけど、この街を占領した相手の戦力は1000を下らないと思ったほうがいいんだよね...。それか、相当な実力者が数十人か。」
「そうねぇ。それであやちゃんは何をする気なの?」
「前にさ、すずに掲示板って機能教えてもらったんだよねぇ。」
「そういえば教えたねー。あ、それで仲間を募るつもり?」
「そうそう!」
「でも、もう既にそれをしている人がいるんだよね〜。だから時間的にもうそろそろくるんじゃないかな〜?」
「そっか。じゃあ私たちは私たちで仲間を増やさないとね!」
「うん。それでいいと思う。」
「そうと決まれば早速一緒に戦ってくれそうな人を探そう!って言いたい所なんだけど...」
「「「また!?」」」
「私ちょっとある子の為に武器を造りたいんだよね...。」
「あぁ...。」
「え?すずちゃん、あやちゃんが何造るか知ってるの?」
「まぁ一緒にいたからね...。」
「じゃあ私はここで別れるからそっちはそっちで頑張ってね!」
「あ、ちょっ!?」
そういって私は走り出した。後ろですず達が慌ててるが、追いかけてくることはない。また後で何か言われるだろうけど今は一刻を争う事態だ。早速鍛冶師ギルドに向かおう。
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「お邪魔します。」
「んぁ?見ない顔だねぇ?」
「初めましてアヤネって言います。最近フォルマナにやって来ました宜しくお願いします。ところで鍛冶場をお借りしてもいいですか?」
「おおう...めっちゃ早口やないか...。アヤネな。宜しくな。鍛冶場は自由に使ってくれ。」
「ありがとうございます。」
礼を言い、奥の鍛冶場へと向かう。そして、いつも通りの錬金キットと金床を取り出し、並べる。
「......。」
金属は何がいいかなぁ...。
インベントリを流し見していくと、使っていない鉱石達がゴロゴロと転がっていた。
あ、リフストーンとウォシストーンだ。クノイチ少女のノイチさんに刀を造ってあげた時に対価として貰った鉱石だ。そういえばボーンストーンってのもあったなぁ...。使ってみる...?いや、ここはちょっと聞いてみよう。
「...ねぇアイリス。」
「なぁニ?」
「これ骨でできた鉱石なんだけどさぁ。アイリスの武器に使ってみてもいい?」
「ウーん...。呪われそうだけど、私自身が元々呪ってた立場だったから多分大丈夫かナ...?うン。」
「じゃあ使ってもいいってこと?」
「うん!その代わり凄い物造ってネ!!」
「任せといて!」
最近インベントリから出せてなかったので座る私の足元でうろちょろしているアイリス。目新しい物ばかりで面白いのだろう。
それはさておき、今回使うのはさっき言っていた3つの鉱石。リフストーンとウォシストーン、そしてボーンストーンだ。それにさらに付与するのが、フォルマナ大迷宮にいたムッシュから採れた変幻の胞子だ。
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【名前】変幻の胞子:品質7
【説明】触れたものの大きさを変えるムッシュの胞子。そのため、大きさが変化しない魔法の瓶の中に入っている。何故ムッシュを倒した時に瓶も一緒に落ちるのかは謎のままである。
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ドロップした時から瓶詰めされてたこの胞子。触れたらまた小さくなっちゃうかもしれないから瓶から出さずにこのまま使う。
早速、敷いた青い布の上に胞子の入った瓶をのせる。次にリフストーン、ウォシストーン、ボーンストーンを熱して混ぜる訳だけど、これが難しい。
──コンコン...。
指でボーンストーンを叩きながらどうするかを考える。
リフストーンとウォシストーンは1:2で混ぜると安定することがノイチさんに創った葉隠ノ雨刀の時に判明したが、ここにボーンストーンが混ざるとなるとまためんどくさくなる。
なるべく時間を掛けたくないんだけど、リフストーンとウォシストーンを混ぜた後に少しずつボーンストーンを足していく方針にしよう。
───ガァァァンッ!ガァァアンッ!!ガァンッ!!
───ガァァァアンッ!!ガァァンッ!ガァァァァンッ!!
「......3:6:1かな。」
さっきコンコンって叩いていた時から分かってたけど、ボーンストーンは他の鉱石よりも十分に硬い。だから、混ぜる時もちょっとだけ混ぜて直ぐに安定しちゃったからちょっと驚いたなぁ。
あとは鞘と柄を造って所有者の設定をすれば完成だ...!!
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【名前】呪・葉隠ノ雨大剣:品質☆2
【説明】リフストーンとウォシストーンとボーンストーンを3:6:1の割合で造った呪われている大剣。葉の力と水の力を併せ持つ刀は製作者と所有者以外が触ると姿を消してしまう。なお、製作者と所有者は見える。ボーンストーンで造ったためか、呪われている。尚、名前は微妙にダサい。
【武器スキル】《変幻自在LV.─》《葉隠れの術LV.1》《水遁の術LV.1》《死霊の術LV.1》
耐久:1683
STR:1256
【製作者】アヤネ
【所有者】アイリス
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《職業:鍛冶師LV.☆1→☆2になりました》
《鍛治LV.☆2→☆3になりました》
《錬金鍛治LV.☆1→☆2になりました》
《錬金術LV.9→☆になりました》
《鑑定LV.☆→☆1になりました》
「...どーせ私はネーミングセンス皆無ですよーだ...。」
「ん?何か言っタ?」
「...何も。」




