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第150話 流され系ヒロイン



私の目の前に広がる真っ暗な空間。そこに浮かぶは5053、5052、5051と減っていく数字。



「(気絶状態ってこんな感じなんだねぇ...。)」



そう。私は気絶したのだ。意識があるのに気絶ってよく分かんないけど、まぁゲームだしね...。



「(多分この数字が気絶状態が回復するまでの時間かな?)」



外ではすずと男の戦闘音が鳴り響いている。主に金属の音なのが心配だけどすずならきっと大丈夫だろう...。




──────

───



──涼香side



「はぁッ!!」

「くっ...!」



うーん...この状況はまずいなぁ...。防戦一方だ...。何とかしようと[放電]を撃とうにもその前に察知されて逃げられちゃうし...う〜...。



「どうしたんだい?あんな事を言っていたのに防戦一方じゃないか。」

「...。」



かと言って接近戦をしようにももちろん素人の私よりもプロの相手の方が何枚も上手なのは分かりきったことだしなぁ...。私が今できる唯一の攻撃手段が[放電]しかない。もし魔法が使えなくなる状況に陥っても大丈夫なように技のバリエーションを増やしておいても良いかも...。まぁ、それもまずはここから生きて出ないといけないけどね!



「あれ?無視ですか?」

「...。」

「あらら。これは完全に嫌われましたね!」



──シュパパッ!



先程よりも一段と速くなる攻撃。ってか思ったけど私今物理ダメージそんなに受けないじゃん...!急所さえ守れば受けるダメージもそんなにないからいけるかも!



...接近戦やるか。



「おっとまた接近戦の真似事ですか?先程も言いましたけど貴方には接近戦は向いてませんよ!」

「...そんなことは知ってるわ!はぁッ!」

「なら何故!...っ!?」



──ガキンッ!



攻撃をしながら理由を問う男に私は叫びながら1歩踏み込み、左腕で相手のナイフを受け止める。このせいで装備品であるローブに傷がついたが、今はそこを気にしてられない。



──ドコッ!



「いっ!...たくない?」



拍子抜けした男の顔面を殴り飛ばした...つもりだったが、それほど効いた様子はない。それに対してはムカつくが、本当の目的はこれじゃない。



「[放電]」

「なっ───!?」



───バチンッ!!!!



「ぐぁぁぁああぁぁぁぁあぁああぁぁぁあああ!!!!!」

「まだまだぁ!!これはあやの分![放電]!」


──バチンッ!!


「ぐぉぉおぉおおぉおお!!?!??!!!」

「これもあやの分![放電]!」


──バヂンッ!!


「ぐぬぅぅううぅう!?!??!」

「まだあるよ![放電]!」


──バヂヂッ!!



どんどん威力が上がっていく[放電]。最大5回までしか重複しないが、それでも相当だ。



「───ラスト!最後もあやの分ね![放電]!」


──バチンッ!!!!!


「ぅ!!!...ぁぇ......ぁ...。」

「ふぅ!スッキリしたぁ!あ、そうだ!あやは!?」


「......。」

「......とりあえず生きてるみたいだね...。よかった...。」

「(私意識あるのに伝えられないってなんか微妙な感じだなぁ...。)」

「ん〜...ここならキスしてもバレなそうだよねぇ...。」

「(えっ?うそぉ!?キスするのぉ!?ここで!?...一応TPOという物があってだねぇ...!?)」




そんなことを考えている間にも瞼1枚越しに感じるすずの気配は強くなっていく。



「(あ、でもすずだし...いい...かな...?)」




流されやすい彩音はすずのキスを受け入れるのだった...。




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― 新着の感想 ―
[一言] ゆっりゆりーにしてあげるー世界中の彩音よりもー
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