第145話 再会
──タッタッタッ...!
「.........行ったかな...?」
複数の人がこの部屋から走り去っていく足音を聞き、タンスからひょこっと顔を出し、周囲を確認する。右、左、念の為もう1回右、左......よし。誰もいない。
「.........ほっ...。」
私はかなり安心していた。だっていまさっき走り去っていった足音がかなり体格のいい人の音だったからねぇ...。それが複数人ときたらもう、ね...。
「うぅぅ...。やっぱり開けないなぁ...。」
何度メニューを押しても無反応。うんともすんとも言わないのだ。やっぱりこの禍々しい雰囲気の首輪が原因なのかなぁ...?もしくはこっちのワンピース...?......はないな。うん。それともこの場所がメニューが開けない場所なのか...。ぐらいだね私が推測できるのは。
「...こんな所で悩んでる暇はないよね。今は脱出を優先しないと...。」
ここからは排気口を通らずに行くことにする。その理由はいたってシンプルで、先程の見張り達が上を警戒しだしたからだ。きっと何かしらの方法を使って排気口のくまなくを探し出すだろう。何せこの世界には魔法があるのだから。
──────
──ヒタ......ヒタ......
「うぅ...冷たいよぅ......。」
床は大理石風の何かだったので、裸足の私にとって足がとても冷える。あぁ...寒い...。
廊下に出て、いつも通り左右を確認し、息を潜めながらひっそりと進んでいく。目的地など微塵もないが、立ち止まった見つかっちゃうから適当に進む。
「───でさぁ───よ──。」
「まぁ────とか───あ───これ────。」
「(誰か来た!)」
T字路の左側から僅かに聞こえてくる男たちの声。もしかしなくても見張り達だ。
このままここに居ると絶対見つかってしまうので手頃な部屋に入る。
──ガチャ...。
「「あっ...。」」
そこにいたのは今まで見てきた見張り達と同じ格好をしている...私を誘拐してきた男だった。
「っ敵しゅ───!!!」
「せいッ!」
──ドカッ!!
「グベァッ!?」
「あ...やっちゃった...。」
増援を呼ばれる前に踏み込み、男の顔面を殴りつけてしまった。...まぁ顔面を殴ったのは私怨も含まれてるけどね...。
男は気絶しており、この部屋に静寂が訪れたのだった。
「...今のうちに何かないか探してみるか......。」
慌てていたから気づかなかったけど、この部屋は他の部屋と比べるとやけに豪華だ。それとそこの床で寝ている男がいることからここは中々重要な場所じゃないかなぁ?
「...出来ればこの首輪の鍵とかあればいいんだけど......。」
「それは僕が持ってるから無理な相談だねぇ。」
「っ!?」
棚を物色しながら独り言を呟いていると、その答えが返ってきた。振り返るとさっきまで寝ていた男が満面の笑みで立っていた。
「一体どうやって抜け出したのかは知らないけどダメじゃないか。...奴隷が出歩くなんてさぁ?」
「...。」
「君にはまた檻に戻ってもらわないとねぇ。さっきは不意打ちだったけど、今度はそうはいかないよ!」
──シュシュッ!!シュパパッ!!
男は距離を詰めてきて、拳で攻撃してくる。...結構早いなぁ。
だが、それを余裕を持って回避し、大振りの攻撃をしてきた時にその手を持って投げ飛ばす。
「っ...中々やるじゃん。...ちっ...ただのガキかと思ったら...。」
「っ!?」
──タタタタタタンッ!
咄嗟に横に避ける。すると、さっきまで私がいた所に6本のナイフが刺さっていた。...まてよ?このナイフって私も使えるのでは?
「おいまさか!やめろ!......なぁんてね?」
「へ?ゥグゥアアアア!!!!」
──バヂヂヂヂヂヂッ!!!
床に突き刺さっているナイフを取ろうと近寄ると慌てていた男だったが、ナイフを取るとその焦った顔が一転、ニマニマとした顔になった。
痛い痛い痛い...!!
ナイフを持った途端、首に激しい痛みを感じた。ナイフはもちろん落としてしまい、私の体もピクピクとしか動かなくなってしまった。
「残念だったねぇ。その首輪は武器を持つと電気を発する仕組みになってるんだよねぇ。」
「ぐ......ぅ...。」
「さて。もう1回檻に戻ろうね?...今度は独房にでも───」
「───そこまでにしなさい!」
「誰だ!!」
私が今1番会いたいと思っている人がきた。
「...すず......。」




