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第140話 にちようび



あの後、私は逃げるように帰ってきた。



「む。彩音か。」

「た、ただいまお父さん...。それとおはよう。」

「おはよう。...どうした?」

「...いや。なんでもないよ。」

「?」



家に帰ってくると、ちょうど今から鍛冶場に行こうとしていたお父さんと鉢合わせた。

私の顔を見て心配してくれたが、あんな事があったなんて言うことも出来ず、私は誤魔化しキッチンへ向かったのだった。...だってすずが目を覚ます前に逃げたくて朝ごはん食べてないんだもん...。多分私があのままいたらお互い気まずいまま朝ごはんを食べることになっただろう。それだけは絶対に嫌だ。



─────

───



「ん〜♪美味しかった〜♪」



手早く作った簡素な朝ごはんを食べた後、私は自室へ向かう。ちなみに装置はちゃんと持って帰ってきた。今はベッド横の棚に置いてあるけど。



「...まずは宿題やらないとなぁ...。」



凝った体を解しつつカバンから宿題を取り出す。多分凝ったのはすずが私の上に乗ってたからだと思う...っていうか絶対そう。

明日提出の宿題は数学のワーク数ページ。本誌の方の予習は3年生の分まで終わっているから宿題自体は簡単だ。しかし、量が量だ。週末課題として出すには多い程だ。



「...終わったら何しようかなぁ...。」



早くも宿題から意識が逸れて、他のことを考えてしまう。しかし、それでも手はとめない。



───────

───



「ん〜...。終わっちゃったか。これ面白かったなぁ。」



最後に解いた問題は気付きの問題だった。普通に解いたけど別解の方が簡単だしとても面白い。次出たら使ってみよ。


「次は...あ、そうだ。あっちでアイリスの武器を造らないとなぁ...。」



そうして私はやるべき事を終わらせた後、『セカンダリア・オンライン』にログインしたのだった。



───────

───


「......。」



静かに起き上がり、出かける支度をする。と言ってもこの家のどこかにいるアイリスを探すだけなんだけどね。本当はログアウトする時はインベントリに入れておきたかったけど、それじゃあ可哀想だということでアイリスを自由にしているのだ。...なんかこんな言い方をするとペットのように感じるけど断じて違うからね??



「アイリス〜?どこにい──?」

「──こ〜こ〜だ〜よ〜?」

「ひゃぁぁぁぁぁあああああ!?!??!?!?」




私がリビングで呼びかけると耳元で囁かれたのでビックリして飛び上がってしまう。

慌てて囁かれた方を見ると、そこには天井から吊るされたワイヤーらしき物にぶら下がったアイリスがいた。



「もう!ビックリするから止めてっていつも言ってるじゃん!」

「あははは!!だって面白いんだもーン!!」

「...まったく......。」

「それに〜...。」


呆れて何も言えない。


「可愛いしねぇ〜!」

「ふぇ?」

「あ、お顔真っ赤だよぉ?可愛いねぇ!!」

「くっ...。も、もう行くよ!」



話を切り上げてアイリスを強制的にインベントリにinさせた。



───────

───



「そういえばまだこの街の探索してなかったなぁ...。」



そうなのだ。ここに来て、すぐにフォフマナ大迷宮に向かったからまだこの街のことを何も知らないのだ。これはもう探索するしかないな...。



「探索が終わったら鍛冶師ギルドに行こうかな。」




こうして私はこの街の探索をする為に家を出たのだった。




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