番外編⑤ キジンさんの道
「ふんふんなるほどねぇ...。よーするに貴方の中にウルバがいるんだね?」
「まぁそうなりますね。」
『オイモウ何モ言ウナ!』
金髪ショート美少女である鬼神様が唸っている。そんな姿でさえ美しいと思う俺はロリコンなのか...?そして、ウルバの言うことはもう無視だ無視。
「ふーん...。久々にウルバと話してみたかったんだけどなぁ...。ねぇねぇウルバ出せる?」
「出せる...とは?」
「そのままの意味だよぅ。あれ?まさかできない?」
「できませんね。」
「そっかぁ...。...分かった。ちょっと屈んで?」
「?」
ベッドの端に座り、こちらを見上げるような形の鬼神様に従い、膝を付く。顔を上げるとちょうど目の前に鬼神様の顔がある。...まぁ小さいからな。
「むぅ...!?なんか貶された予感...!」
「き、気のせいだと思われ...。」
「まぁいいや。じゃ行くよぉ。」
「え何を───」
───ポゥ......
何を、と言い切る前に鬼神様は右手の人差し指と中指を合わせ、俺の額に当ててきた。すると、当てられた箇所から光が広がる。広がりきった後、俺の脳に吸い込まれるように光が収束していった。
『スキル《永遠の片割れ》を取得しました』
「うぉっビックリした!」
「手に入れたか。じゃあ早速使ってくれる?」
「お、おう。《永遠の片割れ》」
『ン?ナンカヤナ予感ガスルノハ気ノセイダヨナ?』
───ポワァァァァアン......!!
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【名前】《永遠の片割れ(new!)》消費MP:500
【効果①(LV.1)】永遠に親友であり相棒であるウルバを半身として現世に召喚することができる。1日1回1時間のみ。
【効果②(LV.5)】実体を持たせて召喚することができるようになる。その際のMP消費量は2倍。
【効果③(LV.☆)】ウルバが願った武器を装備させる事ができるようになる。
LV.1:MND+35
※半身状態・・・実体を持たない霊的な存在。攻撃することもされることもできない存在。
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『ゥギァァァァアァアァァァアアアアア!!!!!」
俺の体から魂が抜けるように白い何かが人の形を保ちながら蠢いている。それと同時に脳内に響いていた声から普通の声になっていく。
「おっ成功したね!」
「おぉ。こいつってウルバか?」
「そうだね。久々に見たよぉ。」
「はぁ...はぁ......はぁ......。ちっ!最悪じゃねぇか!!」
「まぁまぁそう言うなよぅ。我とウルバの仲でしょぉ?」
「くっ...!」
「なんだ。仲良かったのか?」
「(ちげぇよ!俺は散々この鬼神にボッコボコに───)」
「何か言った?」
「ナンデモネェデスハイ。」
「うむ!分かればよろしい!...それで?ここになんの用なの?」
「いや、な?コイツが強くなりたいらしくてな。だったら鬼神...様の所に連れていくしかないと思ったんだ。」
「ほぉほぉ。分かった!我が特訓をしてやろう!!」
「本当ですか!?」
「うむ!」
「ありがとうございます!」
こちらとしても願ったり叶ったりだ。ここでめっちゃ強くなってスズカに勝ってやる!
「む。貴方の種族は鬼皇か...。あと少しで更なる高みへと登れるな!」
「そ、そうなのか?」
「うむ!我が断言するのだー!」
こりゃ嬉しいね。鬼神様のお墨付きを貰っちゃったぜ。よりいっそう頑張らんとな...。
「手始めに軽めに戦ってみるか。」
「...宜しくお願いします!」
「我にまっかせなさーい!」
こうして1人の少女?の高笑いが広場に響いたのだった。
 




