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第135話 オーバーキル



思考がすごくスッキリしている。INTが上がったからだろう。その充足感を感じながら、私は[天雷]を放った。それも改造して...。




「──《18の[天雷]》!」



私の背後に浮いていた18の雷玉が1つずつ合わさっていく。1つ直径20cm程度だったのが、18個全部合わさったことにより、直径100cmの球体にまで膨れ上がった。



「っ!?《ファイア・レーザー》《ウォーター・スプラッシュ》!」



チュウ・オウは両手からそれぞれ別の魔法を雷玉に向けて放った。



──ボゥ...バチチチッ!!


──バシャッ!...バヂヂヂヂッ!!



だが、2つとも雷玉に触れては掻き消されてしまった。前にも言ったが、[天雷]は魔法の枠組みを遥かに超えている。それこそ、魔法がどう足掻いても勝てない自然現象の上に存在しているのだから、こうなるのは必至であった。それに、[天雷]の元である雷玉が18個合わさっている。



──なんかごめん



「あやの仇ぃぃぃぃぃー!!!!!」

「やっちゃエェェェ!!!!」

「っ!わ、私まだ死んでないよ!?」



──パキッ...



───


INT:1297200

八色の豊獄杖:全属性魔法攻撃力を増加させる(大)。

《雷・メタルの反撃》【効果⑤】:雷属性に関するあらゆるものの性能を上昇させる(大)。

『虹蟻王(完全体)を撃破した者』:全属性攻撃に上方補正がかかる(中)。

『雷・入門』【効果②】:あらゆる雷属性攻撃の与えるダメージを増加させる(中)。

雷玉×18が合わさった雷玉


───




──ドゴオ゛オ゛オ──キィィィィィイイイン゛ッッッ!!!!



「──っ───......」



巨大な雷玉がガラスが割れるような音を立てながら消えた後、チュウ・オウに[天雷]が降り注いだ。音がすごくて耳がやられてしまった。

断末魔を上げることさえ許さないこの[天雷]は流石にオーバーキルだったかなぁ...?まぁ、あやの状態を見るとこれぐらいじゃまだまだ許されないけどね...!



「あやぁぁぁ!!倒したよぉぉぉ!!!」



──バヂヂヂッ!!!



未だその場でぺたりと座り込んで休んでいるあやの元に猛ダッシュで駆け寄る...。いや、早すぎて私今浮いてたよね...??



小柄なあやを抱きしめながらふとチュウ・オウの座っていた場所を見ると、宝箱が置いてあった。ちなみにチュウ・オウはこの広場の中央でいつぞやのクルワセバナのようにまっ黒焦げになっていた。...ちゅうおうだけに...。



────────


──彩音side



──すずが神様になった。



私の印象はそれだった。だってなんか浮いてるように感じたし、雷玉?だっけ?それが後ろで光輝いてるから光背のように見えちゃうし...。なんかすずが遠くに行っちゃったかのような感じで...寂しい...な...。



すずの神々しさに見惚れてしまって、暫く呆然としてたけど、すずの途中のボケでなんとか正気に戻ってツッコミを入れることができた。

あのすずは凛々しかったなぁ...。



──まぁ、何故か今は私の膝に頭を乗せてスリスリしてるんだけどね...!!あっ...!ちょ...そこ擽ったいからやめ...



...こほん。という訳でなんとかチュウ・オウを倒すことが出来ました。まぁほとんどすずのおかげなんだけどね。




──────


「ねぇねぇ。これ何が入ってると思ウ?」

「うーん...。いい物だといいねぇ...。」

「私は2つの指輪がいいな♪」



すずが欲しがる2つの指輪。それを2人で薬指にはめるところを想像したら顔が赤くなってしまった。


「ん?あれぇ?あやぁ?顔が真っ赤だよぉ?まさか結婚指輪のこと想像したぁ??」

「っ!...っ!!ち、違っ...!」



図星すぎて違うとしか言えない。でもすずと同じのを付けたいという気持ちは違わない。



「もぉ...可愛いなぁ...。」

「むぅ...。」



なんですずは私のほっぺをつんつんするかなぁ...!?



「はいはい惚気はそこまでネー。」

「「あ、はい。」」



気だるげな顔をしながら注意をするアイリスに私たちは従う。




そうして開けた小綺麗な宝箱からは指輪が出てきたが、1つだけだった。






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