第115話 STR24万による暴力
涼香side
私達は今、水中でスカーレットとマリエスタの戦いを見ている。否。戦いはこれから始まろうとしている。
あの後、遺跡が崩れる前にヨイチマルさんに《ウォーター・レジスタンス》を張ってもらい、かなり離れた位置に逃げた。
『ヨイチマルさん。』
『嫌な予感しかしないが...なんだ?』
『マリエスタに攻撃したらどうなるかな...?試しに攻撃してみてくださいよ。』
『やっぱりな!やなこった!!あのマリエスタを見ろ!いかにも邪魔したら殺す、みたいな顔をしてるじゃねぇか!』
『むぅ...。』
『でもスズカなら行けるんじゃねぇのか?』
『え?なんでです?』
『いや、だってお前体硬いんだろ?』
『はっ!!』
言われて思い出した...!私クリティカルヒットを受けなければ受けるダメージは最大5なんだった...!
「...でもそうは言っても...怖いよね...。」
「...それな。」
「グルァァァァァアアアアアア!!!!!!!」
──ギュォォォォォォォオオオ!!!!!
スカーレットが腕を振ると潮の流れが変わり、水中で渦潮がいくつもできる。...それは100m以上離れている私たちの所にまで及んでいた。
『うぉぉぉぉ!!!!』
『きゃぁぁぁあ!!!』
2人して発生しまくる渦潮から逃げ惑う。私の種族の特性で渦潮などによるスリップダメージは受けない。だが、渦潮に巻き込まれている岩などに当たるとダメージを受ける。それはたとえ直径5cmぐらいの球のような石でも5ダメージは受けるだろう。...そして、その石が大量に渦巻いている場所に呑気に入っていったらどうなるか....。
『...なぁここどこか分かるか...?』
『......いえ...。どこだろ...?』
渦潮が収まった後の海。砂埃が舞っていて何も見えない。
『《絶海領域》』
すると、突如背後からマリエスタの声が聞こえてきた。マリエスタが唱えると、海はどんどん霧が晴れていくように綺麗になり、ずっと見ていられるような美しい海が映し出された。
『『...嘘だろ(でしょ)...?』』
...そこに大きな腕を振りかぶっていて、今にも攻撃しようとしているスカーレットがいなければ。
──ブォンッ!!
『...ぐぁ...!』
『スズカ!?』
咄嗟に急所である頭を守るように手を上げ、スカーレットの攻撃を受けた。
だが、私が次の瞬間に見た景色はファレルの宿の部屋だった。
ヨイチマルside
「...俺にどうしろと。」
「グォオオオオオオ!!!!」
『ちとどいておれ。』
──バシッ...
「ぐはっ!!」
スカーレットが俺をターゲットにし、今度は翼で攻撃しようとしていたところだったが、横腹に受けた攻撃により、回避できた。
──ガァァァァァアンンン!!!!!
俺を弾き飛ばしたマリエスタはスカーレットの攻撃をその自慢のサクル...?スクル・デントだっけか?かなんかで受け止めた。だが、このままいけばどう考えても押し負けるというのが見て取れる程、押されている。
『ぐっ...やはり攻撃力が落ちたとはいえ...。中々...だな...だが!《全魔纏体》!』
「グォ!?」
『生憎!私が得意なのは魔法なのだ!』
「...うっわ...あれ絶対身体能力上げるやつじゃねぇか...。」
現にさっきまで押されていたのが、均衡にまで持ち直している。
『らぁぁ!!』
「グォオ!!」
『食らえ!《神槍:シクル・デント》』
マリエスタは自分の右手に持つ槍と同じ名前を唱えた。...シクル・デントだったのか。
唱えると、マリエスタの背後に、無数の槍が現れた。...あれは....シクル・デントと同じものだ...!
『...いけ。』
──キィィィィィィン......
甲高い音を立てながらスカーレットに集中する無数のシクル・デント。それはスカーレットの体を所構わず抉っていく。
「グォォォオオオオ!!!!」
『むっ...!』
───ジュァァァアアアアア!!!!!!!!
それに対し、スカーレットはブレスを吐いた。シクル・デントどころか、海水までもを蒸発させていくスカーレットのブレス。
『くっ......!』
「あ、熱っ!?」
さっきと一緒で結構離れてるはずなのに熱が...。
攻撃力が高すぎて体を貫通しちゃったんでしょうねぇ...。そのせいで強制クリティカルが...。
○今日のスキル○
今日は《絶海領域》《全魔纏体》《神槍:シクル・デント》の3つです。
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【名前】ユニークスキル:《絶海領域》 消費MP:10000
【効果①(LV.1)】支配する海を自在に操ることができる。
【効果②(LV.☆)】支配する海のあらゆる情報を知ることができるようになる。
LV.1:INT+50
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【名前】《全魔纏体》 消費MP:1000~
【効果①(LV.1)】全ての魔力(MP)を一時的に体に纏い、身体能力を上昇させる。纏っている魔力(MP)は少しずつ減っていき、0になると強制的に解除される。途中で解除すると、纏っていた魔力が半分だけ還元される。魔力(MP)の量が多いと強化率も高い。
【効果②(LV.☆)】魔力(MP)を凝縮させることができるようになり、凝縮させた箇所は防御力が上昇する。
LV.1:DEF+20
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【名前】武器スキル:《神槍:シクル・デント》 消費MP:1本召喚につき5000消費
【効果①(LV.1)】武器:神槍:シクル・デントを召喚し、操ることができる。
【効果②(LV.☆)】召喚した神槍:シクル・デントの大きさをMP消費量を多くすることで変えることができるようになる。
LV.1:STR+20
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