第109話 海底遺跡
「──俺の目的地は深海だ」
なんですと!?しんかいって深海だよね?...水着じゃあ行けなくない...?
「あぁ、安心しろ。水魔法は覚えてる。」
「じゃあ大丈夫そうですね。」
「え...?」
すずが安心しきっている。なぜそこまで安心出来るのかが分からない。水魔法ってそんなに万能なのかなぁ...?
まぁ私は死んでもそこまでデメリットは無いと思うけどすずが死ぬのは...やだな...。
そう言っているうちに船は出発していた。
───────
───
「ここら辺だな。」
「?何も無さそうですけど...?」
「何度かここに来てるからな。」
「へぇ...。1人で行かなかったんですか?」
「...思ったより海の魔物が強くてな。」
「なるほど...。」
約2時間程で目的地の真上に着いたらしい。ここら辺は魔物が強いそうなので油断はするなと念押しされた。
「じゃあ水魔法かけるぞ。」
「分かりました。」
「あ、はい。お願いします...。」
とりあえずは水魔法を信用しとこう。いざとなったら私何も出来なくなるけど...。
「《ウォーター・レジスタンス》」
「「おおー!!」」
私達の体に薄ーい膜みたいなものが張られる。たぶんこれは水だろう。...って水魔法だから当たり前か。
水の膜に気を取られながらも、インベントリから刀を取り出す。
すると、水の膜が刀を飲み込んだ。こりゃ凄いや。
今日も黒狼王の魔刀だ。霊斬丸は柄と鞘が木製なので念の為使わない。
「よし。行くぞ。」
「「はい!」」
そうして私達は海にダイブした。すずも私が造った八色の豊獄杖を両手に握りしめている。...それほど失くしたくないのかな...?まぁ使った素材がレアだったからだろうけどね。
『2人とも大丈夫そうか?』
『『っ!?聞こえる!?』』
『フレンドチャットだ。便利だろ?』
『そうですね。』
『あぁ!だから昨日フレンドになろうって言ってたんですねぇ。』
『...まぁそれもある。』
『?』
『......2人とも目を開けても大丈夫だからな?』
『......それは分かってるんですけどちょっと怖くて』
『....うん...。』
恐る恐る目を開けてみる。
するとそこに写っていたのは大きな遺跡。それはもう奥が見えなくなるほど大きな...。
──.......
『ヨイチマルさん魔物が来ます。』
『...俺探知魔法(物理)使ってる人初めて見たわ...。』
何故か呆れたような口調で呟きながら魔物が襲ってくる方向に弓を構え...
「────」
──ジャボンッ!!!
何かを口にしながら矢を射った。その何かは水中なので聞き取れなかったが、口の動きから推測すると「エンチャント剛射、エンチャントウォーターレジスタンス」かな?
水中なのに水の抵抗を受けず、凄い勢いで飛んでいった矢は数十mまで近づいていた魚型の魔物の脳天を貫いていた。...魚も凄く早かったんだけどな...。
ヨイチマルさんの腕に感心しながらも遺跡から来た先程と同じ魚達を鑑定する。
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【名前】オサケサン♂LV.71 状態:正常
【弱点】なし
【苦手属性】土、雷
【説明】深さのある海に住む魚型の魔物。共食いばかりをしているが、敵が現れると協力しだす謎の魔物だと言われている。
HP:12450/12450
MP:9320
STR:450
VIT:695
DEF:840
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《鑑定LV.☆→☆1になりました》
どうやらあの魚は雄のようだ。ちなみにメスの名前はメサケサンだった。
この鑑定結果を2人に伝えるとすずが魔法を唱えようとするので慌てて制す。
『あ、危ない...感電死するとこだった....。』
『味方まで巻き込むなよ...?』
『うぅ...ごめんなさい...。』
『遺跡に入ったら活躍してもらうからそこで待ってろ』
『...はい。』
そうして私達2人は刀と弓を構え、サケサン軍団を迎え撃つのだった。
海中で水着姿の美ロリ龍人が刀握ってるっていう...もうこれわかんねぇな。
○今日のスキル○
今日は《ウォーター・レジスタンス》です。
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【名前】《水魔法》:ウォーター・レジスタンス 消費MP:100
【効果①(LV.1)】人や物体を水の膜で覆うことができる。
【効果②(LV.5)】水の膜の強度が《水魔法》のスキルレベルに比例するようになる。
【効果③(LV.☆)】水の膜の大きさを自在に変更することができるようになる。
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