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第102話 天雷




私の周りで浮遊している10の黒い刀を見る。

ただ浮いているだけの刀は先程クルワセバナが放った光線を吸収し、無効化した。なぜ吸収したのかが分からない。あの黒いモヤに何かあるのかなぁ...?



「...今は戦闘中だった...。」



このことは後で考えよう。そう思い、目の前でギチギチと絡まった自分の蔦を解こうとしているクルワセバナに意識を戻す。



「...この刀達はどうやったら動くんだろう...?」



スキルの説明には操ることが出来ると書いてあったけど具体的にどう操るのかは書いていなかった。...どうしよう...?



「とりあえずあの時みたいに...。」



今、思いついた方法としてはただただ動けって念ずること。これはかつて試練の塔にて、頂上から落ちた時、竜の翼で飛ぶ時に用いた方法。これがもっとも有力な候補だと思う。



「.........。」



動け動け動け動け...!!


──ピクッ...



──ビュンッ!!


「っ!危なッ!?」



具体的に動く方向を定めていなかった為、こちらに飛んできた刀を避ける。

こうやって動かすんだなと思いつつも一つだけ気になることが残った。




「.........これを10本か...。」



私に10の意識などない。いや、10本を同じ動きをさせるのならば出来るかもしれないけど、それぞれが違う動きをするように促すのは無理だ。


「そんな時は私にお任セ!」

「あ、アイリス!?」

「剣の操作は私に任せテ!」

「え?でも...」

「いいかラ!!」

「いや、それはいいんだけどどうやるの...?」

「ふっふっふーそこは見てれば分かルよ!」

「?分かった。」



急に目の前に飛び出してきたアイリスを優しく受け止めながら話を聞く。どうやって刀を操作するのかが気になったけど見てれば分かるらしいので見てみることにする。



「じゃあいくヨ!」

「うん。」



──ガクッ...



「ちょっ!?アイリス!?大丈夫!?!?」

「...。」



さっきまで私の手のひらで立っていたアイリスが急にガクッと崩れ落ちるように倒れた。起こしても何も反応がない。その姿は元の人形に戻ったかのようだった。


倒れてから数秒後...



──ヒュヒュンッ!シュパパパパパ!!



急に元気よく動き出す刀達。それぞれが違う動きをしていた。それらは不規則な動きでクルワセバナを斬り裂いていく。



「...お...おお...?」



凄いなぁと思いつつも、アイリスが動かなくなったことに動揺が隠せない。

そこに...



「あやぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!」



───ヂヂヂチヂヂ!!!!!



一瞬でこちらに現れたすずに抱きつかれる。すずの髪色が銀色ベースの黄色のグラデーションになっているのを見て、変身したんだなと思い至った。



「イノシシ達は倒せたの?」

「うん!だからこっからは任せてよ!」

「そっか!今はあの刀達が攻撃して意識がそっちに向いてるから今がチャンスじゃない?」

「そうだね!よし!食らえ[天雷]!!」



すずの背後にあったバチバチなっている電気の玉がひとつ消え、クルワセバナに落ちる。



───ピシャァァァァァァァンッ!!!!


「─────!??!?!!?!」

「まだまだあるよ![天雷][天雷]!!」

「うわぁ...。」



──ドゴォォドゴォォォォォンッ!!!



「─────!?!!?!?!!?!?」

「[天雷][天雷][天雷][天雷]!!!」



───ドゴゴゴゴォォォォォオォォオオォオォンッ!!!!



「──.........!!」

「ふぅぅ...疲れたぁ...。」

「......。」




クルワセバナに哀れみの目を向ける。もう既に真っ黒に染まっていて、ピクリとも動かなくなっていたため、《鑑定》で見てみると案の定HPが0になっていた。




......すず...それはちょっとやり過ぎなのでは...?




心做しか亡きクルワセバナの周りで浮いている刀達も引いているかのように思えた。




涼香先輩やり過ぎっす...。い、いえ、何も言ってませんです。ハイ...。(小声)

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