第99話 フィールドボス:クルワセバナ
真っ黒に染まりきったイノシシが死んでしまった。普通に倒すと死体はそのままなはずなのだが、今回は風でボロボロと崩れていったのだ。それを見て私達2人ともが引き攣った顔をしていたのは仕方ないだろう。
───
あれから数分後、私たちはまたもイノシシに出くわしていた。
「《サンダーストライク》!」
「ブモォオォオォオオオォォォオ!?!!?!?」
「はぁッ!せいッ!!」
「ブモォオォォオ!?!!!??!?」
───ドスゥゥン......
「ちょっと慣れてきたね。これも解体はあとだね。」
「そうね。...ほら。」
「2人とも頑張ってネ!」
──ドドドドドドドドドド!!!
「「......。」」
「ブモオオオオオオ!!!!!」
「「デスよねー...。」」
次から次へと現れるイノシシ。それも私達が向かっている方向からどんどん現れるのだ。さらに、その頻度も進む事に上がっている。
「フシュゥゥゥ....!!」
「...これは絶対何かあるよね...?」
「...まぁ逆にそうじゃなかったらおかしいんだけどね...。」
「そうだね...。」
今まで倒してきたイノシシ達はどれも例外なく操られていた。その操っている何かがこの先にあるはずだ。それが人なのか魔物なのか物なのかは分からないけど狂化されるイノシシを放ってはおけない。たぶんあのイノシシの強さはイレギュラーだからね。
「ブモッ!!ブモオオオオ!!!!!」
「ちょっと急ごっか。」
「...そうね。(...これはちょっとキレてるね...。)」
私は納刀し、そのまま腰を落として柄に右手を軽く当てた。
「ブモォォォォォオ!!!」
───ドスンッドスンッ!ドドドドドドドド!!!
隙だらけだと思ったのか、勢いを付けてこちらに突進してくる。
──スッ.........
「...。」
「ブモ...?」
私ならスキル《闇の刃》の力を借りなくても斬られたことに気づかせないことなど容易だ。ただ、すっごく難しいから普段は使わないけどね...。
でも魔物達を操って自分は楽している何者かがいるって考えたらちょっとムカついてね...。
「ブ...モォ...?」
──ゴロン......
直径1mはありそうな首がゴロンと音を立てながら地面に落ちる。
「はぁぁぁあ...やっぱりあやは凄いなぁ....。」
「...ありがと...。」
「もぉ照れてるあやが可愛すぎて辛い!!」
「ひゃあ!?」
納刀した後いつの間にか私の背後に立っていたすずに後ろから抱きしめられる。
...私としてはそっちのほうが凄いと思うんだけどなぁ...。
──────
───
そうして倒しながら歩き続けること30分。ついにそれらしき場所に到着した。
そこは花畑になっていて、中心にはポッカリと花が生えていないスペースがあった。
「「「「ブモォォォォォオ!!」」」」
「ぅ...やっぱり多いわね...。」
「そうだね...。でもここで合ってる見たいだよ?」
「まぁこんなにいたらそうなんだろうけ──っ!?」
──ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ....
──ドッッッシャァァァァア!!!!!
数十m先にあったポッカリと空いたスペースから突然、大きな花が咲いた。
「これは私またインベントリかナ?」
「そ、そうだね...ごめんね?」
「ううん。まだ戦えないカラ...。でもいつか一緒に戦わせてネ!」
「うん!」
アイリスと約束を交わしてインベントリに仕舞う。それと同時に相手を鑑定する。
「あや!」
「うん。《鑑定》」
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【名前】クルワセバナLV.55 《BOSS》
【弱点】???
【苦手属性】???
【説明】普通の森で育ったクルワセ草が突然変異で成長してしまったことで誕生した花。動物の脳神経を狂わせ、操ることのできる魔法を使い、他の魔物を操っている。
HP:49000/49000
MP:32400
STR:650
VIT:890
DEF:1270
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