表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/798

第98話 暴走するイノシシ


「...ねぇほんとにこっちで合ってるの...?」

「....合ってる!...と言いたい所だけど...。」

「ま、まさかすず...?」

「......迷いました...!」

「嘘でしょ!?地図あるのに!?」

「そ、そういうあやだって一緒に地図見てたじゃん!!」

「うっ!そ、それは...その...。うぅ...。」

「...はぁ責任の押し付け合いしてても埒が明かないから元のルートを探そ?」

「...うん。」

「2人とも凄いネ!」

「それ褒めてないよね?」

「くっ...じゃあアイリスが案内してよ!」

「私地図とか見たことナイからわかんなイ!」

「そりゃそうだ...。」




毎度の如く迷う私達。これはもう運命なのかなって私は思います。



─────

──


そうして元のルートを探すこと10分。



「...んー...。中々見つからないねぇ...。」

「そう──っ!」

「どうしたの?」

「来るよ!アイリス...ちょっとインベントリに入ってて?」

「分かっタ!」

「え?」



────ドドドドドドドドドドドド!!!!!!



どんどん近づいてくる大きな音。それは遂に姿を現した...。巨大なイノシシだ。



「ヒッ!?」

「はぁッ!」



──ズパッ!!...ズドドドドォォォォンッ!!!


「ブモォォォォォオ!?!!?!??」



突如として現れた4mを超える巨大なイノシシの前足を斬り付ける。急に斬られた事により、体勢が崩れ、勢いそのままに地面を擦っていった。

結構深くまで入って、前足で立とうとしているが立つことが難しくなっている。



「ブモォォ!!!」

「すず!」

「うん!《サンダーフィールドストライク》!!」



──バチバチバチ......ドゴォォォォォオオォォオン!!!!


「ブモォォオオォオォオォォオ!?!?!??!?」



「やった?」

「...あや。それはフラグ...。」

「フラグって何...?」


「ブモ......ブッ......モオオオオオオオ!!!!!!!!」



パキパキと音を立てながらイノシシが大きくなっていく。筋肉が膨らんでいるのだろうか?...それにしてはやけに大きいけど...。



「......さっきの2倍ぐらいかなぁ...?」

「......そんなこと言ってる暇があるんなら大丈夫なのかしら...?」


「ブモ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!!!!」



「くっ...!」

「これは...なかなか...。」



声による音波だけで全身が圧迫されるような感覚を感じる。




「フシュゥゥゥ......フシュゥゥゥ.........。」

「...あれ?」

「どうしたの?あや?」

「...なんか両目の焦点が合ってないような気がして...。」

「...ほんとだ!」


「ブモ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!!!!」

「すず!」

「っ!」


──ガッ...!!......ザザザァァァァ!!



「ぐうううッ...!...はぁ...はぁ...。」

「ブモォ......ブモォ...。」



その巨体に似合わないようなスピードですずに体当たりをするイノシシ。すずは何とか踏ん張れたようだ。



「《闇の刃》」



漆黒の刀が黒い、禍々しいオーラを放つ。



「せいッ!...えっ...?」


──スッ.........



私はすずを見据えていたイノシシのお腹を割くように斬り付ける。



「ブモォ...?」



...確かに斬った...はず...。だが、それにしては手応えが無さすぎる。現に斬られた本人...本猪も感じていないみた──



──ズオオオオ......



───い。いやいや...なんか斬った場所から黒いモヤが侵食していってるんだけど...。...まさかこの刀...?ってかスキルが切れてる?1回斬ると終わりなのかな...?



「ブモッ!?ブモオオオオ!?!!!??!?」



急にその場で倒れ、暴れるイノシシ。



「あ、あや...?なんか凄い黒いのが...。」

「わ、私もわかんない...。」

「え?知らないの?」

「...うん。」

「なんか調べる方法とか無いの?」

「うーん...。鑑定してみるか...。《鑑定》」



▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

【名前】イノーブLV.45 状態:人形、狂化、死の宣告

【弱点】膝

【苦手属性】なし

【説明】山岳地帯に住む巨大な魔物。普段は温厚だが、肉食な為、狩りをする時は性格が変わる。


HP:5200/9840

MP:420


STR:630

VIT:480

DEF:525

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼



「えっと...この状態って所だよね...?」

「...そうなんじゃない?鑑定持ってないから分かんないけど...。」

「人形と狂化と死の宣告って書いてあるんだけど...。」

「人形と狂化は聞いた事あるよ。」

「どんな状態なの?」

「人形の方は簡単に言うと操り人形よ。狂化はイベントの時、唯一トーナメント戦に参加した魔族プレイヤーが使ってたヤツね。」

「え?...じゃあこのイノシシは...操られてるの...?」

「...そういうことだね....。もうひとつの死の宣告は聞いたことないから新しい状態異常か呪いのどっちかじゃない?」

「そうなの...かなぁ...?」



この戦いが終わったら確認してみよう...。




「ブモォォォォォォォ──ォッ...!?」

「「っ!?」」


そんなことを考えていたら、いつの間にかイノシシの体が真っ黒に染まっていた。

そして、ちょうど染まりきったその一瞬だけ視界が白黒になった。次の瞬間にはイノシシの断末魔も止まっていて、慎重に近づき、脈を測ると心臓の鼓動も止まっていた。




...死の宣告ってその名の通りなの...?






○今日のスキル○


今日は《闇の刃》です。



■■■■■■■■■■

【名前】武器スキル:《闇の刃》 消費MP:1000

【効果①(LV.1)】闇のオーラを纏い、1度だけ攻撃することができる。斬られた者に『状態異常:死の宣告』を付与するが、攻撃を外すと自らに『状態異常:死の宣告』を付与される。


【効果②(LV.5)】『状態異常:死の宣告』の悪化が早くなる(中)。


【効果③(LV.☆)】二度攻撃することができるようになる。



LV.1:STR+30

■■■■■■■■■■



普通のスキルだと思っていたやつが実は呪われたスキル...。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ