第96話 無燃費自動攻撃人形アイリス
「...じゃあいくヨ?」
「「...うん。」」
刀の前に立ち、こちらをちらりと見るアイリス。
「ほい!」
「「おぉー!!」」
なんとアイリスは刀を持ててしまったのだ。正直に言うと引きずるのが精一杯かと思ってた。
両手で刀を掴んでこちらに満面の笑みを向けてくるアイリス。可愛い。...いや、普通に可愛い人形なんだから可愛いに決まってるか...。
「す、凄いわね...。」
「まだまダ!」
──シュパパパパパパパパパッッ!!
「えいえい!!」
「っ!ちょっ!危ない!」
「はぁッ!」
──キィンッ!......トスッ......
やたらめったらに振り回された刀を右手を掛けてた黒狼王の魔刀で弾き飛ばす。...床に突き刺さっちゃったけど私の部屋だし...いいよね?
「...ァ...。ごメんなさい...。」
「...危ないから次はやらないでね?」
「...はイ...。」
それにしてもあの振る速さは凄まじいものだった。普通にトッププレイヤー達と戦った時の速さと同じぐらいだと思う。...まぁ人形で武器に触ることがないせいで素人でただただ振り回してただけだったけど。
でも、それも教えたら凄いことになりそう...。...私と同じ剣術を習得した小さな人形...。...いや、でも小さいからこそ別の剣術にするべきなのかな...?まぁ教えるのは追々ということで...。
「アヤぁ?」
「...ん?」
「大丈夫?」
「うん。ちょっと考え事してた。」
「そっか。」
「これからどうするノ?」
「......すずは何か案はある?」
「...まる投げですか...。まぁそこも可愛いけど。」
「っ!...今それ言わなくてもよくない?」
「あはは!ごめんね?」
「...。それで?どうするの?」
「...どうしよっか...。」
「あっ!じゃあ私鍛冶の国に行きたい!」
「あぁーそういえば行きたいって言ってたね...。」
「鍛治ノ国?」
「そう。ダルニアって言うんだけど凄く気になるんだよねぇ...。」
「......ちなみに他の国の名前は覚えてる...?」
「.........ウンディー──。」
「はいブー。」
──────
──
「で、次の街はどっち?」
「えーと...南門から出るとファレルって言う街に繋がる道があって...東門はフォルマナっていう街があるよ!」
「...すず。その地図っていつの間に手に入れたの...?」
「え?さっきログインした後、ちょっと出かけて約束してた情報屋の人に貰ったんだよ。」
「その情報屋さん凄いね...。こんな地図がかけるなんて...。」
「ね!まだ他の大陸は分からないらしいんだけどこの地図だけでもこの大陸全部が載ってるから便利なんだよね〜。」
「あ、試練の塔...。」
「んー?フォルマナ大迷宮の近くにあるね?」
「私試練の塔にも寄りたいかな。」
「そっか。じゃあフォルマナに行く?」
「いや。楽しみは後に取っておきたいタイプだから先にファレルに行きたい。」
「分かった。じゃあファレルに行きましょうか!」
「うん!」
ちょっとした広場にあるベンチで地図を広げながら行先を決める。楽しみは後に取っておきたいので先にファレルに行くことになった。...私、ショートケーキのイチゴは最後に食べるんだよね。
行先を決定したらファレルに繋がる道に出る南門に向かう。
「ねぇすず。ファレルってどんな所なの?」
「えっとねー港街だってのは聞いたけど...。」
「お魚食べられるかなぁ...。」
「食べられるんじゃない?」
「ほんと?」
「港街っていうぐらいなんだからないとおかしくない?」
「それもそうだね!」
「すみません!」
「ん?」
「あ、アヤネさんですよね!?」
「はい!」
声を掛けてきたのは男の人だった。凄い大きな声で名前を呼ばれたのでこっちまで大声になってしまった。
「お付き合いを前提に結婚してください!!」
「け、結婚...?」
「はい!あの戦いで僕は貴女に惚れてしまいました!ですの──「《サンダーストライク》」──グベァッ!?」
「すずぅぅぅ!?!?」
言い終わる前にすずが雷を落としてしまった。...な、なんてことを...。
「私のあやに手を出そうなんて!!絶対に許さないから!!《サンダー...」
「も、もういいって!!」
「あ、あや...?」
「わ、私も受けるつもりはないから安心して?」
何が安心かは自分でもよく分からないけどこう言った方がいい気がしたので言ってみた。...まぁこの後HPがゴリゴリ削られたけ──もごもご...(窒息)




