第90話 葉隠ノ雨刀
最近もやったから準備にもたつくことも無く、錬金キットと金床を置く。
準備が完了したので、届いた素材を見る。
・リフストーン×42
・ウォシストーン×39
・ボーンストーン×31
・魔鉄×27
・銅×22
・鉄×24
聞いた事のない物が3つもある。リフストーンとウォシストーン、ボーンストーンね...。ボーンストーンって骨石みたいでヤダな...。ちょっと鑑定してみよ...。
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【名前】リフストーン:品質8
【説明】エルフの国シルディーナ周辺の森かフォルマナ大迷宮でしか採ることの出来ない鉱石。森ではトレントが、迷宮では迷宮自身が魔力を使って葉を鉱石にしているらしい。
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【名前】ウォシストーン:品質8
【説明】強い水棲生物のいる川や海の近くならばどこでも採ることが出来る鉱石。強い水棲生物によって水が鉱石化した物らしい。
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【名前】ボーンストーン:品質8
【説明】迷宮でしか採ることの出来ない鉱石。人や魔物の骨が迷宮によって鉱石化した物でカルシウムたっぷりである。食べることも出来て、食べると一時的に防御力が上昇する(小)。
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「うわぁ...。」
やっぱり骨石だったかぁ...。...少なくとも依頼主の武器などに使うことは無い。まぁ自分の武器に使うとなると...うーん...。なんか呪われそうだよね...。いつか呪いの武器を造る時とかに使えばいっか。
「どれを使うとなると...。聞いてみるか。」
『どれで造ったらいいですか?』
『え?逆にどれでもいいんですか?』
『はい!』
『これじゃ造れないって言われたらどうしようかなと思ってとりあえず6種類送ったけどなんでもいいんでしたらリフストーンかウォシストーンでお願いします!本当はどっちも造って欲しいんですけどこれはわがままですから。』
『分かりました!明日までに渡せると思います。』
『そ、そんなに早いんですか!?』
『まぁゲームですしね。現実では一、二週間は普通にかかりますよ。』
『へぇー凄いんですねぇ...。』
『刀造ってくるのでこれで失礼します。』
『はい!どうかよろしくお願いします!』
『任せてください!』
「よし!造りますかぁ!」
依頼主のノイチさんのオーダーでリフストーンかウォシストーンで造ることになったので2つの鉱石以外を全てインベントリに仕舞い、残した物を熱していく。
両方とも造って欲しいと彼女は言ったが、時間が無い。だが、私には《錬金鍛冶》がある。2つ造る時間がなければひとつに纏めちゃえばいい。
金床の上にリフストーンとウォシストーンを置き、叩いていく。
──カァァアンッ!カァァンッ!!カァァアンッ!!
─カァァァンッ!カァァアンッ!カァァンッ!!!
「ん?...これは1:1じゃダメそう...?」
数回叩いて混ぜてみるとリフストーンの方が強く感じた。なのでリフストーンとウォシストーンの割合を1:2にして調整する。
──カァァンッ!カァァンッ!!!カァァァァンッ!
─カァァアンッ!カァァンッ!!!カァァンッ!!
「......今度は混ざりそうかな...?...よし。」
強さが均等になってきたのでこのままいく。今後もこういう事があると思うから気をつけないとね...。龍神の秘剣・闇もオリハルコンとハテナで造るって書いてあったから恐らく合金にしてから造れって事なんだよね。ひとつしかないから失敗出来ないなぁ...。ちゃんと造る時は調べ物をしてからだね!
ヘルウルフキングの牙がまだ余ってたのでそれを鞘と柄に加工して完成!
《職業:鍛冶師LV.☆→☆1になりました》
《鍛治LV.☆1→☆2になりました》
《錬金鍛治LV.☆→☆1になりました》
《錬金術LV.7→9になりました》
『そういえばなんですけど名前ってどうすればいいですか?』
『リフストーンなら葉隠ノ刀でウォシストーンなら雨ノ刀でお願いします!水遁でも良かったんですけど私雨が好きでして...。』
『分かりました。』
『明日が楽しみです!あ!言い忘れてましたけど余った素材はプレゼントとして受け取っておいてください!』
『え、いいんですか?』
『もちろんです!寧ろ対価としてもまだまだ足りない位だと思ってますので!』
『流石に買いかぶりすぎでは...?』
『だってアヤネさんですもの。』
「ゑ??」
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【名前】葉隠ノ雨刀:品質☆
【説明】リフストーンとウォシストーンを1:2の割合で造った刀。葉の力と水の力を併せ持つ刀は製作者と所有者以外が触ると姿を消してしまう。なお、製作者と所有者は見える。また、ギリギリ助けられた刀でもある。
【武器スキル】《葉隠れの術LV.1》《水遁の術LV.1》
耐久:1125
STR:535
AGI:295
INT:80
【製作者】アヤネ
【所有者】───
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「あれ?こんな欄あったっけ...?」
これもヘルウルフキングの呪いの類いなのだろうか?よく分からないけど。
所有者をノイチさんに決定して、っと...。
『今から送ります。』
『え?もう出来たんですか!?』
『はい!名前は...葉隠ノ雨刀です!』
『ま、まさか!』
『そのまさかです!』
『な、なんだってー!両方混ぜてしまうとは...!!想像以上です!!』
『今送りましたのでご確認ください!お金はいいです!鉱石を沢山貰いましたので。』
『本当ですか!?ありがとうございます!!』
『ではお休みなさい。』
『はい!お休みなさい!本当にありがとうございました!』
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───
あぁー眠いぃ.......
「...ぅ...ん......。」




