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第88話 愛の巣



「すみませーん。」

「いらっしゃいませ。どうぞこちらへ。」

「ありがとうございます。ほらアヤも!」

「う、うん。」



上等な椅子にちょこんと座る。何気にこういうの初めてだから凄く緊張しておりまする...。



「本日は御来店ありがとうございます。ご要件は何でしょうか?」

「家が欲しいんですけど。」

「かしこまりました。少々お待ちください。」



そう言ってお店の裏側に消えていった。



「...け、結構ちゃんとしてるんだね...。」

「そうだねぇ。私もビックリしたよ。」

「...その割には普通に見えるけど...?」

「...まぁそこは慣れてるからね。」

「慣れてるの!?」

「...まぁ...。将来の為に...ね?」

「ほぇー...。すごいねぇ...。」

「彩音は心配しなくてもいいよ?」

「なんで?」

「その内分かるよ。」

「?」


「お待たせしました。こちらが王都ガンヴァーナの空いている土地、または賃貸住宅です。」

「ほー...。」



見せられたのは家の写真が貼ってある沢山の紙。現実でもこんな感じ何じゃないかな...?詳しく見たことないけど。



「二人暮しでも十分生活出来る程度の広さを持つ家はありますか?」

「...それでしたらこちらと......」



二人暮し...?すずは一人暮らしなのにそんなに広い家で生活したいんだ...?



「...どうですか?こちらの家をご覧になられますか?」

「出来ればしたいです。」

「かしこまりました。では今からお時間大丈夫ですか?」

「はい。」

「では行きましょうか。」

「はい。」



すずが席を立ったので私も慌てて席を立つ。...関係ないからってボーッとしてたなんて言えない...。


「家見てる時もボーッとしないでね?」

「!?」

「気づいてないとでも思ってた?」

「...ぅ...。」

「別に怒ってはないけどね。」

「...はい。」

「でも不動産の人に迷惑掛けちゃうでしょ?」

「...はい。」

「だからそういうことはダメだからね?」

「...はい。」

「分かった?」

「...はい。」

「結婚しよっか!」

「...はi..ええ!?」

「ふっふっふ!言質は取ったからね!」

「うぐっ...。...考えさせて...?」

「まじか(真顔)。」


「...。(この雰囲気どうすればいいんですかねぇ...。)」



先導する不動産の人はなるべく邪魔しないように息を潜めて歩いていたのであった。


──────

───


「──こちらになります。」

「「おぉー!」」



私達の前に大きい赤い屋根の一軒家が現れる。え、これ普通に4人家族でも生活出来る大きさなんだけど...?



「いかがでしょうか?」

「いいですね!ここにします!」

「ちなみにお値段は...35000000Gになります。」

「高っ!?」

「分かりました。」

「えぇ!?」



高過ぎて話についていけない...。すず...一体いつそんなお金を稼いできたのだろうか...。


「権利証をお渡ししますので着いてきてください。」

「分かりました。」



「ね、ねぇすず?」

「なぁに?」

「そのお金どうしたの...?」

「ん?あぁこれは私の写真集で稼いだお金だよ。」

「え?そんなことしてたの?」

「うん。前に頼まれてねぇ。暇だったしやったの。で、どうせやるんだったら対価は貰わないと、ね?」

「なるほどぉ...。凄いねぇ。」

「うん??」



さすがはすずだ。こうしてお金を稼いでいくんだねぇ...。私は物作りぐらいしか出来ないからすずのことを尊敬してる。




「アヤもここに住むんだからね?」

「ふぇ?わ、私もここに住むの...?」

「当たり前じゃない!何のために買ったと思ったの??」

「え?一人暮らしするためじゃないの?」

「違いますー!!アヤとイチャコラする為に買ったんですーー!!!」

「わ、私と...イチャ...コラ...?」

「は!今のなし!」



「(...だからどうしろって言うんですか...。この空気が甘すぎる...。)」



渡して書類書いてもらったらさっさと帰ってもらおうとそう思った不動産の人だった。






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