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第87話 王都ガンヴァーナ



「到着に2時間...!」

「...流石にやり過ぎたわね...。」

「でもすずと一緒にいれたから楽しかったよ?」

「はぅっ!!何この可愛い生物!」



今までで1番時間がかかったんじゃないかな?

サーディンを出てから約2時間。ようやく私達は王都ガンヴァーナについた。時間がかかった主な原因は新しい武器を試したかったという単純な理由。

でも、そのお陰で新しい武器の扱いはだいぶ慣れてきた。

道中は特に何も無く、襲ってきた魔物も2つの首を持つ角兎や鋭く長い爪を持つリスぐらいだった。道中何も無いのが普通で前にあったぴーけー?に遭遇する事が異常なんだよきっと。



王都に入る前に検問が行われた。


「この珠に手を置いてください。」

「あ、はい。」

「......大丈夫ですね。ようこそ王都ガンヴァーナへ。ぜひお楽しみください。」

「ありがとうございます。」



あの珠に触ると何かがあるのだろうか...?うーん...考えてもよく分かんな───


「─捕らえろ!!」

「チッ!!捕まるかよバーカ!!」



王都に入った私達の後ろから叫び声が急に聞こえてくる。そして、その騒音はどんどん近づいてくる。



「どけどけぇぇぇ!!!」

「──せいっ!」


──ドスッ!!


「ぐぁぁあ!!!」



刀の刃が無い方で、男が追い抜いた瞬間に首に打ち付けた。男はそのまま気絶状態になってそのまま沢山の警察官みたいな人達に連行されていった。


「さっきのお方!ご協力感謝します!では!」


さっきの珠の人が敬礼みたいなことをして、去っていった。

ちなみにこの世界で捕まると絶対に出れない檻のなかに現実時間で丸三日入れられるそうだ。つまり三日間何も出来ないということだ。三日間何も出来なくなるという重い罰だが、そういうことをしなければ縁のないことである。



「...何だったんだろうね...。」

「...さぁ?」

「...まぁあの人がどうなろうとどうでもいいよね。さ!行こ!」

「うん!」

「あ!あのお城がこの国の王が住む場所なんだよー!」

「大っきいねぇ...。」




綺麗な街並みを眺めながら進んでいく。だけど、大きな街ほどスラムもあって、見ていて痛々しいなと思う。私には出来ることが何もないし、した所でその場限りでしかない。ゲームなのにここまでリアルにするんだなって改めて実感した。



「...ねぇすず。この街って宝石店が多いけどなんで?」

「さっき話したガンヴァントとダルニアの貿易が盛んなのが原因かな。」

「あ、そっか。ダルニアで採れた珍しい金属とか宝石がこっちに流れてくるんだ。」

「そう。こっちでは全然採れないから人気なんだよねぇ...。」

「なるほどぉ...。うっ...なんか寒気がする...。」

「大丈夫?」

「なんだろうね...?」



──ガラガラガラ......



「ん?馬車?」

「あ、あれ貴族の馬車だよ。」

「貴族なんているんだ...。」

「王がいるんだから貴族もいるよ...って今までの街の豪邸も貴族の家だしねぇ。」

「あぁ!街のど真ん中にあったあのでっかいお屋敷か!」

「あぁ!じゃないよ!今までなんだと思ってたの?」

「すずみたいなお金持ちが建てたのかと...。」

「何それ皮肉ー??」

「違うよー!」

「「あははは!」」



周りの暖かい目を感じながら歩く。行先は不動産屋だ。え?何故かって?それはすずが家を買いたいと言ったからだ。すずは出来れば全部の街に家を買いたいと言っていたが、さすがに無理との事なので全ての国の王都で買うことにしたのだ。


「もうすぐ着くよ!」

「そうなの?」

「うん!あの家のマークが付いてるお店がそうだよー!」

「へぇー。どんな家を買うの?ってか家買っていい事あるの?」

「あるよー!!」

「例えば...?」

「え、えーと.........あ、あーんなことやこーんなことが出来ちゃうんだよ!」

「あんなことやこんなこと?」

「あ、あの...あれだよ!普通に生活したい人とか、さ!」

「ふーん...?」

「あ、あと!お店開いたりも出来ちゃうんだよ!!」

「っ!それはいいかも!私もこの世界で鍛冶屋さんやりたいからねぇ...。」

「そ、そうだよね!!」

「じゃあ行こっか!」

「...うん!............ふぅ...。」

「?」



何故かホッとしたような顔をするすずと手を繋いで歩く。




お家かー。私も欲しいな!...買うとしたら鍛冶の国ダルニアだろうか...?




涼香さんはエロいことしか思いつかn─痛てぇ!?((殴


いや、あのですねぇ涼香さん...?その拳を下ろしてもらってもよろs───


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