一茜の歌集(にのまえあかねのうたノート) 若紫
雪降れど
散らぬ紅葉も
ある今日に
たれゆえかくも
寒くやあらなむ
《真面目な現代語訳》
雪が降っているけれどまだ散っていない紅葉もある(初冬の)今日のような日なのに、誰のせいでこんなにも寒いのだろうか。
《脚色した口語訳》
雪が降ってはいるけれどまだ散ってない紅葉もある。だからきっと、まだそんな時期ではないんだと思う。でもどうしてだろう。あなたがいないと寒く感じるんだ。
《つぶやき》
「冬のあしあと」企画に参加させていただこうと思って詠みました。企画名がお洒落なのが動機(笑)
と言っても和歌は自分なりに頑張ってます。
さて、ちょっとした題詠(お題に沿った和歌を詠む)の気持ちで取り掛かったのですが、今回のポイントは"あしあと"です。
まだ秋が残っていながらも冬の到来を感じる。
自分の中にある相手のあしあと(存在感)。
そんな発想から詠んでみた、今回の歌です。
和歌らしさという点で見ると今回は「たれゆえかくも」がこだわりです。
最初は、「あなたがいないから寒く感じる」という内容にしていました。しかし、ちょっと直接的すぎるため、「どうして寒く感じるのだろう」と改変します。ただ、それではそこにはいない人の存在が感じられないため、「誰のせいで」としてこの和歌を受け取った相手が「自分のせいなのか」と思うようにしてみました。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
お久しぶりです。三ヶ月空いての投稿ですね(苦笑)
三ヶ月かけておきながらも、3分もかからなく読めなくはない文量です。その3分にも満たない時間で得た感動が長く残ってもらえたら嬉しい次第です。