表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

おうごんのくに エルドラド

作者: たかはら りょう
掲載日:2019/09/21

むかしむかし あるむらに

パルというなの イスづくりの しょくにんがいました。

もりの木をきって、その木をまた、ちいさくきって、

イスづくりの ざいりょうにします。

きのぶひんをくみたてて、イスのかたちができると、

つぎに、かみやすりで きれいにみがいて、

ニスをぬって つやをだし、できあがりです。


パルは、このむらにある こうえんのベンチや がっこうのイス、

レストランのイス、そんちょうがすわるイスまで、

あらゆるイスを つくっていました。

そして、そのイスは とてもすわりごごちがよくて

むらのみんなに よろこばれていました。


あるひ、パルは、できあがったばかりのイスをもって、

きょうかいへ いきました。

ぼくしさんが ちゅうもんしたイスでした。

きょうかいのまえには、こどもたちがいて、

うたをうたっていました。


エルドラド エルドラド

おうごんのくに エルドラド

すべてが きんでできた ゆめのくに

ゆうしゃだけが みえる まぼろしのくに

きんのめがねをかけて

きんのドレスをきて

いってみたいな エルドラド

だれもが ゆめみる エルドラド

おうごんのくに エルドラド


パルがこどものときから、このむらで、うたいつがれているうたでした。

パルは、なつかしくなって、こどもたちといっしょになって うたいました。


いってみたいな エルドラド

しあわせのくに エルドラド

おうごんのくに エルドラド



そのひのよる、パルはふしぎなゆめをみました。

もりのひろばのまんなかで、きんいろのふくをきた ろうじんが、たっていました。

「あすのまよなかに、ここへくるがよい。おまえに いいものを さずけよう」


パルは、はんぶん しんじられませんでしたが、

まんがいちのことも あるかもしれないと、

つぎのひのよる、もりへと でかけていきました。

もりのひろばの まんなかへいくと

そこには、ゆめでみたのとおなじ きんのふくをきた ろうじんがいました。

「パルよ、よくきたな」

ろうじんは、つづけていいました。

「このきんのめがねを おまえにさずけよう」

ろうじんは、きんのめがねを さしだしました。

「なぜ、わたしに くださるのですか」

パルは たずねました。

「わがくにで、イスをつくってもらいたいのだ。さあ、めがねをかけてごらん」

パルは、いわれたとおりに、きんのめがねを かけました。

すると、あたりがひるまのように あかるくなり、

めのまえには、りっぱな、きんのおしろが あらわれました。

おどろいたパルのよこで、ろうじんがいいました。

「エルドラドへようこそ」


ろうじんは、エルドラドのおうさまだったのです。

「もうめがねは、はずしていいぞ。ただし、なくさないように」

パルは、めがねをはずして、ポケットのなかへ だいじにしまいました。

おうさまに あんないされて、パルは おしろのなかへ はいっていきました。

おしろのなかは、すべて きんいろでした。

かべも ゆかも てんじょうも、

おかれた ちょうどひんも、

すべてが きんいろに ピカピカと かがやいているのです。

そして、さいじょうかいの おうのまへ やってきました。

まんなかには、きんのイスが おかれていました。

「これが、わたしのイスだが、すわりごこちがわるくてな。

ぜひ、かわりのイスをつくってほしいのだ」

「わかりました、おうさま。でもわたしは、木でイスをつくります。

すべてきんいろの、このおしろに にあうでしょうか」

「かまわんよ。つくってくれるかね」

「もちろんです」

「ただし、イスができるまでは、このくにからでることはできない」

「ざいりょうの木や、こうぐはありますか」

「わたしが、すべてよういしよう」


パルは、そのひから、エルドラドのおしろのへやで

イスをつくりはじめました。

おうさまのイスをつくるのは、はじめてです。

パルは、いつもより はりきって とりかかりました。


そして、いっかげつもたったころ、

とうとうおうさまのイスが できあがりました。

それは、木のとくちょうをいかした、こまかいさいくがついた とてもきれいなイスでした。

おうさまは、とてもよろこびました。

「なんてうつくしいイスだろう。すわりごこちもさいこうだ」


パルは、おれいにと、きんのふく、きんのぼうし、きんのくつをもらいました。

おうさまはいいました。

「もっとイスをつくってほしい。ざいりょうは、たくさんよういしよう」

パルは、おうさまのために、たくさんのイスをつくりました。

できあがったイスは、おしろのなかだけでなく、

まちのなかにも おかれました。

エルドラドのひとたちも、パルのつくったイスを きにいったようでした。

パルは、おうさまから、イスがひとつできあがるたびに、きんのおれいのしなをうけとりました。

やがて、りっぱなきんのいえにすむようになり、

パルのまわりは、きんいろのもので いっぱいになりました。


エルドラドの きんいろのまちのなかに、

木のイスが すこしずつ ふえていきました。

それをみて、ふゆかいに おもっているものがいました。

エルドラドの山にすむリュウです。

リュウは、このくにの まもりがみでした。

「このくにに、きんでないものを ふやしてはならない」

リュウのいかりは、ひにひに おおきくなりました。

そして、とうとうあるひ、リュウは、やまをとびたつと、エルドラドのまちへ おりたちました。

そして、まちのなかにある 木のイスにむかって、

ほのおをはき、やきはらっていきます。

ひとびとはみな、きんのいえに ひなんして ぶじでした。

まちじゅうのイスをやいたあと、

リュウは、おうさまのおしろのなかへと やってきました。

そして、リュウは、おうさまのイスをみつけると、

おうさまごと やいてしまいました。


リュウの つぎのひょうてきは、パルにきまっています。

パルは、にげようとおもいました。

しかし、どこへにげたらいいのでしょう。

「このくにから でるしかない」

パルは、おしろのまえへ はしっていきました。

このくにへきたときは、ここで きんのめがねをかけていたはず。

パルは、きんのめがねをとりだして、かけてみました。

しかし、なんにもかわりません。

そのとき、リュウが パルのめのまえに おりたちました。

「もうにげられないぞ」

リュウが、ぶきみにわらい、パルにむかって くちをおおきくあけました。


パルは、おそろしくなって、にげだしました。

しかし、ぜんりょくで はしっても、すぐにリュウに おいつかれてしまいます。

やがて、パルのあしがもつれて、ころびそうになったとき、

かけていためがねが、じめんにおちて、パルはおちためがねを、ふみつけてしまいました。


パリーン!

きんのめがねが われたしゅんかん、

あたりが いってんして

パルは、くらいもりのなかにいました。


きんいろのおしろも、ほのおをはくリュウも きえていました。

パルのめのまえには、むかし、ろうじんから きんのめがねをわたされたときと

おなじけしきが、ひろがっていました。

でもそこに、ろうじんのすがたは、ありませんでした。


おしまい

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] これぞ童話と言う感じですね。 小さい子でも読めるようにひらがなで書かれたいらっしゃる。 それがまた、童話の雰囲気を強くします。 色々な解釈のできる作品ですね。 私はそういうの大好きです。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ