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闇の顔

俺は魔力索敵をしてエルミナ王女の魔力の場所を探し当てその場所を目指して向かう。

 向かってみるとどこかの裏庭に出てきた。


 こんなところになんで王女様がいるのか気になってのぞいてみると数人の少女が王女を暴行している姿を確認した。王女を暴行しているのはうちのクラスメイトだった。


 「う……く……」


 「なんで私たちをこんな世界に召喚なんかしたのよ!」


 「うちに返してよ!」


 「おい、てめえら何してる」


 流石に見て見ぬ振りをしていられず声を掛ける。

 振り向いて俺を見たクラスメイトは驚いた表情をする。


 「何しにきたのよ。剣の勇者様」


 「そこの王女様に用があってな……その前に王女様を暴行している理由を聞こうか」


 「はん、暴行なんてとんでもない。ただ王女様に訓練に付き合ってもらっただけ……ひっ!」


 もういい。その言い訳は十分だ。


 俺はクラスメイト……いやクズには殺気で気絶してもらおう。


 「少し気絶してもらおう…このクズ」


 俺はクズどもに二割程度の殺気を当てて気絶させて王女様を起こす。


 「大丈夫か?」


 「ありがとうございます……」


 みると王女様はあちこちを怪我していて傷だらけだ。


 「ちょっと待って、ケガ治すから…エンチャント、『自然治癒』」


 俺が王女様に付与魔法を付与すると彼女の体から緑の光が溢れ出してその傷を治療する。

 エンチャント「自然治癒」は付与されたものが持っている魔力を消費して傷を自然回復する魔法だ。


 王女様は自分の怪我が治って行くのを見て驚いている。


 「なんで傷が治って……」


 「俺の付与魔法だよ。一応応急措置だからあとでちゃんと手当てすることな」


 「ありがとうございます……」


 とりあえず沈んだままの王女様をこの場所から移動させて座らせて事情を聞くことにする。


 「それで、なんであんなことになってんだ?」


 「……なんで、でしょうね。つい数日前からこんな風に暴力を振られています。原因はわかりません」


 王女様は目尻に涙を浮かべながら塞ぎ込む。

 多分原因は単純なストレスだろう。


 「家に帰れない」、「家族に会えない」、「かってに連れてこられた」


 そういうことにストレスを感じたクラスメイトが身近の人でてこうしないであろう王女様に向いたのだろう。

 でもあいつら、王女様に何かあったらただじゃ済まなそうなのに良くやったな。


 「まあ、多分王女様は何も悪くはないと思う。こっちであの女子はしめておくから心配しないで」


 「そう、ですか……」


 「?まだ何か心配事でも」


 声色で何かまだアリそうなので聞くと王女様は顔を上げて涙目になっているその瞳を俺に向けながらじっとみてくる。


 「あの…イスミ様、この世界にまた召喚してしまって怒ってませんか?」


 「は?」


 「暴力を振るってくる方々はみんな召喚してしまったことを怒っている感じがしたので」


 何言ってんのこの娘は。


 「怒ってないよ。むしろ俺は感謝してる」


 「え?」


 「確かにこの世界では悲しいこともたくさんあったけど、それがあるから今の自分があるんだよ。それに彼女との約束もあるしね」


 「約束ですか?」


 「『あなたと世界を自由に冒険したい』、これが死んだ俺の恋人…アルメリアとの約束なんだ。あっ、アルメリアは話に出てくる覡の役割を持った魔王な」


 「でもアルメリアさんは死んだんですよね」



 彼女の言葉に少し詰まるが俺はクロスを引き抜いた時のことを思い出して話を続ける。



 「死んだよ、彼女は戦いの途中で死んだ。でも俺の中でアルメリアは生きてるし、ちゃんと心の中にいる。彼女は俺の中で俺と一緒にこの世界を見てるんだ。だから俺は約束を守る、俺が…俺たちで救ったこの世界を自由に冒険するんだ」


 「……」


 俺の言葉を聞いた王女様は少し眩しそうに俺を見た後、ぽしょりと呟いた。


 「羨ましい……私にはそんな眩しいくらいの意思ないですから羨ましいです」


 「そんなの、自分で見つけるものだよ。どうしたいのかは自分で決めなくちゃ」


 「そうなのですか?」


 「確かにきっかけは他人にもらうこともいいよ。でも『何がしたいか』を決めるのは自分なんだよ、『自分が何をして何をしたいのか』を決めるのはね」


 俺は思わず王女様の頭を撫でる。

 彼女の姿が五百年前、最初の召喚の時に俺の仲間として戦ってくれた小動物のような魔法使いに重なってしまってついやってしまった。


 「う……ふふ。なんかイスミ様はお兄ちゃんみたいですね」


 「お兄ちゃんねえ……まあ確かに妹がいたけど、俺の妹は王女様みたいに可愛くなかったなあ……」


 「うふふ、そうですか」


 俺の話を聞いてようやく笑った王女様に安心する。

 俺は王女様と少し話をした後自分お部屋に帰らせ、気絶したままのクラスメイトを叩き起こす。


 「おい、起きろクズ」


 「っ……何よ?まだなんかあるの?」


 起こしたクラスメイトは俺に少しおびえながらも目を細めて文句をうってくる。


 「なに、ただ少しだけこれから地獄を見てもらうだけだよ……『監獄』」


 俺がそう唱えると黒い球体が突然現れ、黒い光を発しながら俺とクラスメイトたちを包み込んだ。



 視界が良好になるとそこには『地獄』があった。


 死体の山、血の湖、、灼熱の大地、マグマが溢れ出す巨大な火山がありその空には全くの光がない。


 「なに……ここ」


 「ここどこよ!何でこんなところにいるのよ!」


 クラスメイトたちが地獄の様子を見て驚きの表情をする。

 ここは俺の魔法、「監獄」で作り出した俺の拷問場所だ。


 俺には付与魔法と強化魔法、個人魔法の複製模倣しか使えない。


 だが複製模倣で複製した人の魔法は模倣することができるのだ。


 この「監獄」は五百年前の戦争で戦った一人の武将から譲り受けた「固有結界」の一つ、敵の捕虜をこの固有結界の中で拷問にかけて情報を聞き出すことをしていたらしい。


 「ここは俺が魔法で作り出した拷問部屋だ。ここで君たちには精神を壊すことにする」


 「はあ!?なにふざけたことを言わないでよ!はやくここからだしなさい!」


 「単純なストレスで身近な抵抗しない人間に暴行する人間のクズをここで矯正するんだよ」


 俺は文句を言ってくるクラスメイトを無視して無言で指を鳴らす。

 すると地面から紅の鎖が現れてクラスメイトたちを拘束する。


 「ここでは身体的には何の怪我もしないけど精神的に攻撃してくるから、死にたくなる拷問を死ねない状態で頑張ってね」


 「えっちょ……」


 俺は何か言われる前にもう一度、指を鳴らすと地面が一気に液状化してクラスメイト沈んでいく。


 「じゃあ、ここで一週間拷問受けてね。現実では十分くらいだから」


 そう言って俺は監獄からクラスメイトの静止を聞かずに出て行った。


 いくらストレスがあっても人に当たってはダメだ。

 そういう奴には調きょ……心を入れ替えてもらわないと。






 いじめは許さないぞ⭐︎

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