十一日目 いっしょにごはん
気付いたら、前回の投稿から二週間以上経ってましたorz 本当に申し訳ない。
でも、私も色々と忙しかったんですよ? ゲームしたり昼寝したり雑誌読んだり……あれ?
二階、フードコート。
休日のお昼時だからか、そこは大勢の声で賑わっていた。これでは空いている席を探すのも一苦労だ。それでもなんとか二人分を確保すると、僕と芒はカウンターの方へ向かった。
僕の説明を受けた芒はぎこちないながらも無事に注文を済ませ、番号札を受け取って席へ戻ってくる。
「やりました! ちゃんと注文できましたよ!」
「うん、偉いえらい。でもちゃんと受け取るまでは気を抜いちゃいけないよ。本番はここからなんだからね」
「はい!」
狐耳をパタパタさせて興奮する芒を撫でてやると、彼女はうっとりと目を細めた。柔らかい毛並みが掌に心地良い。
そうこうしているうちに、僕たちの番号が呼ばれた。二人並んでカウンターに料理を取りに行く。僕の前にはこんもりと盛られたチャーハンが、芒の前には鮮やかなオムライスが鎮座した。
「「いただきます」」
芒は恐る恐るといった様子でスプーンを卵に差し込む。そして掬い上げたそれをまじまじと見つめた後、ぱくっと口に押し込んだ。すると次の瞬間――
「! おいひぃです! 卵ふわふわです!」
「あはは、気に入ったようで何より。オムライスは逃げないから、もう少しゆっくり食べてもいいんだよ?」
「ふぁい! あ、秋斗さんも一口どうですか?」
「へ?」
ずいっ、と目の前にオムライスの入ったスプーンが差し出される。当然だが、それは先程から芒が使用しているものだ。僕はスプーンと芒の顔を交互に見る。彼女にはただ美味しいものを共有したいという純粋な気持ちだけがあるのだろう。そして、僕にはその素直さを裏切ることなど出来るはずもなく――
「……じっ、じゃあ、いただきます」
身を乗り出してスプーンを咥え込む。にこやかな芒に見つめられながら、もぐもぐ咀嚼し、飲みこむ。
「う、うん、美味しいね」
「ふふ、良かったです」
味を堪能する余裕なぞなかったが、何とか平静を装って言った。この心音が狐耳に届いていないことを祈るばかりだ。とりあえず水でも飲んで冷静さを取り戻そう――そう思った矢先。
「それじゃあ、次は秋斗さんのも一口下さい!」
「――ッ⁉」
どうやら、芒は僕の心臓を過労死させるつもりらしい。いやあ、時に無邪気さほど恐ろしいものは無いね。僕はまた一つ賢くなったよ。
とはいえ、もうオムライスを食べてしまった以上、僕の炒飯もあげないわけにはいかない。
「は、はい、あーん」
遠慮がちにスプーンを差し出す。緊張のためか手が震えていた。
「むー、もっと近くに来てくださいよ。届かないです」
「あ、ああ、ごめん」
言われるがまま腕を伸ばし、スプーンをその小さな唇にそっと触れさせる。
「はむっ……んー、こっちも美味しいですね!」
芒は躊躇なくそれに喰らいつくと、幸せそうに破顔した。しかし、僕はその顔を直視できない。
自分の手元を見る。芒の口に入ったスプーンがある。芒の手元を見る。僕が口に入れたスプーンを、何の躊躇いもなく自分の口に運んでいる。
「? 秋斗さん? 食べないんですか?」
「あ、あぁいや、ちょっと考え事をね」
ええいままよ。僕は意を決して炒飯にスプーンを突っ込み、勢いよく掻き込んだ。味わっている余裕なんて、勿論なかった。
そろそろ街角の木々も色づき始めましたね。もう少ししたら紅葉を見に山にでも入ろうかな…
みなさんもどうです? 山はいいですよー




