第5話:港町メープルと魔導士の卵②
港町メープルのシュヴァルツ家で泊まることになったイブとヒトハは・・・?ちなみにハヤテはイブより、一つ年下です。
シュヴァルツ家。イブとヒトハはこの屋敷に泊まることになった。ただし、イブとヒトハ、ハヤテとは別々の部屋で。
「何か俺の部屋で変なことをしたら、ぶっ殺すからな!!」
「えっ!?そんなこと分かってるわよ、べーだ!!」
ハヤテはバタンとドアを強く閉めた。ヒトハはイブにこんなことを聞いた。
「ねぇ、こんな凶暴で大丈夫?」
「大丈夫よ。それに・・・」
「あの子には何か世界一の魔導士になれる顔をしてたからね。」
次の日。シュヴァルツ家の庭園ではイブはハヤテが魔法の練習をしていたのを見た。
「今日も練習?なかなかやるじゃない」
「お前か。もうすぐ、ここの魔導フェスティバルがあるからな。」
「魔導フェスティバル?」
イブも魔導フェスティバルのことを知っていた。魔導フェスティバルはステージで出てきたモンスターと戦って勝つといういわゆる、ショー形式のフェスティバルだ。
「じゃあ、その日のために頑張ってるんだね。えらいねぇ。・・・あなたの母を奪ったのもそのフェスティバルだった?」
「!・・・ああ。3年前のあの日・・・」
3年前・・・
『サンダー!!』
『もぎゅっ!!』
『おー!!』
(母上、すごいなぁ・・・僕だって大きくなれば、きっと・・・)
『ブギャアー!!』
『きゃあっ!!!』
モンスターBの特攻でハヤテの母は頭を強打して倒れた。その時にはもう・・・
彼女の息はなかった。
『!!母上ーーーーーーーーーーーーー!!!!』
「・・・!!」
「あの事故のせいで母上が馬鹿にされたから、もう耐えられないんだ。俺は絶対に魔導士になって、フェスティバルで母上は悪くないことを証明してやるんだ!!・・・って、あんたには関係ないか・・・」
「関係あるわ!!」
イブは涙目になりながら、ハヤテの手を握る。そして、こう言った。
「あなたはいつか世界一の魔導士になれる見込みがある!!だから、フェスティバルまで一緒に練習しましょう!!私は少しの魔導なら使えるわ!だから、あなたの・・・ハヤテの亡くなった母上のために皆に証明しましょう!!」
「お前・・・俺は奇術師なんてただの詐欺師かと思ったけど・・・」
「ああ・・・そう言われるわね・・・」
「何かお前は違うな。こんなお人好しな奇術師、初めて見たよ」
(ハヤテ・・・)
ハヤテの優しい笑顔にイブは笑顔で応え、立ち上がった。
「よーし!じゃあ、魔導の練習をするよー!!」
「おう!!」
これを見たヒトハは・・・
「・・・ケンカもするけど、気が合っちゃったね。もしかしたら、ケンカする程仲がいいって奴?」
呆れながら物を言っていた。
そして、一週間が過ぎると、いよいよ魔導フェスティバルの日だ。
いよいよ、魔導フェスティバル。そこでイブの手品とハヤテの魔法が・・・!?お楽しみに!