第3話:ギャトーの町と“紫陽花の妖精”③
イブが思いついた命がけのマジックとは・・・!?
そして、リリーの誕生日。この日はウェルテル家の庭園でやることになった。ウェルテル家の庭園は広大で広いため、町民の皆も集めてやることになった。
「皆、来てくれて良かったわねぇ、リリーちゃん」
「・・・ふん!私は嬉しくないわ!」
リリーの言葉にキミドリはちょっと寂しそうな顔をしていた。すると、ここで今回のパーティーのパフォーマーであるイブが登場した。
「はいはーい!「七つの奇術師」のイブの登場だよー!」
「わー!!」
「今日は人体切断マジックをやるわよ!実験台は・・・リリーちゃん!」
「!?」
「えっ!?リリーちゃんに何をするつもりなの!?」
「!」
イブはキミドリの必死な顔を見てあることを思った。イブはニヤリと笑い、リリーの小さな手を引く。
「大丈夫ですよ?悪いようにはしませんから☆さぁ、リリーちゃん、この箱の中に入って」
「う、うん・・・」
リリーは箱の中に入る。イブは小道具用の剣を持った。
「(大丈夫。キミドリ様はリリーちゃんのこと、ちゃんと好きだ)それでは行きますよー!!」
「やめてーーーーーーー!!!」
「イブ・マジック!」
ザシュ
イブはリリーの胴体を切った。イブは切られた箱をていねいに直していく。すると、箱が開いたーーー・・・。
リリーの身体は何ともなかった。
「おー!!」
人体切断マジックの大成功に一同は大拍手をした。何ともなかったリリーをキミドリが泣きながら抱きしめる。
「良かった、リリーちゃん~~っ。何にもなくて~~~~!」
「・・・あの、お母様」
「?なーに?」
「今までケンカをふっかけてごめんなさい・・・!それに私を必要としてくれて、ありがとう・・・!私だって、お母様と仲良くしたい・・・!」
「リリーちゃん・・・」
泣いているリリーの頭をキミドリが優しく撫でる。これを見たイブは安堵と同時にキミドリにあることを聞く。
「(良かったね、リリーちゃん)あの、キミドリ様。ピンクのマジックハットはありませんか?」
「ピンクのマジックハット?」
キミドリは一瞬考え込んだが、あることをイブに言った。
「持ってはいないけど・・・港町メープルの貴族、「シュヴァルツ家」の屋敷にあるって聞いたわ」
「ありがとうございます!私、このパフォーマンスを終えたら、ここを出発するつもりです。」
「えっ・・・」
「ではお元気で。キミドリ様、リリーちゃん・・・」
一礼をしたイブとヒトハが去ろうとした瞬間、リリーはイブを引き止めた。
「・・・あの、イブお姉ちゃん!」
「?」
「ありがとう・・・!お母様と私を分かり合えさせてくれてありがとう!!」
イブは振り向かなかったが、手を振った。リリーはその姿に涙しながらも、優しい笑顔だった・・・。
「ほら、次は港町メープルに行くんでしょ?そこでピンクのマジックハットを手に入れるんでしょ?」
「分かってるよ。私が旅する理由の一つだもん。」
イブはヒトハと一緒に馬車に乗りながら、こんなことを言った。
「絶対に取り戻してみせる。「七つの奇術師」の家宝の帽子、「レインマジックハット」をね」
次回はイブが港町メープルである出会いが。そして・・・!?お楽しみに!