第2話:ギャトーの町と“紫陽花の妖精”②
昨日、他サイトで二次小説を投稿した桜です。麻婆豆腐が食べたい。
「ふ~vやっぱり、宿に泊まるのはいいなぁv」
翌日。イブとヒトハは泊まっている宿から外出することになった。せっかく、晴れているのに出かけないのはもったいない。イブは食べ歩きをしながら、お店の人達に顔を出す。
「おっ、あんたが「7つの奇術師」のイブだな?今度のお嬢様の誕生日パーティーのパフォーマーとして出るんだって?」
「はい、私達はお嬢様の好きな手品をやることになったんです。」
「そうか。しかし、あのお嬢様のことだから、心配だな・・・」
「えっ、どういうことですか?」
イブは商人に何があったのかを問う。商人はこう答えた。
「あのお嬢様はワガママし放題何だよ・・・。おまけに気も強いから、キミドリ様も困ってな。」
「ふーん・・・」
イブは金を払い、その場を後にした。ヒトハはイブに心配そうに声をかける。
「イブ、大丈夫?本当にあのお嬢様を喜ばせるの?手品で」
「大丈夫よ。あのワガママお嬢様も私の手品で掛かればイチコロよ!」
イブはキミドリの娘を探そうと歩く。歩き続けるが、キミドリの娘はなかなか見つからなかった。
「うーん、見つからないわね」
「まあまあ、気長にやっておこうよ。簡単に見つかるもんじゃないし・・・」
「うーん・・・ん?」
イブは森である少女を見つけた。その姿は可愛らしく、幼少期のキミドリにそっくりだった。・・・ん?キミドリ?
「(!!)犯人はあんただぁー!!」
「えっ!!?」
~数分後~
「ごめんね。飛びかかっちゃって」
「もう、気をつけなさいよ!!」
キミドリに似た少女はリリーという名前だった。リリーは一方的なケンカを母であるキミドリにふっかけると飛び出して、この森に来たそうだ。流石はワガママ娘だなとイブは思った。
「よくこの森に来るのね。で、何でケンカしちゃったの?」
「・・・ふん!あんたには関係ないでしょう!?」
「子供は素直でいなきゃダメだよ。それに私はお人好しだから、何があったのかは少しだけ分かるの。だから、このお姉さんに言いなさい」
イブの諭しにリリーは折れた。すると、リリーはあることを言った。
「・・・実は今のお母様は私の本当のお母様じゃないの」
「えっ!!?」
イブが驚いているにも関わらず、リリーは話を続ける。
「私の本当のお母様はね、私が2歳の時に病気で亡くなって、私が5歳の時にお父様の再婚で今のお母様が来たの。それで、ケンカばっかりしてて・・・ケンカの度にあの人は悲しい顔してた・・・っ、だから・・・お母様と分かり合えるような・・・手品を見せてほしいの・・・っ」
(本当は好きなんだね・・・)
イブは泣いているリリーの頭を数時間撫で続けると、その手品をやると承諾し、リリーと別れた。ヒトハはイブを寂しそうに声をかける。
「イブ、どうする・・・?」
「何とかはしたいんだけど、そういう手品なんて・・・あっ!!」
「何か思いついたの?」
イブは問うヒトハにある答えを言う。
「思いついたのよ・・・命がけで親子が分かり合える手品をね!」
次回、イブが思いついた手品とは・・・!?お楽しみに!